絵に宿る何か
通勤路に、1階がガラス張りの商業ビルがある。
1階のフロアがイベントスペースになっていて、
主にゲームやアニメのグッズを月替わりで売っているようだ。
その時々のイベントの巨大なポスターがガラス一面に貼られていて目に楽しい。
ある日、その前をいつものように通ったところ、なんか視線を感じた。
ふと見上げたら、乙女ゲームなのか? キラキラしたイケメンの全身巨大ポスターが目に入った。
あっ!
どうやら見てはいけないもの? 気づいてはいけないものに、気づいてしまった。
ポスターに、何かが宿っている。。 魂を持ったっていう感じ。
しかも、そのポスターの絵、ホストか?というような絵柄で、二次元男子でプレイするゲームの宣伝だったようだ。
だからか? その宿った何かは、インキュパス、夢魔っぽい何か。
しかも、その商業ビルのある地域は、近くに有名な繁華街○丁目があって、奥はディープなエリアだからね。
あー、気づかなければ良かった。
向こう(絵の彼)、気づいた? 気づいた? って視線で追ってくるんだよ。
その後、何日か前を通ったけど、やはり宿っていて、しかも、何となく存在が強くなっている気が。
商業ビルのイベントに嬉々として来る女性客多いし、何よりも人通りが多いから、
絵の彼(インキュパス?)にとって、人の気、艶っぽい気は餌(エネルギー源)なのかな。
彼の舐めるような視線がだんだんと強くなって来るものだから、嫌になって、遠回りをすることにした。
しばらくしたら、イベントが終了したらしく、ポスターが有名なスポーツ漫画のアニメに変わっていた。
正直、ホッとした。
前を通るたびに、ひぃ〜って、総毛立ってしまっていたからね。
それにしても、ポスター片付けた後、そこに宿る何か、はどうなったのだろう。
ポスター、室内に飾るにしては巨大過ぎたからね。
倉庫の片隅に丸められて、抜け出せないでいるとか。
それとも焼却処分されたか、、
もしそうだったのなら、「あ〜れ〜」って、例の何かも燃やされてしまったのだろうか?
どう思う?