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転生先は小説の‥‥。  作者: 久喜 恵
第五章 もうゲームとは別物です。

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消えた一人


母さんとジオルドの関係が気になる・・・そう顔に書いていたのかな、母さんが駄目な子を見るような目で見つめてくる。

か、母さんなんだよその顔‥‥‥ああそうか俺の考えを見抜いているわけね、ちょっとバツの悪い思いをして顔を逸らした。




「ふふふ、そう緊張しなくてもいいのよティ・・・そうね貴女は何も聞かされていないのを忘れていたわ。ごめんなさいね。今宵は貴女も知らなければならない話をしましょうか」


母さんは先程迄の笑みを引っ込めて真剣な表情で見つめてくる。

・・・ああ、何かあったんだな、いや親父が決めたことがあるんだろうな。

どうか、どうか、家庭を壊す話ではありませんように・・・。





部屋への移動後、用心のために結界と消音の魔法陣を母さんが発動させた?


・・・えっ? 今の何? えっえっ、も、もう一回見たい見たい!


ついテンションが上がったのは仕方ないだろ~魔法見る機会がないんだから。


いや待てよ、流れるような母さんの術に見惚れて見逃しそうになったけど、母さん魔封じの道具を身に着けているよね? なのに魔法陣を発動させたの? 

ええ、どうやって? 驚きの感情が顔に出ていたのか母さんは悪戯が成功したと良い笑顔で「ふふふ成功ね~」と楽しそうだ。


・・・何その、サプラァ~イズ! みたいな顔。マジで驚いた。


魔封じの魔術具を身に着けた上で魔法展開した母さん。それ魔術具を身に着けている意味あるの?


魔力持ちが魔力を使う。魔力があるからそれを使う。これが本来の姿だよな、権力者の意向で能力を封じられる社会(この国)はやっぱクソだと改めて思った。


まあそれも入国時の着用義務の魔封じの魔術具も今では担当官への賄賂で誤魔化し放題。国家の魔術具着用の義務が聞いて呆れるわ。


王国は・・・いや王家や一部の貴族達の腐敗度には正直呆れている。王子妃教育の際も王家の事や後ろ暗い貴族の噂は聞いていた。俺は聖人君子でも正義感溢れる輩でもない。レティエルに実害が及ばぬうちは傍観を決め込んでいた。手を出して来たらお返しはするよ。


気に食わないエリックはボコボコで、冤罪容疑(多分だよね?)を晴らして義兄の釈放と公爵家(おうち)の処分撤回‥‥この際信用ならない貴族もそれ相応に痛い目を見てもらおうか。でもなぁエリックって家の使用人?だろ、個人の罰で終わらせてくれるかな‥‥いや、してもらわないと俺が安心して帝国に行けないじゃん!


もう悠長に構えるのは止めよう‥‥‥。

親父の考え次第なのは分かっているが時と場合によっては逆らうのも致し方ない。結果的に公爵家の被害がなけれ‥‥いや利となれば許してくれる筈。

はぁ~なるだけ意向に沿おう‥‥でもその前に母さんの話を聞かないと‥‥‥これが一番厄介だなぁ




俺の動揺を気取られないよう目の前の母さんに集中した。

内心のドキドキが嫌な感じだ。頼むよ~~離婚話でありませんように!



でも気不味い話をする前にさっきの魔法陣の種明かしして欲しいなぁ~。





ーーーーーーーーーー


母さんと話をしている間、女好き主従コンビは良い仕事をしてくれていた。


ジオルド達はこの場に残った専属護衛達に魔力残滓を見つけて侍従のダルに解術させていた。女好きって思ってゴメンね。


丁度、専属達は一人を望いて全員揃っていた。だがその一人の存在を俺以外は誰も覚えていないと言う。

母さんもそいつはじいちゃんの選抜雇用メンバーの中にはいなかったと。


恐らく逃げる際に記憶を弄って痕跡を消したのだろう。

グレイン達にも同じように記憶操作されていた。同じ奴の仕業と思われている。彼女達は巻き込まれたとジオルドがそう教えてくれた。



一体何時から紛れ込んでいたのか、誰の差し金か。

俺の身の周りって安全でなかったんだと身震いした。


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