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転生先は小説の‥‥。  作者: 久喜 恵
第八章 出揃った駒

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放置はダメ?

男が気絶したので魔道具が手から離れた。

拘束ロープは解けていないが、それは俺が魔力を吸収したので魔道具は効力を失くし電池の切れた電気製品の如く作動停止でロープは消えた。めでたしめでたし。



一先ずの危機は去った、でいいの? 

助けてくれたフードを被った人は味方かな。

母さんと護衛のホッと安心した様子を見ると敵ではないよね。誰だろう。


「ふう、助かったわ。ありがとう。でも貴方、来るのが遅くてよ」


あ、知り合いか! 母さんのちょい意地悪気味な口調でも親しさが籠っている。

間違いなく知り合い、しかも気のいい間柄だと思う。「まだまだ駄目ね」って言われてるし。俺の緊張で強張った身体が安堵の吐息で少し和らぐ。


「あの、お助け下さってありがとうございました」


突如現れた味方にかなり安心しちゃって普段見せない自然の笑みを浮かべてお礼を述べた。本当、助かったよ。

側では護衛達も助かりましたってペコペコしてるし。胃痛の護衛は案の定、お腹を擦りながらペコペコしてる。

うん、まあこういうのも悪くないな、間一髪な危機的雰囲気も霧消してて肩の力が抜ける。ああ良かった。まだまだ警戒心は必要だけど、ちょっとだけ。



「ティ、我が家の者よ。訳あって顔は見せれないの。でも身内だから安心なさい。ふふふ」

「えっ? 家の者なの? あ、そう言えば王都の隠れ家に護衛で来てたわね。あの時もお顔を隠して‥‥視界悪くない?」


そう、めちゃくちゃ気になるのはソレ。前方どころか左右も見れねえだろ?

護衛でそのスタイルOKなの? そんなんでもいいんだ(うち)、甚だ不思議。

フードを被った人物は肩が小刻みに揺れているような‥‥何だよ笑ってんの? 声を出さなくても肩で笑うのか。ふーん。



それよりもこの後どうするか早く決めようよ。全然、休めないんだけど。


「お母様、早くこの場所から移動致しませんか。外が暗くなり始めてます。あのぅここはちょっと‥‥‥」

 

ついついモジモジしちゃったのは怖いってのが恥ずかしくて言えないからだ。まさか、何か出そうで怖いんですは言えない。

俺の素振りを見ていたフードの人物が‥‥やっぱりぷるぷるしている。ちょっと目端に移り込むんだよな、その動きがめっちゃ気になる。


周囲も俺の意見に賛成でギルガが「場所を変えましょう。ご案内します」と案内役を買ってくれたのだが、此奴らも一緒に行く気らしい。

そう言えば話の途中だったわ。目の前で人が殴られたのを見て色々すっ飛んでそれどころじゃなかった。


それで、このロープ男、どうすんの? 


俺達の視線は昏倒した男に向けられている。帝国軍人だと言うこの男の処遇を決め兼ねて困っているのだ。

俺的には、このまま放置! 一択なんだけどギルガ曰く、任務中だと思われるのでこのままは不味いんだって。王国人に発見されると非常に不味い案件になる。


…‥ええーいいじゃん、置いて行よ~


『僕の存在めっちゃバレてますねんって! 不味いんですって! 主に僕が!』

と、かなり必死で縋ってくるギルガにこの場に居る者は辟易した。

お前、心配した態だが本当は置き去り犯が自分だってバレるのが嫌なだけじゃねーか! 


もういろいろ面倒臭い。

俺は疲れたんだ、早く休みたいんだ、お腹も空いたし喉も乾いた。何よりゆっくりお風呂に入りたい。欲求ばかりで悪いか、ホッとしたら体も心も充実させたくなるだろ? それだよ。


ボヤく心の内は笑顔で隠し今後を皆で考える。

結局、誰を残しても後々問題になるので全員一緒に移動すると決まった。

あの騎士二人も(縛用ロープで拘束中)昏倒の男も、ローブ三人衆も(三人いた)兎に角、全員一緒の行動だ。



…‥なんでこうなったんだろう。

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