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転生先は小説の‥‥。  作者: 久喜 恵
第八章 出揃った駒

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ダルの情報ー③

『貴方が今頃になってクレアの情報を寄越すのはなぜかしら。ふふ、でも残念ですわ、わたくしクレアの身元などどうでもよくてよ。我が公爵家に手を出したのですから、何処の誰であろうと刈り取れば済む話でしょう? あの娘に関する情報で欲しいのは今何処にいるかだけね。それ以外は不要よ。あの娘の事で交渉するおつもりなら残念ね。要らないわ』


クレア情報、バッサリ切ったかーーー! (いさぎよ)すぎ、いいの?


『貴方の言い分は軍部が捕獲するのでクレアには手を出すな、かしら? それとも彼女を追っても我が公爵家では手が出せないから無駄だと? ふふふ、残念ですがこれは王国内で起こった事件ですのよ、我がザックバイヤーグラヤ家が攻撃されて、おめおめ引き下がれますか。お分かり? それにもう遅いわ、お父様が猟犬を放ったのだからねえ』

 

…‥猟犬って? 犬だよね? 違うの?

護衛が苦虫噛み潰した顔で暗部の者ですと答えてくれた‥‥いるんだねそんな怖そうな人。ひえぇぇぇ




あれ? 何か思いついたか母さんの機嫌が少し上がったのが分かる。この場合、禄でもない事考えてんだよね、この人。


『素性がはっきりしていない小娘、捕まえたモノ勝ち』って。

母さん的には身元の分からないクレアと捜索されている令嬢が同一人物だと証明されていない今なら誤魔化せるだろうと言いたいのだ。仮にクレアが帝国貴族とバレた場合、下手すれば国際問題に発展するだろう。犯罪者取り引きの交渉が上手く行けばいいけど王国がごねる案件には違いない。この際、声高らかに帝国の責任をあげつらうだろうな。それが見えるから帝国も秘密裏に処理したいのだろう。被害者側でしかも帝国人である母さんに交渉してくるのは強ち間違いではないだろう、だが母さん相手にそれはどうだろう。俺でもわかるそれは良くない手だってのは。


さあ、どうすんだよダル。母さんクレアの件は譲らねえぞ。




『でも折角だし…そうねえ、わたくしあの騎士達が気になるわ。貴方との関係と彼等の目的もね。騎士が誰の命令でわたくし達を狙ったのかその理由を寄越しなさい。まさか彼等も帝国の手先なんてことはないわよねえ』


そうそう騎士情報。確かに今一番欲しいモノだよね。ダルげろっちまえ!


『うぐっ!』

『グゥッ』


不敵な笑みを浮かべる母さんの凄みが怖っ! 不穏な何かが母さんから出てる。うわっ、これ魔力漏れてね? 護衛もちょっとこの空気にヤバさを感じたのか二人とも顔色が真っ青。勿論、俺も真っ青だよ。だって怖いもん。

ジリ、ジリと俺達は母さんから距離取っちゃった。

うん、俺達は悪くない。自衛だ自衛。これ大事。

ダルもギルガも汗びっしょり。ああ、本当お前らどうすんだよ、何とかしろよ。


『ところで騎士はどこにいるのかしら』


『グッ! こ…公爵‥夫人、買って、いただ…きたい、…‥情報は…‥騎士も…で…ござい‥‥ます‥‥クレ、アは、‥‥お好きに…なさ、れば、よろしい、かと‥…』


息苦しいのか胸を抑えながらダルが途切れ途切れ、話をする。


…あっ、そうなの? 

なんだ早く言ってよね、無駄に怖い思いしちゃったじゃねーか。


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