表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生先は小説の‥‥。  作者: 久喜 恵
第三章 攻略対象三人目 第二王子は曲者です。取扱い注意。
27/284

第二王子登場

第三の敵である王子(こうりゃくたいしょう)と遭遇。


ああ今の俺は前門の虎後門の狼だ。そんな感じだ。


「レティエル嬢、そう驚くことはありません。この度は已むに已まれぬ処置だったのでしょう。それに此度の公爵の采配に私は感謝していますから」


そう言った第二王子の口調は穏やかだ。もともとこいつは穏やかな性格をしていた。兄である元第一王子の嫉妬からくる嫌がらせに困りはしていたが兄と敵対する気はなかった。


だがゲームの第二王子ルートでヒロインと結ばれたこいつは兄を追い落として国王になる。ヒロインとの真実の愛で国を治めるって。ケッ!

レティエルが邪魔するのはヒロインが目障りだったから。それだけ。

なのに、レテェルは断罪される。元第一王子はついでだ。失墜する。


ゲームのレティエルは何かとヒロインと比較された。

ヒロインの方が出来がいいのは定石だろ? 

出来の悪いヒロインって微妙じゃね? だから目の上のたん瘤であるヒロインが邪魔だった。レティエルは地道に努力をして追い越そうとは思わない。

彼女の頭の中はそんな平和志向ではないからな‥‥。

目障りな奴は処分なんだ。こわっ!

これは公爵家教育の賜物だ。

義兄が最たる結果だ。ああ、もう彼奴(あいつ)のことはどうでもいい。


シナリオに戻すと、だからレティエルからのキツイ当たりにも屈せず健気に耐え頑張る姿に興味を抱くんだった。それで自分の悩みも彼女と親しくなるにつけ解消される。そんな話だっけ?

で、将来の国母にレティエルは問題だってことで第二王子が動き出すわけ。


俺はそんな恋愛脳の甘ちゃんに断罪されたくない。

ならとっととご退場いただこうと早々に義兄共々帝国に追い出した。

だって邪魔だったんだよ。


その奴が今ここにいる。なんでだー!



どこまでも穏やかな表情の第二王子は語る。


「兄との破談で驚いていた矢先の貴方の訃報です。何かの策略を疑うのは当然でしょう。おまけにラムド(義兄の帝国での愛称)がまともに葬儀の参列者の応対をしているではありませんか。普段の彼からしてみれば奇異な態度です。それで少しね違和感を覚えたのです。ふっ、私の勘は当たっていました」


いやいや、義兄の態度で憶測するってお前何者? っていうより義兄、普段どんなの?

俺はどこに突っ込めばいいのかわからず返す言葉を失くしていた。



「貴女にご迷惑をおかけしました。兄に代わって私から謝りたいのです。と言っても私では役不足かも知れません。ですがどうか受け取って頂きたい。我が兄が貴女を苦しめたことここに謝罪いたします」


俺は驚いた。

王族が一貴族に謝罪などあり得ないからだ。

驚きと困惑顔の俺に第二王子はちょっと不安げな顔で俺を見て重ねて言葉をくれた。


「ああ、貴女を困らせるつもりはありません。ただ私がそうしたかったからです。‥‥これも私の自己満足でしかないのでしょう。レティエル嬢。貴女は許さなくともよいのです。それだけのことを兄はしましたから」


第二王子は真剣な表情で俺に頭を下げた。


俺は第二王子の真摯な態度に感銘した。

元第一王子にこいつの爪の垢でも煎じて飲ませたい。出来た奴じゃん!

俺、こいつへの評価を変えなきゃな。上げるよ! 鰻上りだよ!

俺は単純なんだ。わるいか!


第二王子は義兄と仲良しです。

影響受けてます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ