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転生先は小説の‥‥。  作者: 久喜 恵
別視点

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疑念 義兄視点

―――まさかご落胤ではなく誘拐された伯爵家の子としてお披露目ですか?


抱いた疑念が棘のように胸に刺さります。


『クリスフォードを次期王に』野心隠さずヴァンダイグフ前伯爵当主は娘の王妃共々、精力的に動いていました。王妃は隣国と癒着し権力の掌握に躍起になり、挙げ句、失態を晒しました。


‥‥そういえば彼女と前伯爵当主の野望は、ザックバイヤーグラヤス家で潰していましたね。ふふふ、すっかり忘れていました。

まあ、偶々ですよ、故意ではありません。ふふ。陰謀を巡らすのも良いですが、分を弁えましょうか。自業自得ですよ、逆恨みされても困ります。



‥‥‥まぁ、恨まれて、憎まれているのでしょう。



野心の権化爺(ヴァンダイグフ)にお目に掛かれる機会があれば、是非ともお聞きしたいですね。

‥‥いつどこでエリックを知り、駒として使う気になったのかと。


ふふ、私、これでも怒り心頭なのですよ。私の愚かな下僕(エリック)を横取りしたのですからね。ふふ、この代償は必ず支払って頂きます。それまでご自愛くださいね。






ヴァンダイグフの爺が助力を乞うたのでしょうね。流石に忌み子では王位を狙えませんから。


…‥ですが腑に落ちません。


異母兄の王弟を排斥してもエリックには王位継承権は得られません。

いえ、厳密に言えばある条件下であれば可能でしょうが、余りにも非現実的です。直系男子、もしくは 直系の女子が産んだ男児、全ての血が絶えた時に忌み子に継承権が発生するのです。それほど忌み子は疎まれ忌避される存在です。

おまけに彼は平民です。


神殿が嫌う忌み子。しかも平民とくれば神殿だけではなく貴族の反発は免れないでしょう。下手に前国王のご落胤と騒いでも認知されなければ簒奪者とされるのが関の山でしょう。



‥‥ふむ、拐かされた伯爵の子に仕立て上げたのは貴族籍を得て王女殿下と婚約を狙って? 女王になれない王女は降嫁するしかありませんよ。一体何を企んでいるのでしょうか。


私は、今回の冤罪事件にヴァンダイグフの爺が関与していると考えています。

利害の一致した者と手を組んだか‥‥権力の魅力に抗えない爺に手を貸す大馬鹿者ですか。ああ、頭が痛くなりますね。


騎士団の捕縛騒ぎに乗じてレティと義母上を拐わかす計画を企てたのは爺でしょうか。それとも…‥。まぁどちらでも構いません。まとめて報復すればいいだけのことです。



…‥爺と手を組み王弟を嵌めた人物。


下品で下劣な策を講じたのは何故でしょうか。ああ、思い出すのも汚らわしい。


王族を貶める話を題材に計画を練るとは。不敬罪を恐れない大胆さ。

…‥いえ、両陛下とその息子をコケにしたのですね。恨み?


妄念からの犯行と判断された以上、罪は王弟一人に。彼は精神疾患と診断され隔離でしょうね。



‥‥王妃の子は不義の子。真しやかに囁かれた社交界の噂。それを巧みに使いつつも、根深い噂を払拭しましたね。

陛下のお子だと判明されたと裁判官の発言で嫌疑を晴らしました。王妃の身の潔白も。実子と証明された息子も報われましたか。


‥‥爺が推しているエリックのお披露目理由もさり気なく入れてきましたね。

『忌み子』から『拐された子』。貴族受けを狙いましたか。



屈辱的な噂を払拭でき、エリックのお披露目の目途が立った、ヴァンダイグフの爺が喜びそうな筋書でしたね。



‥‥であれば王弟は




「若君は、ジオルド様が嵌められた理由にお心当たりはございませんか」


お読み下さりありがとうございます。


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