あたしの第六感神経痛
痛いのキライ!
あたしの第六感がずくんと痛む
むかしの古傷がごとく
肋骨のあたりを走る痛みとはべつの
フィジカルよりスピリチュアルなペイン
はじめこそ にぶく うずくだけだったのが
するどい稲妻になって
やがて針のムシロを経て
つららの雨をともなった雪崩になる
もうこうなったら 手がつけられないぞ
あたしの第六感がずきりと痛む
第三の眼がひらこうとするおでこの
めりめりと裂けるような痛みとはべつの
ハートがまんなかのくびれから
まっぷたつに裂けてくような
容赦ない無慈悲なペイン
知覚するでなく悟る種類で
傷ついた痛みでもなく 壊された痛み
痛い! 痛い!!
涙と鼻水と冷や汗でべっとりのなめくじになって
コウモリにしか聞こえない周波数で悲鳴をあげる
こんな想いをするくらいなら
あたしに第六感なんか なければよかった
感受性のつぼみを閉じて
風が吹いても儲からない桶屋の暖簾を
そっとたためば救われるんだったら
あたしはおでこの第三の眼も
闇夜にとける漆黒の翼も
なにもかも棄ててしまおう
そして ただ ものを
見て 聞いて 嗅いで 味わって そして触れるだけの
ひとのかたちをした いきものになるんだ
それがどうしてもいやなら
この痛みにも耐えるしかない
その二択は
痛みをもつ痛みか 痛みを失う痛みかで
耐え難い痛みを負うことには
どうせ かわりなどしないのだろうけど
これがあたしの第六感神経痛
痛い! 痛い!!
痛い! 痛ぁぁあい!!!
ほんと、痛そう。