詠唱
家に来る霊が増えたことがある。
家の隅、階段の下のデッドスペースなど、少し暗めの場所に、居るなぁ、という濃い気配。
視線を感じ、ぞわぞわ、肌が粟立つ。
もちろん、例の(霊の?)私だけが知っているニオイもある。
そんな中、クリスマスの季節がやってきて、クリスマスツリーを飾ることになった。
設置場所は、玄関入ってすぐ、階段のすぐ下である。
倉庫に仕舞っていたクリスマスツリーを玄関まで持ち出し、箱から出して広げて、、、
あ〜 ぞわぞわする。。
視線もすごい、、、階段わきの暗いスペースから、ジットリ見られているのがわかる。
複数いるみたい、、
怖い・恐い・怕い
でもなぁ、クリスマスツリー、飾るって、親戚の子にも約束したしなぁ、、
無視・無視! 無視に限る!
頑張って(物理的に? 気を張って)黙々と飾りつけを始めたものの、ゾワゾワ気になって仕方がない。
そこで気を紛らわせるため、そして、クリスマスムードを盛り上げるために、クリスマスの讃美歌を歌うことにした。
中高とミッションスクールに通っていたのもあり、讃美歌はしっかり歌える。
ぞわぞわする気配を振り切るように、覚えている全てのクリスマスの讃美歌を歌い続けた。
何曲歌ったのだろうか、飾り付けをしながら、歌に意識を集中させていたのだが、
あれ?
気配が消えてる ?
クンクンクン、くさく無い ?
ドロドロと瘴気溜まりのような階段の薄暗い場所が、玄関が、スッキリしていて
なんと呼吸もしやすくなっていた。
瘴気がきつくて、息苦しくて、無意識に呼吸を浅くしていたから、清々しくてビックリだった。
歌っていたら図らずも浄化したようだ。
え〜?歌って、浄化出来るの??
この時はまだ 詠唱の意味をわかっていなかった。
ただただ、浄化出来てラッキー 程度の認識だった。