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転生先は小説の‥‥。  作者: 久喜 恵
第三章 攻略対象三人目 第二王子は曲者です。取扱い注意。
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第二王子徒然なるままに

久し振りに王宮に戻りました。

相も変わらず魑魅魍魎の住処です。特に後宮は。

あれは妖魔の類でしょうか。帝国なら魔物ですね。ああ残念です。


魔力の研究に費やしたかったのがとんだ誤算でした。

彼女が兄の婚約者でなければ私の伴侶として役立てましたのに。

公爵家は国に報告しておりませんがきっと彼女は魔力持ちです。

隠していたようですが私を欺くのは無理でしょう。

幼少の頃より石のついたチョーカーをしていましたし。

恐らく魔石の類でしょう。珍しい種類でした。

貴族の子女が流行りも関係なくチョーカーを。あれでは自ら教えているようなものです。


私はラムドが隠し撮った写真で見ていました。年頃になっても外さないなんて余程の理由があるのでしょう。

推察できます。決して兄からの贈り物ではありませんでしたし。

アレはどう見ても魔封じの一種でしょう。オリジナルのようでしたが隠しきれていません。ラムドのミスでしょう。クスクスクス。ああ可笑しい。


ああまあそういうことで私は被検体として彼女に多大に興味を抱いていました。

なのに死亡扱いとは。これでは手が出せないではないでしょうか。

まんまとレティエルに逃げられてたではありませんか。


ーーー馬鹿野郎! 邪魔しやがって! 何時かきっちり償って貰うぞ己の命で。


おおっと。何時になく熱が籠りました。いけませんいけません。自粛自粛。


帝国での勉学はもう無理でしょう。私の研究は座礁です。嘆かわしい。

しかし諦めきれません。どうにか手を打って研究が続けられるようにしましょう。それにはレティエルとの婚姻が最も近道なのです。

ああしかし、下手に騒ぐとアレが煩いでしょう。怖いです。

しかし私は私の研究の為にレティエルが必要です。


彼女が欲しいです。


王族特権は使えないでしょうか。王命でピシッとなりませんか。困りました。手に入らないとなると何でしょう。是が非でも手に入れたくなります。

そうです。人間の性です。ですがどうしたものか悩みます。

新たな悩みの種が出来ました。嬉しくないです。


それと悩みの種で思い出しました。

王宮を跋扈していた古狸と女狐もこれで大人しくすることでしょう。

いつか息の根を止めますが今は時期ではありません。

迂闊に動くと周囲の国々に付け込まれます。それは避けなければなりません。王家のお仕事です。これも。面倒この上ないです。




 ー-------------



さてラムドからの情報と配下の者からの情報が揃いました。

ああ後は後宮の情報が欲しいです。これは母上から聞きましょう。

ご機嫌伺いも含めて参りましょうか。そろそろ面会の要請があるでしょう。




ああ。母上からお茶会のお誘いですか。

三日後とは何とも急なことではありませんか。何でしょう。

嫌な予感がします。





 ーーーーーーーーーーー


「久し振りです。息災にしておりましたか」


久し振りに見る母上はお綺麗です。

齢を感じさせません。やはり妖魔の類でしょう。


にしても、母上以外にも招かれた方々がいるとは。

せめて一言頂ければ‥…勿論、逃げました。


これは溜息ものです。

私の婚約者候補の皆様ですか。ご苦労様です。

仕方ありません。暫しお付き合い致しましょう。

これもお仕事です。面倒臭がってはいけません。

黒いお顔も出てきてはいけません。今日ばかりは封印です。


母上のご命令とは言え複数人のご令嬢を相手とは疲れます。

碌な情報も得られませんでした。幾ら私の地盤固めと言えど少し弱いです。


ふっ。事前に公爵家と手を結んで正解でした。

役立つ家臣は重宝します。大事にいたしましょう。私の駒ですから。


ああしかしレティエルを逃したのは残念です。悔まれます。

父上も上手く手を回して下されば彼女を我が妃に迎え入られたでしょうに。

私も濡れ手に粟で王座と被検体の両方が手に入ったものを。

本当に残念で仕方ありません。

ですが諦めません。

障害があればあるほど男は燃えると言います。

私は経験がありません。聞いた話です。


それから父上の臣下の者を鍛え直せなければいけません。

ああ望む結果が得られないのは何とも腹立たしい。

詫びを入れられても腑に落ちません。


ああ、良い策が欲しいです。


私に救いの手を差し伸べても良いではありませんか。神様、守護神様。



王子の呟き終わりです。

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