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転生先は小説の‥‥。  作者: 久喜 恵
第七章 それぞれの思惑

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カレンシアの呟き

カレンシア視点、2話目です。

疑わしき人物を思い浮かべながら、腹立たしい記憶も序でに思い出しています。

さて、ジオルド様はまだご存じでないようね。

ライムフォード第二王子殿下が何か企んでいるご様子。これ貴方に教えたらどうするのかしら。牽制して下さればよいのですが、この方、イマイチ押しが甘いのよね。


それにジオルド様は人様を誘導し思惑通りに駒として動かすのがお好きらしく隙を見せるとこれ幸いと付け込んでこられる厭らしい癖をお持ちなのよね。隠れてコソコソするのが得意で、その辺はライムフォード殿下も似ていらっしゃる。


わたくしは旦那様と旧知の仲のジオルド様が仰る『共闘』に引っ掛かりを感じまして彼の同行を許しました。旦那様も渋々でしたがご了承下さいましたし。ちょっとお顔が引き攣っていたことは、ふふふ、ご愛敬ですわね。

ジオルド様は善意で動くお方ではありませんもの。旦那様は分かっていらしても側近としてお側に仕えた経験がどうしても彼に対して甘くなられるのよね。旦那様は優しいから仕方ないのですが‥…

まあ、お互い利用し合う仲でしょうから問題ないわね。


今回は助かりましたから素直に感謝いたしましょうか。

ですがわたくしクレアについては疑っておりますの。勿論、ライムフォード殿下もですわ。エリックに容易く近づける人物となると限られますの。ラムの侍従としてエリックは常に行動を共にしていますでしょう? 

あの日、わたくしが王都に向かった日。ラムとエリックは一足先に王都へ、ライムフォード殿下に用があると申してましたの。あの日を境にわたくし、エリックの姿を見ていません。ラムはエリックに仕事を任せていると言っていましたが。あの子も裏切られたのかしら? 


ジオルドはエリックには魔力残滓が見られなかったと言っていましたが、それ本当かしら? ジオルドの言葉を鵜呑みに出来ませんね。

わたくしまだジオルドを疑っておりまして今は見極めの時かと思っておりますのよ。

ティはすっかりジオルド様‥‥と言うよりダルを信じたようね。

ああ、あの子、旦那様とわたくしの娘とは思えないほど素直なの。純粋でいい子なのよ。悪い輩に騙されるのではないかと心配で心配で。過保護はあの子の為にならないとわかってはいますが、どうしてもねぇ‥‥‥

ですからそんな人物、ティに近付かせるわけにはいきませんわ。ここはわたくしがしっかりと見張っておかないといけませんね。




さて、肝心のジオルド様はライムフォード殿下に監視をお付けではない様で脇が甘いのではなくて。


それにしても、帝国側は彼の殿下をとても重要人物と見ているのですが‥‥この国では違うのね。人格はどうかと首をかしげたくなりますが頭脳は明晰。素晴らしいものをお持ち‥‥でもちょっとどころかかなり特殊な思考のお方でしたね。

そう思うと為政者に向いてはいないでしょう。

だからと言ってあのクリスフォード様は無いわ。ないないないですね。

それなのにあの王妃にしてやられ‥…チッ! 思い出すだけでも腹立たしい。あの王妃、憎たらしい!


離宮で毒を盛られたのも分かります。だってあの人、毒婦なんですもの。

あの方後ろ暗い事だらけですものね‥…ああ、あんな人がティの姑にならなくて本当に良かったわ。やらかしたクリスフォード様には盛大に謝辞を送りたいですわねぇ。ふふふ、謝辞より暗殺者の方が喜ばれるかしら? 

起き上がることも出来ない身体だと聞くのだけれど本当かしら?

まあ、歯向かわなければ捨て置いて良い方ね。

側近候補だと浮かれた阿呆どもには監視を付けていますの。当たり前ですわ。いつ牙を剥くか分かりませんもの。

お父様の手の者をこの国に忍び込ませるのは簡単でした。あの者達なら首尾よくやってくれるでしょう。彼等も実力を試せると息巻いていましたし。上たる者は部下の活躍の場も設けないといけなくて。結構、悩まされるものね。彼等は痕跡を残さず工作してくれると思うの。

まあ、バレたら外交問題‥‥になるかしら? うふふ。

反省もせず邪な思想を抱くようなら処分するよう沙汰は出してありますので憂いはありません。不穏分子は残しておくと後を引きますからね。

これも追々報告を受けましょうか。

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