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転生先は小説の‥‥。  作者: 久喜 恵
第六章 狙われた理由

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魔石と剣

「‥…別の方法で確認しても構わないだろうか」


ジオルドのこの一言で俺達は裏庭に移動させられた。外はまだ明るい。

ここは鍛錬も出来る場だそうだ。見ると5本の丸太が柱の様に立てられていた。あれってもしかして的なの? 用途不明の丸太が目立つ。


ジオルドは魔力保持者の減少の影響で魔道具や魔術の用途には魔石が必須だと教えてくれた。帝国は軍部主導の魔道技術開発で魔石の需要を増やし国を潤したそうだ。武器仕様の魔道具から生活仕様の魔道具に。帝国の技術は躍進した。


帝国で開発された魔石は加工魔石と呼ばれ市場に流通している。そもそも魔力の結晶化である魔石は容量が空になると経年劣化するらしく、それを防ぐ目的で研究され開発されたのが加工魔石である。

それは元の主の魔力残滓でコーティングし、形状維持の術式が組込まているため、どうしても魔石の魔力純度が落ちる。

要は混ざり物で品質低下のレッテルが張られるわけだ。動力としても混じり物では効果が落ちる。

例えて言えば拒絶反応。‥‥そこまでじゃなくても元の魔力と新たに補充された魔力に抵抗が生じて効力が下がる。品質向上が今後の課題だそうだ。


レティエルの魔力の親和性がちょっと異常らしい。

魔石に他の魔力を注入させても抵抗も反発もない。おまけに劣化させることなく中身を淹れかえることが出来る。普通は抵抗があるそうだ。

‥‥抵抗も反発もなくスイスイ魔力の出し入れできます。しちゃいました。


今の加工技術の限界を俺がサクッと超えちゃったのだ…不本意ながら。

これが関係各所の方々にバレると不味い。非常に不味い。と言うことでジオルドは注意喚起を続けてくるわけだ。


余談だけど、その開発に大きく貢献したのが母さんの一族。論功行賞に当時の皇女を降嫁させ一族に皇帝の血を入れたのだ。だから母さんも俺も皇帝の血筋。まあ、それはいいんだけどね。

じいちゃんは武人なので技術関連は門外漢。それは知っている。確か叔父さんがこの技術開発のお偉いさんな筈。

あ~そう言えばカメラモドキの制作って叔父さんの伝手を頼ったっけ? 義兄が言っていた気がする。うろ覚えでごめんなさい。


俺が回想している間に準備は整ったのか。


「さて、試し打ちをしてみようか」スタンバってた。はや。


ジオルドは少し離れた場所から手にした剣を丸太に向かって一振り。何故か丸太に刃が届くかどうかの微妙な距離からの剣捌きである。


ヒュッ 


風を切り裂くような鋭い音がしたかと思うと、スッパリ丸太が斜めに滑り落ちた。うわ、こぇ~


「次は紅の魔石で」交換した魔石は母さんの魔力が込められている。ジオルドが火の系統だとか言っていたな。


ヒュッ


振り下ろされた音は同じか。丸太を見ると‥…えっ? 燃え…てる?

驚くことに丸太の切り口から炎が。はふぁ? 何で燃えてんの?


俺の驚きと混乱は余所に母さんとジオルドは丸太を検証していた。


次は、移し替えで出来た緑の魔石だ。実演者は母さんで太刀を振るらしい。立ち位置も後ろに下がり丸太から3m程距離がある。ええ~届かないでしょ?

問答無用で母さんの後ろに立たされた。ここで見ろと。


ボッヒュッ 


はっ? 変な音がしたと思えば、丸太は消炭になっていた。


ええええええ!? な、な、なにこれーーーー! 威力が段違いなんですけど!


母さんそれ剣だよね!? ‥‥なんで火吹いてんの!?

いやもうマジで意味わかんねえ


二人は威力にワイワイと騒ぎながら丸太を検証している。えらく盛り上がってんな、おい。俺だけついて行けていない。




「レティエル嬢の規格外さが分かったところで移動をしようか」


そう切り出したジオルドの視線の先にはダルさんと尋問役の護衛がいた。

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