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拒絶の壁

作者: イプシロン


  街はぐるりと壁に囲まれ

  鈍色で赤錆びて垢まみれ

  楼閣みたく暗雲さして

  兎角(とかく)すれども果て見えなくて


  捻れ(いびつ)で醜くて

  俺の歌が歪曲される

  悪魔の(つめ)が鳴りだして

  厭らしき笛の音が胸を(さいな)


  「お前にあの()は似合わない

  顔は不細工、胴は長くて足は短い

  媚諂(こびへつら)って恥をかくことを恐れてる

  自分の卑劣さを知りもしない」


  「嘘つきめ! お前がそうさせたんだ

  拒絶の壁も罪悪感も、俺とお前の城塞だ!」




  English version


     Wall of denial


  The city stands encircled by its walls,

  Dull gray, rusted, with grime that appalls.

  Like a tower, dark clouds gather and rise,

  Though I reach out, the end’s hidden from my eyes.


  Twisted and ugly, I stand here confined,

  My song is distorted, no solace I find.

  The devil's hooves start to echo and pound,

  While lewd flutes tease, tormenting my heart unbound.


  "You don’t deserve that girl, you see,

  Your face is ugly, your legs are short, not free.

  A craven fool, too scared to face the shame,

  You know not of your own base name."


  "You liar! You made me who I am!

  Walls of denial and guilt—our fortress, our jam!"

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