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52話 次の地へ

アニマリーア王国宮殿内にある蔵書室で星弥(せいや)(つばさ)絢斗(あやと)は次の目的地の話をしていた。

「次向かうならここです。ノース大陸にあるカーライル王国。ここなら停船ができます。その後は歩きでメルディアに向かい次の大陸へという感じがベストですね」

「カーライル王国ってあのカーライル王国?」

「はい、世界一安全で楽しめると言われるあのカーライル王国です。ただ休息も兼ねて1週間しか宿泊しません。その1週間も移動しながらですので」

「…………わかってますよ。ちょーっと遊びたいとかは思いましたけど」

「……まぁ遊園地ぐらいなら寄っても……」

「ほんとですか?! やったー!」

喜びのあまり隣にいる翼を全力で横に揺らしていた。

「遊ぶのはいいですがカーライル王国についてもお忘れなく。ここはセイクリッドと違う点が多数あります」

「違う?」

「はい、今から説明します。まずカーライル王国についたらむやみに聖力(せいりょく)独力(アビリティ)は使わないでください」

「にゃんでにゃの?」

「この国は聖力と独力が珍しいからです。王国内では王族と貴族が稀に持つぐらいです」

「使ったらどうなります?」

「…………牢獄行きですかね」

「「牢獄?!」」

「思ってたよりやばいですねー」

「カーライル王国は聖力、独力に頼らず発展してきた科学王国です。聖力、独力の許可ない使用は反逆罪とみなされます。決して使わないように」

「やばいにゃの……つまり聖霊のセレサは存在がバレると……」

「捕まりますね」

「やばいにゃのーー!!」

「ルールさえ守れば安全な国なので、とにかく気をつけてください。癖で使うとかやめてくださいね」

「「善処します」」












「せいやー!」

宮殿から出ると輪鼓(わこ)と狐になってしまった楓佳(ふうか)が走って抱きついてきた。以前と違い輪鼓は年相応の可愛らしい服を着ていた。

「せいやーあそぼー!」

星弥の肩から降りたセレサは楓佳と戯れている。

「いいよ、何して遊ぶ?」

「かくれんぼしよ! みんな呼んでくる!」

走って友達を呼びに行った輪鼓を星弥たちは暖かい目で見守っていた。

「わたくしも混ざろうかしら」

宮殿から出てきたのは皇女殿下だった。

「皇女様?!」

「そんなに驚かなくてもいいのよ。わたくしも混ぜてちょうだい」

「構いませんが……」

「ほんと?! ありが…………」

言いかけた言葉を突然止めた皇女を不思議そうに見ると顔を真っ赤にして星弥の隣にいる翼を見つめていた。

あぁ…………惚れちゃったやつだ……

すごくかっこいい……!

「あの………」

皇女は星弥を盾にしながら翼へ話しかけた。

「はい?」

「彼女とか……います……?」

「……いないですけど……」

よっし!

心の中でガッツポーズしてるだろうな……

「もし……よかったら……お茶しませんか……?」

「お断りします」

「……え?! お断り?! え?! え?! えーー?! なぜです?!」

「なぜって……言われましても………単に興味がないから?」

「興味が…………ない…………」

あまりにも辛辣な言葉に皇女は膝をついて落ち込み初めてしまった。今にも泣きそうな顔だった。

「おい! 翼! もっと言い方あるだろ?!」

「だって興味ないんですよ? それなら隠さず素直に言ってあげた方が彼女のためです」

「………はぁ………お前はそういうやつだよな……」

「俺は星弥さんとお茶なら喜んでしますよ!」

「………そういうことじゃない……」

「せいやー! みんな呼んでき………何この状況……」

輪鼓が見たのは泣き崩れる皇女様。そしてその横で翼を叱りつける星弥という謎の地獄絵図だった。

「騒がしい! 何事だ!」

従者を連れて現れたのは皇太子殿下だった。皇太子殿下は泣き崩れる皇女に一目散に駆け寄った。

奈々(なな)?! どうした?!」

「あの方が……私に興味がないと……」

「なに?!」

一言言ってやろうかと翼を見るとあまりにも輝くイケメンに皇太子は言葉を詰まらせた。

「……奈々…………あれは異次元だ……諦めなさい……」

「……うん………」











3週間後、翼の傷が完治し星弥たちは次の目的地に旅立つため別れの挨拶をしていた。

「せいや! 行かないでー! ずっとここにいてよ!」

「………ごめんな……楓佳のためにも自分のためにも行かなきゃ……」

「……うん…………楓佳を戻して」

「あぁ……」

「ぼくのことは気にせず街の復興を手伝え。すぐ戻る」

「楓佳死なないでね」

「勝手に殺すなよ」

「せいや、あの時助けてくれてありがとう」

「いえ、杏菜(あんな)さんも元気で」

「また、いつでも来なさい。我々アニマリーア王国はあなた方を、救世主をいつでも歓迎いたします」

「はい! じゃあ、また!」

船に乗り込んだ3人と2匹は次の目的地のノース大陸へと向かった。多くのお見送りに囲まれている。

「またね!」

「さようなら!」

「ばいばい!」













ここはノース大陸にあるカーライル王国宮殿。この国たった1人の皇太子が父親である国王に呼び出されていた。

「お呼びですか父上」

「ロイド……お主に仕事を任せたい」

「はっ! なんなりと」

「お主に天使病(てんしびょう)の解決を命じる。使えるものはなんでも使い解決してみせよ」

「はっ!皇太子ロイド・マルセラ・カーライルにお任せください」













『なんでも上手くいく展開……こんなのおかしいと思わないのかしら? ……きっと生まれつきだから気づかないのね………………私があなたを元の姿に戻してみせますから…………旦那様………いや…………我らが神、













()()()()

最後まで読んでくださり本当にありがとうございます。

次回より新章前編に突入します。また、しばらく休載します。勝手ながらすみません。

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