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6話 花火大会

今回短いです

花火大会当日俺は今陽の家にいる。

なぜかと言うと月からこんな内容のメッセージが届いたからだ。


『花火大会当日着物で集合ね! よろしく!』


もちろん俺が着物を持っているはずがなく、陽に相談したところ1つ着物が余っているらしく貸してもらうことになった。それで集合1時間前に陽の家に行くと陽の母に連れてかれ現在着付けされている。

「よし! できたよ」

「ありがとうこざいます」

「いいのよ、花火大会楽しんで来てね」

「はい!」

「ちょっと待って!」

一礼し、和室から出ようとしたら陽の母に止められた。

「どうかしましたか?」

陽の母は悩んだ後話し始めた。

「星弥くんにお願いがあるの、もし陽に何かあったら警察や病院に電話する前に私に電話してほしの」

そういい電話のメモを俺に渡した。

「わかりました」

「陽をよろしくね」

陽に何か事情があるのだろうか。そう思いながら俺は何かあったら俺が守らないとと意気込んだ。

「星弥くん! 準備できた?」

着物を着た陽が襖を開け入ってくる。

「できたよ」

「じゃあ行こっか、お母さん行ってきます!」

「気をつけてね」

俺達は集合場所へと向かった。



「よ!」

俺は冬馬と翼が座っているベンチに駆け寄る。

「よ! 着物似合ってんじゃん」

「そうか? 冬馬も似合ってんじゃん」

「やめろって、照れるわ」

照れくさそうにお互いを褒め合う。

「翼起きろ! お前どこでも寝るな」

ベンチに横になりすやすや寝ているところを揺さぶり、起こす。

「んー……むにゃむにゃ……あれ? 星弥さん達来てたんですかー?」

「今来たところだけど、翼が時間通りに来るとは思わなかったわ」

「俺りんご飴楽しみなんです、だから冬馬さんに家の住所教えてここまで連れてきてもらいましたー」

りんご飴のためにそこまでするか? てか冬馬大変だっただろうな。

「大変だっただろ冬馬……」

「あぁ……家に着いたらまず寝てるとこを起こして着物に着替えさせて、ここまで引っ張って来た……しかも歩きながら寝てるし、大変だった……」

なんか言われなくてもだいたい想像できた。歩きながら寝るとは器用なやつだ。

「まぁみんなで思い出作れるなら大した事ないよ」

冬馬お前かっこよすぎ! そんなイケメン台詞サラッと言えるのかっこいい! さすがイケメン。

「それにしても月さん達遅いね」

陽の言う通り集合時間からもう20分は経っている。

「そうですねー、もうひと眠りできそうですねー」

「「次寝たら置いてくぞ」」

「はーい」

「ごめん! お待たせ!」

月と月の友達が小走りでこちらに駆け寄る。

「ヘアアレンジに時間掛かっちゃった、今日の私も美しいでしょ! 紹介するね友達の天野星麗(あまのせら)

確かに美しいけど美しいは余計だろ。

藍色(あいいろ)の横髪を巻いた少女がこちらを向く。

「初めまして、青藍女学院(せいらんじょがくいん)高等部2年の天野星麗と申します。皆さんよろしくお願い致します。」

青藍女学院?! 確か隣町にある超お嬢様学校じゃねぇか?! 一体どこで知り合ったんだ? それにしてもなんか俺めっちゃ見られてる……俺以外の3人顔良いからな、俺浮いてるから見られてるかも。

「星麗ちゃんよろしく! 俺葵冬馬、こっちが京極星弥」

「よろしく」

「それでこっちが柴野陽」

陽が一礼する。

「それでこのベンチで寝転がってるのが隠宮翼」

「ふあぁー……よろしくでーす」

「こちらこそよろしくお願い致します」

言葉遣いがめちゃくちゃ丁寧だ。かなりのお嬢様だな。

「それにしても月ちゃんも星麗ちゃんも今日は特に可愛いね、な! 星弥!」

は? え?! おれ?!

「あぁ、そうだな」

「本当?!」

いきなり月が俺の方を向き嬉しそうにする。

「うん、馬子にも衣装だな」

すると月がため息をつく。

「星弥に期待した私が馬鹿ね、もう少し褒めてくれてもいいのに」

何やらボソボソ言っているが、これは怒ってないでいいでしょうか。

「全員集まったし、行くか! 屋台巡り」




「あ! りんご飴ありましたよー、陽さん行きましょー!」

「うん!」

翼と陽がりんご飴の屋台へと走っていく。

「お! 焼きそば発見! 買ってくる!」

「葵、待って! 私も行く! 」

冬馬と月が焼きそばの屋台へと走っていく。

お分かりの通り月の友達、星麗さんと2人きりである。きききき気まず!

「あの……京極さん、あなたは面白い人ですね」

星麗が星弥の手を握り、星弥の顔が赤くなる。

「え?! 俺ですか?!」

「はい、見ていてとても面白いです」

「顔が平凡なところとかですか?」

「いえ、違います。とにかくあなたは興味深いそれが言いたいんです。月がメッセージで幼馴染の話をよくするのでどんな人なのか気になっていたんです。実際会ってみたら普通だなと思いました。」

やっぱり普通。

「でも………やっぱりやめます。ここまで言ったら意味ないですから、それでは失礼します」

星麗が帰ろうとする。

「待って! まだ花火見てないし、もう少し屋台回らない?」

「いえ、遠慮させていただきます。目的は果たしたので、月や皆さんには用事ができたと伝えてください」

そう言うと星麗は一礼し、人混みの中に消えていった。

俺が興味深い? そういえば翼にも似たようなこと言われたな、やっぱりセレサのことバレてるのか?!

「星弥くん」

「うわっ!」

いきなり話しかけられびっくりする。後ろにりんご飴を持った陽と翼がいた。

「びっくりした、ごめん、考え事してた」

「そっか、これ星弥くんのりんご飴、あと星麗さんの分も買ってきたけど星麗さんは?」

「なんか急用で帰っちゃった」

「そうなんですかー、じゃあこのりんご飴は俺が貰いますねー」

そんなにりんご飴が美味しいのか翼は両手に持ち幸せそうにしている。

「焼きそば買ってきたよー!」

月と冬馬が戻ってきて、陽の持っていたりんご飴が入った袋と焼きそばを交換する。

「星麗は?」

「急用で帰ったらしいですよー」

「そっか……仕方ないか、じゃあ花火綺麗に見えるとこまで移動しよ」






花火が打ち上がる。

「今年の大きいな」

「うん、しかも色も鮮やかで綺麗」

俺たちは少し花火大会エリアから外れた橋の上で花火を見ている。人通りは少なく食べながら見るのにとても最適な場所だ。

「花火見てたらまたりんご飴食べたくなってきましたー」

「まだ食べるのかよ?! 次で3本目だぞ!」

翼のりんご飴への執着に驚く。

「花火終わったらまた買いに行きましょー」

「はいはい、終わったらね」

それにしても本当に綺麗な花火だ、去年は見に行かなかったからだろうか。それにいつもなら遙真と2人だったからこんなに大人数で見るのは初めてだ。

俺は思わず陽を見てしまった、花火に照らされた中性的な横顔はとても綺麗だった。








「終わったな」

「終わりましたねー、じゃあもう1回りんご飴買ってきまーす」

翼がもう1つ買うということで俺たちはもう一度屋台エリアへ戻ることにした。

「それにしても帰り際だから人が多いな、月ちゃん大丈夫?」

「大丈夫よ」

花火が終わり移動する人が増え幅が少しずつ狭くなる。

「陽大丈夫?」

陽が心配になり、声をかける。

「陽?」

反応がなく振り向こうとする。

「キャーーー!!」

振り向いた瞬間、周りから悲鳴が聞こえる。

なんだと思い陽を見ると口から血を垂らし、足を止め、背中に包丁が刺さっていた。

通り魔殺人だろうか見渡すと犯人だろうそいつは周りの人に取り押さえられていた。

陽が倒れそうになる。

「陽!」

慌てて陽に駆け寄り抱きとめようした瞬間、陽の髪が伸び、髪色がモカベージュから綺麗な白へと変わった。まるで御伽話に出てくる巫女のような姿だった。


最後まで読んでくださり本当にありがとうこざいます。


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