マリエラ・ツゥエルバーグ男爵令嬢 ③
3話目です。
あたしぃ。あたしよ。マ・リ・エ・ラ・よっ!
攻略、‥‥そうね順調よ!
女の子の斡旋業は今はお休みしてるの。
パピーがね。いまはやばいって。王都の警戒が厳しくなったって。
知らないわよ。こっちに責任ないんだからね!
ちゃんと証拠隠滅したの? ちゃんとやってる? ねぇパピー?
‥…はっ! 王子達に釘さしときゃな!
あたしヒロインマリエラ。
いまね、いまね、ちょっと憂いてるの。
だってねだってね。
推しがいないのよ! 推しが!
推しのいない乙女ゲ―って。しかもリアルなのに!
楽しめるわけないじゃん!
それにチョロ王子。
萌えも張り合いもないわ。
ああーもう、お金稼ぐしかないじゃん!
ってなわけで、今日も今日とて金策よ!
そうそう、萌え不足すぎでーーーー
よそに刺激求めちゃったぁ。
つまみ食いっ~。ごちそうさまでした。アハァ。
えっ? もちろん側近候補君達よ。
王子、不機嫌なの。バレた?
金策に疲れを隠せない。あたしマリエラ。
ヒロインなのに‥‥‥。
縁戚のおにいちゃん。子供の頃よく遊んでもらったっけ。
偶然、街で出会っちゃったぁ。
おにいちゃんにパピーが詐欺被害にあった話をしたの。
お家の恥ってパピーに怒られちゃうかもって、心配したけど‥‥恥はお前だ。くそ親父。
おにいちゃん。
大丈夫、俺に任せろ! 盗られた分以上の金をお前に作ってやるからなって。
はああ~、おにいちゃん! イケメン~~~。ときめいちゃうぅぅ。
おにいちゃんを王子に紹介。
あれれ? どうして王子を?
おいしいもうけばなしですよぉっ。 こんないい話は王子だけですぅ。
‥…って。おい待てよ。どっかで聞いた話だな。
‥…詐欺師はお前か!
お前だったのか!!
パピーから騙し取った金かえせ!
そして、あたしのときめきを返せよ!!
結果。あたしも詐欺の片棒かついじゃいました‥…。
あれれぇ。
もえぇぇ。もえぇぇぇ。もえぇぇぇぇぇ~。
萌えを求めるあたし。ヒロインのマリエラよ。
王子と密会真っ最中!
王子のご機嫌取りながら、聞いちゃった。
第二王子はどこ行った?
ランバード様はどこにいらっしゃるの? って。もち貴族言語で。
聞いてビックリ!
第二王子は隣国の帝国に。
ランバード様は飛び級で学園卒業しちゃって今は第二王子と帝国留学中。
はああ! はあああ!! なんだとおおお!!!
転生の神様! ふざけんな!
最推しぃぃ、なにゲーム舞台降りちゃってんのよ! 第二王子もよ!
勝手に降りるんじゃないわよ!
この学園であたしとめくるめくるラブするんでしょ!
ストーリー変わっちゃてんじゃん!
なんでよぉどおじてよぉぉー
帝国って続編じゃん!
ヒロインマリエラは続編でないのよぉぉぉ!!
はっ! これは‥…誰かの悪意を感じるわ!
もしや陰謀‥…ヒロイン街道を邪魔する者の仕業ね!
ふっふっふっ。
あたしはヒロイン。
悪役の妨害になんて負けないんだから!
3話で終わるつもりが無理でした。
まだマリエラ視点、続きます。