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転生先は小説の‥‥。  作者: 久喜 恵
第四章 新たな攻略対象者 隠れたままでいて欲しかった。
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後味の悪さ

俺は今、ジオラマで遊んでおります。

だって目の前にあるんだよ、遊びたくなるじゃん!


ミリア、生暖かい目で見ないでよ。




「お嬢様。影からの報告です。グレインが発見されました。遺体で」


「えっ?! 彼女が?」


「はい。王都外の森林の中で打ち捨てられていたのを平民が発見しました。所持品はありませんでしたが石化が始まっておりましたので魔力保持者だと判明したようです。恐らく遺棄した犯人は彼女が魔力保持者と知らなかったのか、石化現象を知らなかったかのどちらかでしょう」


なんと俺も知らなかった。魔力保持者は体内に残存魔力があればそれに応じて石化し魔石となるのだそうだ。ひえええ。魔力量が少ないと石化には至らず魔石にもならないんだって。そうか魔石は魔力の結晶なんだ。結晶化にするにはある程度の魔力量が必要なんだ。へー。ってことはグレインの魔力量は多かったのか。

彼女は一体何者だったんだ。


「発見されたのは彼女だけでした。王城に報告が上がりましたが握り潰しました。とのことです」


「はっ? 握り潰しちゃったの?」


「はい。若様のご指示です」


「えええ? お義兄様? あれ? 収監されているのですよね?」


「はい。ですが影が付いておりますし幾人かの城内勤務の者も牢番も買収済みですので問題ないかと」


はああああああ?

義兄、なにやってんの? どういうこと?


「お嬢様。ご心配でしょう。ですが敵の目を欺くために敢て囚われの身をお選びになられたのです。それに若様の元に第二王子を筆頭に敵味方関係なく貴族が訪れるようです」


…‥どういうこと?


「これが面会者のリストです。差し入れた品目も記しております」


‥‥もう何も言うまい。


差し入れた者達は‥‥ああ公爵派だわ。

んで手ぶらは‥‥アンチだな。わかりやすいわ。

王妃の実家もか。

ゲームでは王妃と王妃の実家が外患誘致したんだよな。

その実家の者が‥…。何しに来たんだ?


それよりも‥‥もっと不可解な名前が。


ジオルド閣下。なんでこいつが?






今、ハイデさんから魔法陣の書き方を教わっています。


わーい。ファンタジーきたーーーーー!

不謹慎だけど内心大喜びです!


身内と連絡を取る方法を相談して。

母さんに飛伝の魔術具を使ってもらうのがいいだろうと言うことで、作成しています。


かなりワクワクしてるのは内緒だ。

貴族然の顔で誤魔化してるけどな。



「お嬢様。報告がございます。自白剤の用意ができました。何時でも使用可能です。ご命令くだされば直ぐにでも彼奴を連れて参ります」


おおう。仕事早いね。

そうだな。副作用が酷いんだったな。

因みにどんな? 


はっ? 廃人になるの? 強力過ぎて使うと精神壊れるの?

そうか。そうだな‥‥エリックの使い道ってもうないかな?

あーでもあいつは義兄を裏切って嵌めたんだな。

なら義兄に聞いてからしようか。

ハイデさん悪いけど、義兄に連絡して。頼んだよ。







母さんと義兄と連絡が付いた。




エリックへの自白剤使用は先送りになった。もう少し痛めつけてからでもいいだろうとは義兄からのリクエスト。




母さんとの連絡はちょっと面倒だった。


まず俺かどうかの判断がつかないからと俺と母さんだけしか知らないことをメッセージにして下さいと言われた。


それを考えるのに時間が掛かった。


だって俺達離れて暮らしてたんだよ。直ぐには思い浮かばないって。


4歳の頃の思い出を記して漸く信じて貰えた。


ああ疲れた。




母さんはこちらは大丈夫だから心配するなと。

兎に角俺は隠れているようにと念を押された。

身の安全が保障されるまでは外に出るなと言われたが隠れたままなのは辛い。

それに母さんは理由を言わないままなのもどうかと思う。




で、決めた。




エリックに会いに行く。



お読み下さりありがとうございます。

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