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転生先は小説の‥‥。  作者: 久喜 恵
第七章 それぞれの思惑
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疑わしき二人・カレンシア

カレンシア視点、最後です。


さて、つらつらと思い返していても解決致しませんわね。


わたくしとしてはライムフォード殿下とジオルド様のどちらかが後ろで手を引いているのではと疑惑を深めましたが旦那様のお考えはどうでしょう。

わたくしが疑う理由はお二方の陛下との確執でしょうか。わたくしの私見ですがこのお二人、陛下からの印象は良くなさそうでしたわ。


陛下と言えばかなり頭を悩ませていらっしゃいましたわね。

今回の婚約破棄と逸れに纏わる事件で王家は帝国からの信用を著しく落としましたもの。経済的にも軍事的にも強国である帝国との繋がりを強化出来る貴重な機会をあの阿呆のやらかしで水泡に帰したのですから。

これにはわたくしお腹を捩らせて笑いましたのよ。その所為で笑い皺が増えて困りましたの。ふふふ、旦那様の仰った通り破談になりましたわ。喜んではいけないのでしょうが喜びましたのは秘密ですわ。


ですが、こんな国でもわたくしの愛する旦那様のお国ですからね、尽力致しましたのよ。わたくし優しくて謙虚な性格をしているでしょ? 手を差し伸べますわ。まあほぼ嫌がらせな面は認めますが。陛下はご快諾下さいまして褒賞としてティの不干渉をお約束下さいましたの。


ですが、ライムフォード殿下がティにまだ執着していれば…‥確証が持てない点が痛いですわ。陛下の約束を反故にしそうですもの、このお方は。

領地にご来訪下さった後は一度もティに接触をなさらずで、執務に勤しんでいらっしゃるそのお姿からは気持ちを切り替えたと判断出来ますが、答えを出すには早急かしら?

未だ確証が持てないでいますのよ。ですからティの誘拐やクレアを潜り込ませたのも殿下ではないかと疑っていましたの。

帝国からの縁組を素直に受け入れて下さっていれば杞憂で終わりましたものを。

旦那様と意見を交換致しませんと不味い状況になりましたわ。


お邸に戻る時間が来ましたわね。


はあ、我が家の監視が邪魔ですわ。

幾らアレ(騎士団)が陛下の御厚意であっても一々面倒ですもの。

出入りの者もですが家人も不便さを味わうだなんて予想外もいいとこですわ。

陛下の御厚意…‥ジオルド様もライムフォード殿下もご存じないのよね、密約がある事を。

仕方がありませんわ。知らないから我が公爵家を謀反の冤罪を被せる策を持ちいたのでしょうね。陛下がご存命であられる限り我が公爵家は罰せられませんのよ。契約反故でもしない限りはね。

ラムも城の王侯貴族専用の牢に匿って下さって城内の諜報が行いやすくなりましたのは良いのですが‥…最近嫌な動きが見受けられたと報告を受けました。あの子大丈夫かしら。母の心配は尽きませんわ。






…‥ジオルド様、ティを使って旦那様を担ぎ出そうとなさっても無理でしてよ。

もし貴方が陛下を討ち取る駒に旦那様を選ばれたのでしたらその計画は成就致しませんわ。貴方は王弟なのにご存じないのですね。それとも陛下からの信がないからでしょうか。


我が公爵家は陛下に忠誠を誓わされておりますの、魔力を用いて(契約魔法)まで。


ブクマ・評価・いいね、ありがとうございます。とても励まされます。

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