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48話 カジノ

夜7時。仮面をつけてカジノに向かうと身分も何も確認されず、チップを渡され入ることができた。ちなみにセレサはお留守番中だ。

「………一日で合計、100億いけばオーナーと直接対決することができるらしいです」

「じゃあ、俺たちは3人で合計100億目指せばいいってことですね」

「……俺……無理かも……」

「大丈夫ですよ! 賭け事は運みたいなとこありますから」

「……うん……」

各自わかれ、星弥(せいや)はルーレットの場所にきた。なんとなく説明で聞いていたためわかるが、いざ始まるとどの数字賭けていいかわからずとりあえず25に全チップを置いた。

「あいつ、全部25にベットしたぞ、馬鹿だろ」

「当たるわけねぇのにな」

………よく……わかんないから25に置いたけど……バラバラに置けばよかった……

ルーレットの玉がどこに入るか見守っているとなんと25に入った。

「は?!」

「「え?!」」

後ろで見ていたおじさんたちも一緒に驚いていた。

確か……賭けたのが一万………36倍だから………36万?!

「もう一回」

星弥はルーレットに沼った。







一時間後、星弥の手持ちは10億を越えていた。

なんで……一点賭け全部当たるの………怖……

わなわなと震えていると(つばさ)に声をかけられた。

「星弥さん、儲かってますねー」

「明日の運勢が怖い」

「あははっ……」

「翼はいくらぐらい……」

「今ざっと50億ぐらいですかねー」

「へー、そっか………………50億?! どうやって?! なんで?!」

「簡単ですよー、カードを瞬間移動させれば」

「………………いかさましてない?」

「バレてないので大丈夫でーす」

悪い笑みを浮かべる翼に呆れていると近くで怒鳴り声が聞こえた。

「どうするんだ?! このスーツ一張羅だぞ?!」

「申し訳ありません!」

謝っているのは踊り子だろうかひらひらとした綺麗な際どい衣装を着ている。

「お許しください!」

「そうだな…………お前が体で払ってくれれば許してやろう」

「そんなっ……」

にやにやした男に比べ、踊り子の女の子は震えていた。

「お許しください……」

「ほら、どうすんだよ」

男が踊り子の少女の肩に触れようとした瞬間、星弥は男の手を握り、止めていた。

「あ? なんだよ」

「その服……本当に一張羅なんですか?」

「そうに決まってんだろ! 10万だぞ!」

「……10万なんてたいしたことないだろ」

「なんだと?!」

「カジノで勝てばいいんだから。お前はカジノで勝てないほど弱くてお金も厳しいのか?」

星弥の挑発に周りの客がくすくすと笑っていた。中にはそうだそうだと声をあげる者もいた。

「ちっ! もういい!」

プライドがズタボロになったのか男はカジノから去っていった。当分ここには来れないだろう。

「……ふぅ……」

「ありがとうございます! ……怖かった……」

「無事でよかったです。気をつけてくださいね」

「…………はわわっ…………はひっ!…………あのお客様……彼女とか……」

踊り子の少女が言いかけた瞬間、2階へと続く階段から拍手が聞こえた。

「素晴らしい! 暴力も一切なしに解決させるとは! お見事!」

「………星弥さん………あいつオーナーです」

「……まじか……」

「君、良かったら奥で僕と賭け事をしよう」

本人からやってきてくれるとは……ありがたい!

「はい、喜んで」

「じゃあ2階に行こうか」

オーナーと星弥が2階に消えた頃、踊り子の少女が心配そうに翼に聞いてきた。

「あの………大丈夫でしょうか?」

「星弥さんなら大丈夫ですよ」

「いえ……そうではなくて…………今まで2階に行って帰ってきたお客様は誰一人としていないのです………」

「…………っ! 早く言え!」

「す、す、すみません!」











オーナーの専用ルームへとやってきた星弥が一番最初に目にしたのは額縁に飾られた宮殿内の地図だった。

あんな……堂々と飾ってあんのかよ………

「君はルーレットが得意かい?」

「! なんで……」

「監視カメラで見ていたからね。全部一点賭けして当てるなんて強運の持ち主だ。そこでだ。ここにあるもので君が欲しいものなんでもあげよう」

「じゃああの地図ください」

「……………なんの疑いもなく答えたね………いいだろう」

額縁を外し、1枚の地図と引き出しに入っていた地図を纏め星弥に手渡した。

「……こんな簡単にもらっていいんですか?」

「いいよ………ここは明日で別のやつがオーナーになるんだ……君なら託してもいいと思ったんだ。あいつらの手に渡る前に……」

「あいつら……」

「あぁ……あの聖女様を軟禁している悪党だよ……半年前からあいつらの始末したいやつをここに呼び出しては眠らせ、あいつらに手渡してきた……それも今日で……おわ………」

言いかけた瞬間オーナーの頭に銃弾が貫通し、倒れた。入ってきたドアを確認すると、銃を持った兵士がいた。

「……余計なこと喋らなければ……死ななかったのにな……ガキ……その地図渡せ、じゃないと撃っ………」

撃つと言いかけた瞬間兵士の頭に翼のいい蹴りが入り、兵士は気絶し倒れた。

「はぁ……はぁ…………間に合った………星弥さん! 早く逃げ……」

「侵入者よ! このカジノは常に包囲それている! 大人しく出てこい!」

オーナーの部屋の窓から外を覗くと多くの兵士がカジノの周りを囲んでいた。逃げ場なんてない。

「どうなって……」

「完全に読まれていたということですね」

いつの間にか来ていた絢斗(あやと)がオーナー部屋の資料を漁りながら深刻そうな顔で言った。

「ここにしか宮殿内地図はなく、我々はまんまと敵の餌に食いついたわけです」

「ここから出る方法は…………」

「あります!」

声のするほうを見るとさっきの踊り子の猫耳少女がいた。

「従業員の限られた者だけが知る抜け道があります! そこなら………!」

そこなら抜けれると言おうとした瞬間に踊り子少女の手を星弥が掴みぎゅっと握った。

「ほんとか?! 助かったよ!」

「え……え、え! う、う、うん!」

戸惑う少女の前で星弥は突然コートを脱ぎはじめた。

「な、な、何を!」

そのコートを少女の肩へとかけた。

「寒そうだったので………俺、星弥よろしく」

「…………あたし………杏菜(あんな)……」

「早速案内してもらってもいいか?」

「う、うん!」

杏菜に連れられ1階へと向かう。すると1階階段前に兵士が二人見張るように立っていた。

「抜け道ってどこにありますか?」

翼の問いかけにコートを強く握っていた杏菜が真剣な顔で答えた。

「ルーレットの横の壁です。ルーレットの台の横に小さなスイッチがあるのでそこを押せば開きます」

「俺があいつらの注意を引く間に抜け道見つけてください!」

階段の手すりをスキーをするかのように滑り、その助走でひとりの兵士の顔面に蹴りを入れた。もうひとりが翼に気づき、銃を向け抜け道とは逆方向へと逃げた翼の後を追う。

「今です! 行きましょう!」

絢斗の合図と共に1階へと降りた3人はルーレットの台に行き、スイッチを押した。そこには地下水路へと繋がる道が見えたのだが、なぜかそこには楓佳(ふうか)輪鼓(わこ)がいた。

「………なんで……?」

「ふんっ! この抜け道はぼくも知ってるからな! 反対方向から来たんだ! 地図のためにな!」

「ご、ご、ごめんなさい! 止めたんだけど!」

「………この2人がいるということは……きっと水路を通った出口にも兵士がいますね」

「そんな! なんで!」

「後をつけられていたとしか考えられません、一体いつから……」

あの翼や優秀な絢斗すら追っ手の気配に気づいていなかったのだ。このカジノは完全に袋のネズミとなった。


最後まで読んでくださり本当にありがとうございます。

カジノのルールはまったくわかりません。説明読んでも無理でした。独自で変えている箇所もありますのでお願いします。

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