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転生先は小説の‥‥。  作者: 久喜 恵
第八章 出揃った駒

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裏切り?

ダルさん‥‥なんで? なんでそんな平気な顔してんの? 俺達を裏切る…いや初めから騙す気だった? 捕まえるため味方の振りをしたの? 

俺、信じていたのに…‥‥

魔道具を着けられたことよりも裏切られた事実が衝撃過ぎて動揺してしまった。




‥‥ど、どうしよう。動揺し焦りが思考を鈍らせて半ばパニックった。

どうしていいか分からなくてオロオロするばかりの俺を母さんが落ち着くよう声を掛けてくる。ハッと我に返った俺は母さんが心配で目を向ければ必死に魔封じに抵抗しようと足掻いているのが見て取れた。俺はこんな状況でも冷静に対処を試みる母さんはちょっと凄い人だなと。焦るのではなく状況をよく見なければと落ち着きを取り戻す。



六対二。見学(?)しているのが二人。この状況、どう覆す?



人質を取られなけらば護衛はきっと負けないと思う。でも、俺達が護衛の足を引っ張っちゃってる。彼等は動けないんだ。早くどうにかしないと!

護衛と俺達の距離は近い。一歩踏み込めば手の届く範囲にいる。騎士達は距離を取ろうと後ずさっているが少しの隙でも見せればきっと彼等は何とかしてくれる。僅かな期待であっても望は必要だ。






「剣を捨てねばご婦人方の命は無いぞ!」


「くっ! 卑怯な!」

「お前達、誰に刃を立てている! 離せ! そのお方に気安く触れるな!」

「お前ら本当に騎士団か? やっていることは破落戸と同じではないか! お前ら何者だ!」


「はっ! 誰が破落戸だと! 俺達は正規の騎士団に所属する騎士だ。お前ら如き私兵とは訳が違う!」


声を荒げる男共に眉根を潜める。騎士ならば何故このような暴挙に出れるのか。

…‥謹慎中であっても手荒に出る必要なんてあるのか? その辺が良く分からない。副団長は自分が身元を保証すると言って敢えて正体を部下に明かさなかった。使用人口にいた騎士はそのまま待機させたのだ。この場にいる面々に公爵家の者だと‥‥ああ第一騎士団だったな、それじゃあ顔バレするか。


だが俺は帝国貴族だと‥‥身分照会出来ない状態で荒事に出るとは迂闊すぎやしねえか?


…‥やっぱりこいつら俺達‥‥いや俺の正体を知っていて捕らえたんだ。


とても事情を知りたい奴が取る態度ではない。明らかに別の目的があってだ。副団長の態度に他の者の意図が感じられる。それに俺達の居場所を知っていた。内通者はジオルドかダルか。それともグルか。


こうして俺が考えを巡らせている間も周囲の会話は続いていく。



「あら、王国の騎士団は女性に無体な真似が出来る無礼者の集まりなのかしら。それとも狼藉者? 貴方、一体何処の何方に使われているの? それに貴方如きが王国の騎士だと? 身の程を弁えなさいな。見え透いた嘘で誤魔化せませんわよ」


母さんの煽り上等、強気発言に副団長は顔が赤くなるほどお怒りだ。痛いとこ突かれたか‥‥‥でも、武器を持つ相手に煽るの止めて! マジ心臓に悪い。

緊迫した場面の筈が母さんの嬉々とした表情を見ると毒気が抜かれる。護衛達の殺気がちょっと和らいだ? 代わりに騎士達の怒気が増したけど‥…



「‥‥これは、ご夫人こそご自身の置かれた状況をご理解されていないのでは。裏切り者の扱いなど、これでも紳士的に接しているのですよ?」


母さん達の口喧嘩、副団長のターン! そうきたか!



僅かな隙を狙うためにも時間を稼ぎしなきゃ‥‥‥

魔封じの道具もどうにかしないと。抗うだけ抗ってやる!



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