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無色の白花と聖なる黒騎士  作者: 古川一樹
1/11

魔法少女スノードロップ

ヒーローに憧れた事はある?


俺はヒーローに魅せられた。だから今日も夜の街を歩く。

この借り物の力を纏う。彼女の遺志と共に。


オフィス街には高層ビルが立ち並び仕事終わりの社会人が疲れた顔で帰路につく。

その姿は軍隊の行進のように機械的で人の足音と車の音が奏でる生活音が夜の闇に溶け込んでいくようだった。


俺は小さな体で器用に人ごみをすり抜けながら街の様子を見て回る。

きっと今の俺を客観的に見たら不審人物に見えるかもしれない。

なぜなら夜の街を目的もなく当たりをきょろきょろと見回す人間なんていないだろう。


「ちょっとそこの君。」


だから声を掛けられるのも当然と言えばそうなのだが少々厄介な人物に呼び止められる。

警察の制服を着た2人組の男が俺の行く手を阻むように立ちはだかる。

俺は仕方なく顔を上げて言った。


「なんですか?」


今にもため息をつきそうなあからさまにめんどくさそうな仕草で返答した。

対する相手は知らない人に話しかけられて警戒しているとでも思ったのか、

1人の警察官は俺と視線を合わせるため屈むとやさしく言った。


「君いくつ? お父さんとお母さんは? 」


「いない。一人で大丈夫。」


高校生になって子供扱いされるというのは何度経験しても腹が立つ。

確かに今の俺の姿は淡いピンク色を基調としたフリフリのドレスに背中には大きな赤いリボン。

頭にはプリルを装着した。どこかロリータ―ファッションを彷彿させるような服装で、背も低いとなれば子供に見られてもおかしくない。


「こんな夜遅くに女の子が一人で出歩いたら危ないんだよ?」


本人から見ても小学生女児がコスプレしているようなものだと思う。

自分でそんなことを考えて気持ちが暗くなる。

だから自分に言い聞かせる。"俺は男だ! "と。


ちらっと背後を見ればもう1人の警察官は無線で何やらやり取りしている。

あんまり問答しているとまた補導されかねない。どうにかしてこの場を離脱しなければ。

そんな事を思案していると対面した警察官が言った。


「お名前は?」


早くなんとかしないと。そんな焦りからポロッと口が滑る。


「スノードロップ。」


「お菓子の名前? それとも何かのアニメのキャラクターかな?」


自分のおちょこちょいな言動に嫌気がさす。

確かに嘘は言っていない。だが誰も俺が"魔法少女スノードロップだ"と言っても到底信じられないだろう。普通の人は魔法が存在することも知らないのだから。

どう言い訳をするか考えていると通行人から耳をつんざくような悲鳴が聞こえた。


ただならぬ声に群衆は立ち止まり音の方向へと視線が集中する。

騒動の中心には中年の女性が膝から崩れ落ちて彼方の方向を指さしては繰り返し「私の娘が。娘が。」と言っている。


この場にいる誰もが子供が誘拐されたと悟った。


無線で連絡を取っていた警官がその様子見て、ただ事ではないと判断して相方にアイコンタクトを取る。

そして俺の目の前にいる警官は、先ほどと同じように諭すようにやさしくどこか緊張感を孕んだ声で言った。


「君はここで待っているんだ。いいね。」


俺はコクンと頷いて肯定を伝える。

期せずして逃げるチャンスを得た。今の内にこの場を離れてさっきの誘拐犯を追うとしよう。


だが一つ腑に落ちない。わざわざこんな通行量の多い人ごみの中でなぜ誘拐したのだろうか?

誘拐目的ならばもっと人目を避けた方が都合がいいはず。つまり目的は誘拐ではない。

となると何らかの理由で誘拐する必要があったのだろう。とすると誘拐された子供の身が心配だ。

犯人の目的によっては急がねばならない。


思案に耽りながらビルの間の裏路地へと走りだそうとした、その時だった。


「あ、ごめん。ちょっと急いでるんだ。」


目の前から黒装束の男が飛び出してくる。男はすれ違い様に避けようとするも勢いを殺せずに俺は転んでしまう。そして男は一瞬俺を見下ろすと簡単に会釈をすると黒いマントを翻して立ち去っていった。


「いたたたた。人にぶつかっておいて、逃げるなんて。なんてひどい奴だ!」


尻もちをついた俺は服の汚れを払いながら起き上がる。

加害者が高速で当て逃げをしたせいで愚痴る相手もいない。仕方ないので一人男が去った方向へ独り言をこぼす。

さっきから踏んだり蹴ったりだなぁとため息をついて俺は駆け出して行った。


=============================================================================


魔法少女のいい所は身体能力が向上することだ。いつもより多く走っても疲れないし、一度跳躍すれば数階建てのビルなら屋上まで一気に飛べる。


大通りでは目立った行動ができないが裏路地に移動すれば人の目はほとんどない。

ここならば思う存分力を使うことができる。


魔法少女の力は人前で力を使っていけないというルールはないと思う。

だが俺はこの力を得るまでヒーローの存在は都市伝説程度の認識しかなかった。

つまりは大っぴらに力を使わない方がいいのではないかと推測できる。


周囲を確認すると一飛びでビルの屋上まで上がると周囲を観察する。

するとかすかに西の方から甲高い音と共に青白い光がビルの壁面に映り込んでいるの確認できた。


俺はその方向へとビルからビルへと飛んで移動する。

スカートの中に風が入ってきてすーす―して気になるので片手で抑えながら跳躍する。


そして比較的低いビルの屋上から真下を見るとそこには三人の男がいた。

柄の悪そうな男二人は横並びになって相対する男を警戒している。


体格の良い男の腕には小さな女の子が抱えられており頭には拳銃が突きつけられていた。

もう一方の男はガリガリに痩せこけており身振り手振りで体格の良い大男に指示を出しているようだった。


そして相対する男はアメリカンヒーローが好んで着そうなピチピチのスーツに身を包み、

黒を基調としたデザインのスーツにマントが風に揺られて悠々と舞う。

黒装束の男はその場から微動だにせず何やら説得を試みている様子だった。

どうやら人質を取られて攻めあぐねているようだ。


あの野郎。俺を突き飛ばした奴じゃないか!


思わず言葉に出そうになったが踏みとどまった。

黒装束の男以上に二人組の誘拐犯に怒りが湧きあがっていたからだ。

人質になった女の子は恐怖に表情を歪めて震えている。彼女のことを思うと胸が締め付けられる。


居てもたってもいられず俺は屋上から飛び降りて渦中の現場に降り立った。


「だ、だれだ!」


その場にいた全員が急な乱入者へ注目する。特に大男は目を大きく見開いて感情的になって怒鳴り散らす。

俺は湧きあがる感情を抑えながらやさしく落ち着いて声で女の子へ語りかける。


「もう大丈夫安心して、俺が守るから。」


女の子は大男に気づかれぬように小さく頷く。


「俺を無視するんじゃねぇ!」


大男は無視されたことに心底腹を立てたのか銃を持つ手に力を入れて脅してくる。

これまでの行動から二人の誘拐犯の性格はわかってきた。


例えば女の子を抱きかかえている大男は感情的だ。手や足がそわそわしていて落ち着きがない。

そして真横で指示を出している男を信頼している。なぜなら男の指示に従い定期的に配置を変えている。

何の意図があって動き回っているのかはわからないが何の反論もなく男の指示に従っている事から全幅の信頼を置いているのだろう。


「無視はしてない。お前たちはその子を傷つけれない。」


誘拐犯を順に指さしながらそう言った。


「はぁ? 何言ってんのいつでも殺ろうと思えば殺れるんだよ。」


俺は動揺した振りをして慌てて両手を挙げて「ちょっと待って。」と言ってみる。

こちらを馬鹿にした表情で愉悦に口を歪めて女の子足の当たりに照準を合わせる。


「馬鹿、やめるんだ。ここで人質を撃ったら警察が来る。」


ガリガリの男はすぐに大男を制止する。

大男は「冗談だよ。」と笑いながら銃口を頭に戻した。


「一つ間違いがあるよ。もう警察に囲まれてるけどね。」


ホッと胸を撫で下ろす演技をした後畳みかけるべく作戦を実行した。

まずは大男とガリガリの男が疑心暗鬼にさせる必要がある。

この場にいる全員が驚きの表情を浮かべていた。


「おい、タカユキ話が違うじゃねぇーか!」


怒りに顔を真っ赤にしてガリガリの男へ問い詰める。


「おいおい。チサカ、ブラフに決まってんだろ? 俺が信じられないのか?」


チサカと呼ばれた男は俺の見え透いた嘘を見破り馬鹿な大男へ諭す。


「そ、そうか。そうだよな。嘘に決まってる!」


タカユキと呼ばれた大男は自分に言い聞かせるように反芻しながら落ち着きを取り戻すと俺を睨みつけて言った。

だが俺は動じることなく問いかける。


「信じるか信じないかはどうでもいいけどその子離してさっさと逃げた方がいいんじゃない?」


「ふん。嘘だとわかってる情報に踊らされてたまるか! はっははは!!」


大男はさっきまでの怒りはどこへやらと言った様子で俺の問いかけを馬鹿笑いで返す。


「そういえば知ってる。警察とか特殊部隊の人って突入前にスモークグレネード? を投げるらしいね。」


俺が言葉を発するのと時を同じくして近くのビルの隙間から何か所も白い煙の柱が舞い上がる。


「煙だと…… 」ガリガリの男は信じられないと言わんばかりに口をあんぐりと開けて茫然と煙を見る。


「タカユキやっぱりお前の読み間違いじゃねぇーか。」


大男は先ほどの警察が取り囲んでいる話が本当かもしれないと思い始めたようで慌てた様子で相方を問い詰める。

考える時間を与えてこちらの意図に気づかれれば女の子を奪還するチャンスはもうないだろう。

だから俺は畳みかけるべく急かす。

そうすれば焦って何らかの隙ができると考えた。


「ぼさぼさしてるとスナイパーに狙撃されてお終いかもね。バーン!」


大げさに指鉄砲で大男目がけて銃を撃つフリをする。

すると焦った大男が再び女の子に銃口を向けた。

女の子は小さく悲鳴を上げ、その表情は恐怖に染まり瞳から大粒の涙がこぼれ落ちた。


「うるせぇ! こうなればヤケだ。」


「馬鹿な真似はやめるんだ。」


自棄になった大男が何をするかわからないと黒装束の男がたまらず口を挟むがまったく聞く耳を持たない。


「おい! 落ち着けって。」


黒装束の男とほぼ同時にガリガリの男も大男を制止する。

男はまだ俺の言葉が嘘かもしれないと疑っているようだった。

大男は一瞬躊躇する。このまま引き金を引くか信じた相棒の言葉を信じるか考えたのだ。

その戸惑いから銃口が少し女の子の頭部から離れた。


「そうだよ。落ち着いて。撃つなら私を撃てばいい。」


俺はそう言うとゆっくりと大男の元へ近づいていく。


「おい! 近づいてくるな!!」


男はすごい剣幕で制止を求めるので素直に従い立ち止まる。


「そこの子。やめるんだ! これ以上は…… 。」


俺の意図を察してか黒装束の男が忠告する。この状況でこれ以上相手を挑発するような言動を繰り返せばどうなるか結果は明白だ。

わかっているが俺にはこいつらが女の子を撃てないという確信があった。


「俺を狙う勇気もないんだ。肝っ玉までチキンなんだな。」


「お前みたいなガキ。殺そうと思えばいつでも殺せるんだぞ。」


大男の反応にかかったなと内心ホッとした。これで俺に銃口が向けば勝機がある。

今の俺は身体能力が向上しているので銃で撃たれても多少怪我をする程度で済む。集中して見れば結構早い物体の移動も視認できる。うまく腕か何かで防御できれば万事OKだ。


「じゃあ試しに俺を撃ってみればいい。本当に撃つ勇気があるならね?」


そして男たちは銃を撃った瞬間に油断する。普通の人間は死ぬか。負傷して動けなくなるはずだと。

だがもし撃たれた相手が何事もなかった様に即座に行動したら? 必ず動揺するはずだ。

その動揺をついて女の子を奪還して安全な所まで退避。その後敵を無力化する。


だが現実は俺の策略と裏腹に大男は再び銃口を女の子の頭部へと向けられた。


「何度も言わせるな。俺を馬鹿にするんじゃない!!!!!!!」


想像外の事態にヒヤリと背中に汗が流れる感覚と心臓をぎゅーと掴まれたような感覚が襲う。

焦った俺は大男を止めるべく手を伸ばして大きく口を開く。


「やめろ。撃つなーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」


女の子は目を力いっぱい閉じて身体を強張らせている。

だが大男は引き金を引く事ができなかった。

ガリガリの男が大男を止めに入り、銃口を抑えて上空に照準を向けさせたのだ。


「あの黒い男の不思議な雷を見ただろう! ここには化け物がいるんだ。人質がいなくなったら俺たちは終わりだ。注意しろ。」


ガリガリの男の制止も聞こえていないようでポカンと呆けている。そして大男は恐ろしい物でもみるような視線で、黒装束の男と俺を順に睨みつけると言った。


「てめぇら、俺に何をしやがった!」


チャンスだと思った。偶然にも銃口を女の子から離すことができた。

そう判断すると俺は大男の言葉を聞きながら地面を蹴って二人組に接近する。


小学校低学年くらいの俺の体躯でも一呼吸の内に近づき、銃を持つ腕を殴ることで"脅威"を敵から遠ざける。大男が「うう」と痛みに怯んだ隙に女の子を抱きとめた。

すぐに大男は手を伸ばして女の子を取り戻そうとするがそれよりも早く俺は後ろに下がった。


そして俺は男たちの追撃に備えて身構えたが男たちはその場に立ちすくんでいた。

圧倒的な恐怖に顔面を歪めて二人で仲良く手を取り合って震えている。

そしてついには地面に跪いて「あぁ」と声を漏らす。


何事かと視野を広げれば黒装束の男が片手を頭上に掲げて立っていた。

掲げた手は青白い稲妻が迸り周囲を強い光が覆っている。

その姿はさながら閻魔大王がこれから男たちの罪を裁こうとしているような光景にも見える。


黒装束の男の手を覆う。その光の正体が"魔法"だと気が付くのにそう時間はかからなかった。

こんな超常現象は人間には起せない。


ヒーローは一人一つ魔法が使える。つまりこの人もヒーローなのか?


思案を始める頭を切り替えてこれから起こる事象に備えて、男たちから女の子を隠すように立った。

男たちから見れば俺は無防備に背中を向けていることになる。

だがもう男たちに抵抗する気力など残っていないだろう。


「や、やめてくれ…… 。」


誰かがそう呟いたが時すでに遅く、審判を下す者は判決を決めたようで腕を振り下ろした。

すると罪人たちに青い閃光が男たちに降り注ぎまるで罪を浄化するように世界は透明になる。

少し遅れてけたたましい音と肌が痺れるような感覚がして何かが崩れ落ちる音が聞こえた。


場の安全が確保されたことを確認すると俺は女の子に語りかける。


「君、大丈夫? 痛い所ない?」


「うん」と大きく頷くと不安そうに俺に抱き付いた。そして誘拐犯たちが無力化された事を確認すると次第にその表情は柔らかくなって言った。


「お姉ちゃん、ありがとう! あと黒いお兄ちゃんも!」


魔法少女をやっていてこの瞬間が一番嬉しい。たまらず表情が緩んでしまう。

黒装束の男の方も感謝されて照れくさそうに頭を掻いている。


「いいえー。そういえば君のお名前は? お父さんかお母さんは近くにいる?」


まずは名前と保護者の元へ返すために必要な情報を集めようと質問した。

だがその内容がちょっと前に自分が警官に聞かれた質問と同じで少し悲しくなる。

しかも女の子と俺の背は同じくらいだった。もちろん俺の方がおでこ一個分くらい大きいぞ!


「私は みねだ まい。お母さんは…… 。」


女の子はまいちゃんと言うらしい。

まいちゃんは名乗るとお母さんの話をし始めた所で黙り込んでしまう。

どうやら始めてきた土地で誘拐されたため母親ともう会えないのではと不安になったようだった。

それを見た黒装束は安心させるようまいちゃんに近づいて目線を合わせて屈むと言った。


「向こうの交差点の方で誘拐されたんだ。お母さんはその周辺にいるから大丈夫だよ。俺たちも一緒に探すから絶対見つかるよ!」


その言葉を聞いてまいちゃんは徐々に不安から一転して安心したのか嬉しそうに、

俺たちを順々に見ながら女の子は不思議そうに首を傾げて言った。


「お姉ちゃんとお兄ちゃんは正義の味方なの?」


「そうだよ~。スノードロップって言うんだ。よろしくねー。」


女の子は俺の名前を聞くと「かわいい!」と言ってキラキラした視線を向けてくる。

男なのに「かわいい」と言われるのは恥ずかしくていたたまれないので黒装束の男に視線を向ける。

"お前も早く自己紹介しろー"と。


「俺はダークナイトだ。」


俺の視線を受けて黒装束の男が照れくさそうにそっぽを向きながらそう答えた。


女の子が「おおー」と反応する中、俺は吹き出しそうになるのを必死に堪えていた。

そんな俺を見てダークナイト(笑)が言った。


「おい、そこ笑うんじゃない! これでも気にしてるんだ。」


「ごめん、ごめん。」と謝りながら目頭の涙を拭う。

"気にしているのならなぜその名前にした"と突っ込みたかったが、そこは俺も男だ聞かないでおいた。

厨二病的なアレでつけたんだろうなーと思いながら。


「ちょっとやめて。その哀れみ目! 余計に悲しくなるわ!

お前だってそんなお菓子みたいな名前つけてどこのスイーツだよ!!」


あまりにも恥ずかしいのだろう。話題を逸らそうと反論するも生憎俺の付けた名ではないので何も響かないのであった。だがそろそろ可哀想に思えてきたので話題を変えることに同意して答えようとすると。


「私もスノードロップみたいになれるかな?」


まいちゃんが期待と不安を滲ませた表情で問いかけた。

どう答えるべきか逡巡した。どうやったらヒーローになれるのか、俺は詳しく知らない。

だけど"こういうヒーローって勇気と夢"を与えるものだと思う。


"何より彼女ならきっとこう答えるから"。


「うん。きっとなれるよ。」


力強くそう答えた。もちろん"良い事"しないとダメだよと付け加えて。


「そうかな。私がんばる!」


今にも飛び跳ねそうな程満面の笑みを浮かべて喜ぶ姿をまいちゃんの手を繋いで、

俺たちはまいちゃんをお母さんの所まで送り届けたのだった。




=========================

最後まで御覧いただきありがとうございます。

よろしけば次回もお読みいただければと思います。


# 更新頻度は遅めです。


次回更新は11/01

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