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ブランコ

作者: 愛犬家

思いつきで書きました。

ど素人です。暖かい目と寛大な心を持った方は気が向けば読んでやってください。

「寛大とまでは言わないがそれなりに心は広い方だ」という人は時間を無駄にする覚悟で臨んでください。

時間は返して差し上げられません。

私はブランコがだーいすき。


だからうちにはブランコがある。


パパが作ってくれたんだ。


いつもお庭でぶーらぶら


好きな時間にぶーらぶら


パパが背中を押してくれると


いつもより空が近くなる。




パパとママは仲が悪い。


いつもいつも喧嘩ばかり。


パパとママが怒鳴るから


私は怖くてお庭に逃げた。


毎晩お庭でぶーらぶら


喧嘩が終わるまでぶーらぶら


そんな毎日がすぎていって


パパは「行ってきます」を言わなくなり


ママは「行ってらっしゃい」を言わなくなった。


いつしかご飯も別々に


今では喧嘩さえしなくなった。


ママは私にママとパパのどちらが好きかと聞いた


私はどちらも好きだと言った。


ママはそれでもしつこく聞いた。


私はママの方が好きだと言った。


ママはそれで笑顔になった。


パパが帰ってくると


ママは私がママの方が好きだと言った事を

パパに伝えた。


パパは重いため息ひとつついて


自分の部屋にこもってしまった。


ママに愛してもらえないのに


私が愛してあげなければ


果たして誰がパパを愛してくれるだろう。


私はパパがかわいそうで


パパの方が好きだと言った。


けれど返事はこなかった。


扉の向こうで音が聞こえる。


ギシリギシリと軋む音。


規則正しく鳴っている。


扉は開かない。返事もない。


私は途端に怖くなって


急いでママを呼んできた。


ママは青い顔をして


急いで鍵を持ってきた。


鍵を持つ手が震えてて


うまく鍵穴に入らない。


金具と鍵がぶつかって


カチカチカチカチ耳障りな音。


やっとの思いで鍵を開け


ママがゆっくり部屋へと入った。


ママの短い悲鳴を聞いた。


それからガタゴト音がして


それきりママは出てこなかった。


1つのブランコぶーらぶら。


お部屋の中でぶーらぶら。


私はママに呼びかけた


けれど返事はこなかった。


扉の向こうで音が聞こえる。


ギシリギシリと軋む音。


規則正しく鳴っている。


扉は開くが、返事がない。


私は勇気を振り絞って


扉を押して部屋へと入った。


そこには見慣れたブランコ1つ。


苦しそうに揺れている。


ギシリギシリと揺れている。


私はその場に尻餅ついた。


怖くて悲鳴も出なかった。


するとギジリと軋む音。


なぜか後ろから聞こえたような。


それきり私は出てこなかった。


私はお部屋でブランコに。


ママもお部屋でブランコに。


パパもお部屋でブランコに。


3つのブランコぶーらぶら。


お部屋の中でぶーらぶら。


3つ仲良くぶーらぶら。


お部屋の中にあるものは


パパが作ったブランコ3つ


パパお気に入りの椅子1つ。



















この作品はこれらの思いつきから生まれました。

1・ブランコ=首吊り死体。

2・文にリズムをつける。

3・自殺っぽい他殺。


ストレートなので意味怖なのかは怪しいですが、僭越ながら解説を書かせて頂きます。


このお話は一応、離婚の危機に瀕している夫婦の親権争いをその娘視点で描こうとしたものです。

娘視点ということで書き始めは小さい子供らしい表現を多用したつもりでしたが途中から意識していなかったのでもしかしたら少女らしからぬことを言っていたかもしれないです。

だらだらと書いていても誰も喜ばないのでここからは急ぎ足です。

娘が妻の方が好きなのだと知らされた夫はショックを受け、部屋にこもります。

ここで夫は自殺を考えますが、それでは自分ばかりが報われない結果に終わることに気づき、憤り、妻の殺害を思いつきます。然りとてその後の自分の人生が好転するわけでもないので絶望し、行き着いた選択が一家心中です。何故そのような結論に至ったかについては深く考えていないので突っ込まないでください。

追い込まれた人間は視野が狭くなるからそうなってしまったのだろうかと思っていただければ幸いです。

さて、一家心中を決意した夫は席を立ちます。そこで扉の向こうから娘の声が聞こえます。夫は娘の声を聞き、感激するでも心改めるでもなく、これ幸いと娘を利用して妻をおびき寄せることを思いつきます。しかしただ妻を呼んでくるよう娘に頼んだのでは妻が警戒しかねないので、あたかも自殺を図ったかのように見せかけ、向こうから来るよう仕向けたのでした。誰でも、鍵のかかった部屋、帰ってこない返事、規則正しく鳴る何かが軋むような音、から天井の梁からぶら下がるロープとその先端の輪にはまる人の首を想像すると思います。

かくて妻はまんまと罠にはまり、部屋に入ったところで夫に扼殺されてしまいます。夫は妻の亡骸を天井からぶら下げます。娘の見慣れたブランコが1つ完成しました。夫は次に娘が部屋に入ってくるのを待ちます。(本当は待つ必要もないのですがそこは作り話ですので見逃してください)娘はそんなことを知る由もなく部屋に入ってき、妻と同じ末路を辿ります。

娘の背後から聞こえたギシリという音は夫の体重で床板の軋む音でした。

娘をも天井からぶら下げた夫は最後に自殺します。こうして3つのブランコが出来上がりました。首吊り死体(自分含む)を3つ作るのには椅子は1つだけで良いと言うお話でした。

追記、一般家庭に鍵を必要とする扉があるのかという問いについてはある家はあるのだろうという構えでお願い致します


結局だらだらと書いてしまって申し訳ないです。読者様の胃に穴が空いて亡くなってしまっていないことを祈ります。

拙い文章を読んでくださってありがとうございました。合掌。








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