皇国|〇二
世界の極東に位置する国「大和帝国」。
海に囲まれたその国は多くの戦争と勝利で今や列強と呼ばれる国となった。
世界でも多い帝国と区別するため人々はこう呼んだ。
「皇国」
一人の皇帝とその下にある政府は皇国を更に強い国にするために
大陸の突出した地域にある国に宣戦布告し、
勝利を収め、大陸への橋頭保と多額の賠償金を手に入れた。
更に皇国は更に西に前進し、そこにあった国を滅ぼし
新たな傀儡国家「アムール共和国」を建国した。
皇国はアムールにある豊富な資材を使い戦車、
大型艦などを多数建造した。
だが北方にある巨大国家「シルアン連邦」と
大陸のもう一つの大国「漢登人民国」に挟まれた位置にあり
常に滅国の危機にあった。
そこで皇国軍部は内戦状態にあった漢登に対して宣戦布告し、
アムールの立場を確実なものにしようとした。
この頃アムールは国際組織である「世界議会」から
皇国が不当に占拠しているとされ皇国と共に
批判の的になっていた。
しかし漢登に住む人民は次第に
対皇国戦線を構築し頑強なものになっていった。
皇国もそれに比例して進軍速度が低下していき軍部が当初計画していた
戦争計画は意味をなくしていった。
しかも大陸の西にある世界帝国「ファーデン連合王国」、
革命国家「レーンス共和国」
貿易国家「ディーンズ公国」、
そして皇国と海を挟んだ大陸にある自由を謳う国「ライカ合衆国」。
これらの四つの国家が中立国家を経由し漢登に武器支援を大規模に行い
首都の要塞化や近代装備の陸軍を編成した。
これらは皇国軍の進撃をさらに遅くし長期化は避けられそうになかった。
しかし大陸西部にある皇国の同盟国「ゲード第三帝国」が
レーンス共和国を降伏させた。
漢登南部にあった植民地を経由し支援していた共和国が降伏したことを
好機と見た皇国軍部は共和国植民地に進軍。
多少の抵抗はあったものの植民地を占拠し
レーンス共和国による武器支援を断ち切ることに成功した。
レーンスは大陸の領土をすべて失い、
南方大陸に拠点を移した共和国軍残党にもはや支援する国力はなく
既に断っていたものと合わせて支援ルート四つの内二つを完全に断ち切った。
これを機に皇国は漢登を完全に降伏させるため
さらなる大規模攻勢を仕掛けようとしていた。