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転生先は小説の‥‥。  作者: 久喜 恵
第六章 狙われた理由

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敵の作戦なの?

発言の許可を許された護衛が無事な俺に安堵したのと目的は本当に監視だったのか、他に目論みがあったのではと感じた違和感を告げる。

どうも俺だけ無事なことに何か裏を感じるらしい。


‥‥スルリと懐に忍び込まれて誤認させてくる敵なんて恐怖じゃん。

そう思うと周囲の者を疑っちゃうね。そうなると護衛に対してこいつ大丈夫か?と側に置くのを躊躇う。護衛対象が護衛を疑うなんて目も当てられない。


目的が監視以外? 何それ?

母さんもジオルドも「これは心理的に追い詰める手段か?」と相手の卑劣さに嫌な顔だ。どうも思い付いたのが相手に疑惑を植え付け疑心暗鬼にさせる手らしい

「レティエル嬢の信用を失わせて、護衛との間に溝を作り孤立させ精神的に追い詰める算段では?」

「‥…そうね、付け入る隙を作りたかったのかしら。まあ、常套手段には違いありませんが流石にわたくしの娘に対してだと些か憤りが」


えーーーヤダそれ。そんな精神攻撃、卑劣過ぎ。そいつ精神病んでねえ?


「確かにこの手はよく使われます‥…ですがそれですとお嬢様は身内の裏切りを知る必要がございます。そこまで計画されていたのかどうかが疑わしい…」


マジ?! よくあるんだ。


「ふむ、君の言う点は最もだ。これは裏切られ周囲が信用できなくならないと話にならない」


「そうなればお嬢様に疑惑を抱かせた者が怪しいと判断できますが」と護衛は暗にジオルド達が怪しいと仄めかしていた。


「その理屈だと、今まさに危険だと教えた者が疑われるねぇ」ジオルドも彼の言わんとすることに不機嫌さを隠さない。


「‥…失礼を承知で申し上げております。僅かであっても疑わしき点があれば警戒せねばお守り出来ませんので」護衛も引かない。そうだよね。



「確かにこの計画では必ず術を見破る者がいてその者が味方にならないと始まらないですし。それならばその者はクレアなる女と共犯であらねば話が通りません」二人いた護衛の片方が更に突っ込んできた‥‥ええ、いいの?


「ふん、危険人物を容易く近づけて?」

ピキリと不穏な空気が室内に漂う。心なしか睨み合ったように見えるの不味くない、やばくない?


お互いの腹を探るような視線が交差する中、突如、パン、パン、と響く音に気を取られた。‥‥母さんが注目させるように手を叩いたのか。

 

「もう宜しゅうございますわね。そこまでにして下さいな。これ以上、続けますのは敵の思う壺ですわよ。皆様冷静にね」


一番短気な母さんに注意されてる

‥…それに気が付いたジオルド、バツが悪そう。あ~分かるわその気持ち。


「確かに、これでは敵の策略通りだ‥…すまない」

ジオルドも護衛も矛を収めたので一先ず場は収まった‥…のはいいんだけど微妙な空気が漂ってるわ~居た堪れなさが‥‥

うう、誰かこの空気をどうにかしてーーー



「ゴホン! あの…‥陽動作戦とは思われませんか。ご令嬢を不安にさせるよりもご本人に術を施せば済みます。なのに女は不確実な手段を講じ発覚し難い精神支配系の術を使うなど‥‥‥術を見破る者がいなければ成功しない計画ではございませんか」


ダルさん! 居た堪れない空気ぶった切ってきくれてありがとう!

空気の読める侍従のダルさんが控えめながらも矛盾点を挙げてくれた。


でも‥‥陽動??? 何のために? ますます分からなくなる。



「陽動‥‥ですか。それも手の一つと考慮出来ますが‥…」

歯切れの悪いセリフに護衛が今だジオルドを疑っていると伝わってくる。


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