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転生先は小説の‥‥。  作者: 久喜 恵
別視点
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悩ましき義兄の悩み

「主、この男の目は裏切った者の目ではないです。話を聞きませんか」


ギルガの尋問を後回しと決めた私に意見するのは、護衛のギウ。

帝国人でも王国人でもありません。訳あって私の護衛騎士に抜擢し忠誠を誓わせた元暗殺者です。存在全てが物騒ですので、影の護衛任務一択の男です。


「ギウ、お前はそう思うのですね‥‥レティの側に早く戻りたいのですが、そうも言っていられませんね」

「主、共に連れて行けば宜しいかと。俺が監視します」

「‥‥ふむ、そうですね、ここで転がしていても回収を忘れそうですし、連れて行きましょうか。レティにも聞かせた方が良いでしょう」



「ダル、同意見と見ていいですね?」


ふふ、ライオネスの同行者はダルでした。義母上と交渉の上、私達と合流致したのです。取引内容はまだ聞いていませんが、きっと私の仕事量が増えるだけでしょうね。ああ世は無情です。


「はい、若君。‥‥あの、ギルガに解毒薬を与えて頂けませんか。これでは歩く事も出来ません」

「そうでした。ではギルガ、解毒薬が欲しいですか? 真実を話すのなら与えますよ。どうします?」


声にならない声で『了』と意志を示しました。良いでしょう。


今、ギルガはハイデによって『麻痺毒』を適量投与され、全身痺れた状態で床に転がっています。指一本も満足に動かせないとは、便利ですね。


ハイデの説明では、魔素含有量多めの天然植物性配合である『麻痺毒』は量を間違えない限り死なない安全な薬だそうです。


一度はレティが所望した痺れる魔道具の材料に良いかと考えましたが、ハイデの説明で考えを改めました。危険すぎましたね。


…‥ハイデは真面な部下と認識していましたが、改めましょう。彼女()どこかおかしいですね。頭か情緒か。お義祖父(じい)様の寄越す専属は癖が強すぎませんか。


はぁ溜息が尽きません。



「ギウ、解毒薬です。歩ける程度に回復させなさい。お前なら分量がわかるでしょう」


おや、ダル、あなたえらく額に汗を流していますが暑いのですか。身体を冷やさないで下さいね。

ふふ、私は気遣いの出来る上役です。



ギルガに関してはギウに一任です。

その間、私は雑多な情報を整理しています。

レティに話を聞かせるとしても、どう話すべきか悩ましくて困るのです。



ギルガの件もですが、この場に居るダルも、ああ、ガザもでしたね。

帝国皇族事情も必要でしょうか。

それ以外、王家と三公爵に、ラムフォード殿下第二王子の関与(仮説)。


これから、クリスフォード阿呆の尋問もしなければなりません。

それに隷属契約者の解術。


これ。夜が明けてしまうじゃないですか?




それに、これだけでは済みませんね。



エリックにクレア。ああ、神殿のことも…‥

列挙すれば限りがありません。



ここは領主であるクリスフォード阿呆の件だけに留めましょう。




はぁ、レティの元に早く戻りたいのですが‥‥


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