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転生先は小説の‥‥。  作者: 久喜 恵
第六章 狙われた理由

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憶測ー②


ダルさんがもの凄ーく恐縮した顔と背を縮込ませて恐る恐るの態で提案したのが『検証』


母さんとジオルドはその内容に見当が付いているからか睨み合ってるし、護衛達はムスッとしかめっ面だ。さっきより険悪さが増したよね。

取り敢えずここは話を聞こうよ。護衛達がジオルドに反目しているからスムーズにいかないか‥‥これ疑惑が解消されない限りこの状態が続くのはかなり気不味い。


漸く皆も埒が明かないと気が付いたかダルさんの話を聞く姿勢になったのはいいんだけど‥‥雰囲気が悪いな~



「はい、我が愚策の進言をお許しくださりありがとうございます。もしやですがお嬢様は術が効かない方なのではと思いまして」


「一度簡単な術を施こせば、何故お嬢様だけに術を施さなかった意味がわかるかと。あくまで仮説ですが女は計画の変更を余儀なくされた結果、監視をしていたのではないでしょうか」


ダルさんの言葉は続く。

「恐らく単独犯でお嬢様に術を施せば事なき計画が不測の事態で破綻したのだと」


「ふむ、その考えだとクレアは監視しか出来ない状況に陥り雇い主も手が出せなかった‥…それは何故だ?」


「そこまでは‥…申し訳ございません」


ジオルドも母さんも同じ思いなのか、『やっぱりな』って顔をしていた。



重い空気の中、ジオルドの許可を求める声が沈黙を破る。

「カレンシア夫人、レティエル嬢どうだろうか」



俺は母さんと少し話し合い、僅かな手掛かりでも何でもいいからクレアの行動の意味を知りたいがためダルさんの提案を了承した。




…‥ちょっと初体験なので緊張してるわ。自分に精神作用の術をかけられるなんて人生何があるか分からんものだね。


今から行う実験は至ってシンプル。目の前に置かれたティーカップの中身を紅茶ではなくワインだと思わせるという誤認。


…‥ダルさんが魔力を流し始めた‥…うん、分かる分かる。魔力めっちゃ来た。

…‥あ~~~うん、分かった。レティエルに術は効かない。

ダルさんの魔力を吸収しただけになっちゃった。ティーカップの中身はどう見ても紅茶だよ。ワインには見えないし思えない。

残念。全く変化が分からん。


ただただダルさんの魔力が自分のモノになっただけで特に異常は感じない。それより逆に具合が良くなった気がする。

身体に力が漲る感じだな~ うん、ごちそーさん


逆にダルさんの顔色が悪い‥…ごめんね。



「ティ、貴女大丈夫なの? 気分は? 気持ち悪くないかしら」


母さんがめちゃくちゃ心配してくるが、俺は平気、むしろ元気だ。




結局、ダルさんの身体を張った実験はレティエルの規格外を際立たせるに至っただけで。


「やはり、レティエル嬢には精神系魔術は効かないか」


…‥それな。




レティエルのレア度が上がり狙われる危険度が増したよね。




「‥…女が監視をしていた理由の一つと考えて宜しいでしょうか」


「そうだな。居場所がバレていたにも関わらず行動に出なかったのは相手側の問題と判断しても構わないだろう。こうなると犯人像がまたもや分からなくなる」



結局、振り出しか。いや待てよ、クレアとエリックはグルでいいんだよな?

母さんはグルだと思っているがジオルドは訝しんでいる。どうもクレアの後ろにヴァンダイグフ前伯爵家当主がいるとは思えないらしい。あの人物であれば不測の事態を嫌い一時撤退させる。臨機応変が苦手な人だと既知な相手だからか意見が違う。


エリックの後ろ盾はヴァンダイグフで間違いないと断定するジオルド。

エリックとクレアは仲間だと言い張る母さん、理由は勘。

えええ、何その脳筋みたいな発言は‥‥ちょっとは考えようよ。



ジオルドの言い分だとクレアの後ろに違う人物がいることになる。

だったらそれは誰だ?

いつもお読み下さりありがとうございます。

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