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転生先は小説の‥‥。  作者: 久喜 恵
第十章 クリスフォード・ラックスファル侯爵領
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契約魔法ってー①

レティエル視点に戻りました。義兄が部屋を出て行った後からになります。

ジェフリーと呑気にしています。


おお~結界魔道具!


義兄が置いて行った小箱は、まさかの結界だった。


えっ、だって既に魔法陣やら魔道具やら持たされてるよ? 

別の機能の魔道具なら嬉しいけど‥‥既に持っているとなるとダブった感が否めない。でも、折角置いて行ったんだ、ジェフリー、トリセツ! トリセツ!



「え~と、結界に反撃機能つけているので、魔力・物理の攻撃を受けると反撃しちゃうんです、攻撃者に仕返ししちゃう機能ですねぇ。若らしい、えげつなさが込められてますよ~。あとは‥‥使用者の消費魔力を抑えて魔術を補助しますね‥‥例えば、俺だと闇系の精神干渉と固有能力の複写の合わせ技も出来ちゃって、範囲も…‥おや? お嬢様?」


‥‥はっ? 何て?


攻撃されたらやり返す結界って何それ?! 凄い! 

ちょっと性格の悪さが滲み出てる気がするが、一度見て見たい。オート機能で追撃でしょ? 何それ、カッコイイ!

反撃する結界にロマンを感じつつ説明の途中だったと思い直す。

‥‥うん、結界は理解した。後、もっと簡単に説明して!



「‥‥結界は分かったわ。もう少し端的に説明して頂戴」

「え~と、そうですねぇ。少ない魔力で済みます。お見せすれば早いのですけど。うーん、俺は制限あるしなぁ、お嬢様に術かけちゃったら処罰もんだしぃ」


言葉の最後はほぼ独り言になってるぞジェフリー。それより聞き捨てならない言葉が…『制限』?『処罰』? って何それ。今も十分な能力なのに制限付きとは。何だか末恐ろしいな。

‥‥これ、確認を怠ると駄目なやつでは? 何となくふわっと流すと不味い気がする。




「あれっ? お嬢様、ご存じありません? あっそっか」


一瞬『えっ知らないの?』って顔したね。見逃さないよ。


「あ~、闇系統は雇用主と契約魔法を結ぶんですよ。裏切り防止で。主様に精神干渉かけちゃったら不味いでしょ。ですから俺もオルレアン様と契約してます。あっもちろん、若もです。それでお身内の方にも術の行使が出来ない契約になってますからご安心ください~」


ええ? 知らなかった。


そうか、制限は制限でも力じゃなくて対象にか。確かに家族に手を出されたらマジ困る。そうやって主側は自衛するんだ。そうだよね~予防線は大事だよね。雇った人間が精神干渉してきちゃったら目も当てられないわ。怖すぎる。


新たな事実を知りジェフリーの顔をまじまじと見た。それで信用を得て重宝されるのなら安いものだと割り切っているのが分かる。俺を信じないのかと不満を持つのではなく、合理的な方法を受け入れるのか。確かに、疑われたり疑ったりがない分、楽だわ。



そうは言っても経験上、書面の契約が当たり前だからか、馴染みのない習慣からか、書面で取り交わすのと魔法で交わす違いがわからない。それが顔に出ていたのだろう。イマイチ感満載の俺に、呆れか苦笑か何とも言えない顔で口を開く。


何か気になったのか?


「あのぅお嬢様、もしかして契約魔法をご存じない?」

「うっ、存じてますわ…‥魔法で結ぶ契約‥‥?」

「ええー語尾が疑問形ですよぉ、そうなんですけど‥‥そうざっくり言われると少し心配にですねぇ‥‥これって王国で暮らす弊害でしょうかね~、魔法関係に疎くなるのって」


えっ? ちょっと、そのダメな子を見る目やめれ。 


「契約魔法を使う意味をご存じですか? な~んか騙されそうですよね、お嬢様って。ほいほい契約魔法結んじゃダメですよ~、中には詐欺魔法がありますからねぇ」


中々失礼だなお前。でも大丈夫だと断言出来ない自分がいる。悔しー

それより何だって? 詐欺魔法? また新たな言葉が出たよおい。

何その特殊詐欺みたいなの。どうでもいいけど魔法で詐欺すんのか。魔力が減少した世界で態々詐欺目的で使用するとは。驚きよりも呆れが勝ったわ。その労力をマシなことに使えばいいのに。


これはきっちり知っておかないと困る案件ではなかろうか。最近のトラブル引き寄せが半端なくて不吉さを感じる。


「ねぇ、その詐欺魔法って?」

「あ~お嬢様~やっぱりご存じないですよね~、俺知ってました~」


とても良い笑顔ですっぱり言い切ったよ。おい。


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