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転生先は小説の‥‥。  作者: 久喜 恵
第四章 新たな攻略対象者 隠れたままでいて欲しかった。

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王都の噂話


馬車が止まった。

御者の男と誰かが話している。外の様子はわからないが騒がしいな。


様子を窺っていると馬車の扉が開けられ目にしたのは王都の騎士団だった。



「失礼いたします。貴女はザックバイヤーグラヤス公爵家の縁の方でしょうか」


いきなり確信突いた言葉に驚いた。こいつら‥‥


敵か味方かわからないので、取り敢えず紋章印の許可書を見せた。


‥‥王都に入ればなんとかなるか。最悪、神殿に逃げれば。


騎士は許可書を確認しつつぐったりと意識の無いエリックを怪訝な顔で見やった。


「許可書は問題ないでしょう。ところでお連れの方はどうしましたか?」

「はい。馬車酔いと思いますが先程からぐったりとして動かないのです。お医者様にお診せたいのですが‥…。あの、どうして騎士様がここに?」


ここに、と言うか暗に馬車検めを何であんたがするのってことを言った。


騎士も煮え切らない感じで『いやすまなかった行ってくれ』と御者の男に医者に行くよう指示を出して馬車を出発させた。


おいおい、なんだったんだ? 公爵家の者を捜しているのか?これはエリックの言葉を信じた方がいいのかも


御者の男が馬車の中窓を開けて『旦那具合が悪いのか?』と聞いて来た。エリックの所持金を幾何か男に握らせ医者の元へ連れて行ってもらった。どう見てもそこらで雇った感が満載だったので金をチラつかせて正解だったわ。





ーーーーーーー


‥‥診察結果。

衰弱しきってました。栄養が足りてません。と注意された。やば。俺のせいだわ。回復するまで医者の元で休ませることになりました。はは。


御者の男にはまた金を持たせて王都のタウンハウス‥‥公爵家ではない屋敷へ向かってもらった。


レティエルの友人宅へ。公爵家と共同事業を行っている伯爵家のご令嬢だ。

突然の来訪でもこの紋章印を見せれば拒否は出来ないだろう。いや、拒否したくなるわ。なんせあの閣下のだから。


ごめん、許してくれ。



案の定、紋章印を見た家令は真っ青な顔でお待ちくださいと屋敷内に入っていった。多分、夫人にでも確認に言ったのだろうな。


俺は令嬢に伝言があるとしか伝えずにいた。嘸かし家令も不安だろう。ホント悪いね。



青褪めた家令に客間へと案内され、暫くするとご令嬢だけがやって来た。

只ならぬ表情してる。ごめんね。


挨拶もそこそこ俺の顔を見たご令嬢が大泣きで俺を受け入れてくれた。


暫く二人で話をしたいからと人払いをさせ客間で二人になる。


「ごめんなさいねガリレシア様。貴女しか頼れる相手がいなかったの」

「い、いいえ! レティエル様のお役に立てて光栄です! わたくしでお役に立てるのでしたらお使い下さいませ!」


「ふふふ。ありがとう。助かりましたわ」


彼女はレティエルのシンパの一人。

話を聞くとレティエルの生存を信じていた派だそうだ。なにそれ‥‥

生存説は根強くあったので憶測や陰謀説など社交界の噂話として語られていたんだって。そうかよ知らなかったわ。母さんが社交界に顔を出したのもあって憶測が凄かったって。


で、今、社交界を賑わせているのが我が公爵家の陰謀説。

義兄の謀反計画を忠臣が告発したと言うものだった(内部告発かよ)


公爵当主と夫人は加担していないが自領から謀反人‥‥義息子の企みに気付かなかったと監督不行き届きで今邸宅で謹慎中。公爵家の爵位も領地も没収されるのではと囁かれている。陛下の沙汰はまだだけど。


証拠となる武器が公爵領内で発見されたから逃げようがないだろうと大方の貴族は思っている。おまけに公爵家の私兵は屈強な精鋭揃いで軍事にも力を入れていたのも疑われた。


おかしなことに王都内で捕縛した偽装商人の供述が逮捕の決め手になったって。偽装商人の正体は商人に扮して入国した他国の兵士達だった。


おまけ情報に母さんが帝国人ってのが誘引で侵略説もあるらしい。


聞いてビックリ! 何それ? まんまシナリオの王妃の陰謀じゃん。 

俺は驚き過ぎて何から聞いていいのかわからなくなった。


えっ、ちょっと待って。それだと俺がここにいるの不味くない?


「我が家はランバード様の無実を信じております。ですのでご心配は無用ですわ」


ああ、そうだった。

このご令嬢は俺を信じて協力を惜しまない子だったな。断罪イベントの証拠集めに協力してくれた子だったわ。ああ、ありがたや。


お読み下さりありがとうございます。

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