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理想郷  作者: Zero_One
序章
4/35

初心者装備

「お前さんだよ。」


 俺の事かと尋ねると


「かわいい顔して俺とか云うなよ、って尻尾付きか成程な。そんな事より俺は新規キャラクターに初期装備を渡す仕事をしてる警備副隊長のランドってんだ。」


 最初のNPCがコレかよ。と思いつつも話を聞いてみる。


「お前さんの職業と名前はっと・・・ウィンス=キャビルソンで、ふむふむ成程な。クラスは知られたくない奴もいるから声には出さんが分かった。お前さんが今装備出来るものを見せるからそこの警備詰所まで来てくれ。」


 そう云われすぐ傍の詰所に付いて行く。


すると何という事か実際の体と違う箇所が多すぎてバランスが取りにくく歩きにくい。

さらに尻尾があるのでヨロヨロしながらランドと云う男に付いて行く。


「最近は新参が減ったから俺の仕事も減ってたんだよ。

 そこの個室に入ってくれ、そこなら他のプレイヤーには何も聞こえない。」


 色々と便利なシステムがあるものだと感心しつつ一緒に入っていく。


「お前さん・・・ええっとウィンスでいいかい。」


 俺は頷く。


「何でも言われたからって誰にでも不用心に付いて行くんじゃないぞ。少しは警戒しろ。」


 そう云われ不味ったかと思ったが、取り越し苦労だった。


「こういうことも新参に教えるのが俺の仕事なんだよ。気構えずに今は気楽にすればいい。

 そして装備だがメインクラスの無職には装備制限が初心者武器だけとあるが、種類制限はない。何でも装備出来る。しかしウィンスのサブクラスの便利屋と性別の中性には種類制限が掛かっている。

 長い事この仕事やってる俺でもこの組み合わせ初めて見たがな、がっはっはっは。」


 駄目なヤツだった、しかし今更作り直すとなると七日待たなきゃならん。

 なるようになるだろう・・・きっと。


「そう落ち込むな、数少ない無職のメリットが一つ減っただけだ。しかし悪いだけじゃないメリットはある。装備が関係するウィンスの今のステータスはこうだ。」


 性別:中性

 メインクラス:無職

 サブクラス:便利屋


「今から説明する事は知識図鑑詳細からいつでも確認出来るようになるからな。

 ()ずさっき話した無職は初期装備のみで種類制限なしだ。

 そして便利屋が使えない装備は、武器では両手剣・両手槍・槌系統全般・大斧(だいふ)・大杖・長弓・短弓が使用不可だ。」


 呆然としつつちょっと眩暈(めまい)がしそうになった。


「まだまだあるぞ、便利屋は制限が異常に多いからな、がはははは。

 防具に関しては重装備が使用不可、そして魔法の掛かっている魔法衣も使用不可だが普通の布系統の防具は可能だ。アクセサリーに関しては制限はない。そして最も重要な事は魔法適性が半分しかない事だ。」


「ああ・・あああああ・・・」

 声に出した覚えはなかったがそれでも声が漏れていた。


「これくらいでそう悲観的になるな。そして中性だがな装備制限が両手武器に限るだ。両手武器と云うのは一本の武器を両手で握る()しくは武器を左右に装備する二刀流だ。そこで中性のメリットは異なる種類の武器を装備出来る事だ。これは大きなメリットだぞ。あと防具だが軽装備のみ装備可能だから布系統もここで消える、がっはっはっは。」


「いや、ほんと笑えませんから…。」


「防具は選択の余地はなく初心者軽装一式だ。そして武器だがここで渡せる種類はだ。」


 そういってランドは壁に掛けてある武器指差し説明していく。

 片手剣:オーソドックスな武器だが扱い易く品数も多い。

 片手斧:リーチは片手剣に劣るが、威力はある。やや重い

 片手槍:リーチが長いが取り回しが不便で、狭い所では慣れが必要。

 短剣:リーチは最低だが軽く取り回しは最高峰、慣れ次第では強力。

 クロスボウ:力が低いと装填に時間がかかる為、無職にはお勧め出来ない。

 棍:片手でも両手でも扱える便利な武器。槍と同じく狭い場所では不便。

 刀全般:所謂(いわゆる)日本刀で大刀・長刀・短刀等がある、DEXが低いと扱い辛い。

 短杖:メイン武器サブ武器どちらでもあると魔法に有利だが物理攻撃は打撃系しか出来ない。

 ナックル:見たままだ。拳に嵌めて殴る。リーチは拳の届く範囲。


「ここで渡せる初心者武器の種類はこれだけだ、他にも色々な武器があるが初心者装備にはない。よく考えろよ武器は使っていくと熟練度が増えていくからな。無職なら最低レベル25まで世話になる筈だ。」


「お…お…俺は、棍とナックルにする。」


「急がなくても良いんだぞ。」


 いやもう決めたと頑なに首を振る。


「その組み合わせなら一つ教えてやろう。ナックル系には爪武器も含まれるが純粋なナックルなら棍を両手で扱えるぞ。俺や誰かから知識を聞く以外は出来ない装備方法だ。勉強になったな。」


 そして俺は棍x1・ナックルx1・軽装備一式を貰い、ランドにお礼を言って部屋を出ようとすると声を掛けてきた。


「折角のその見た目だ、俺は止めようぜ。」


 ふぅと溜息を吐くと今度から話す時は私と云うように心掛けると伝えると、満面の笑顔でまたいつでも遊びに来いと

 云われ部屋を出た。



 初っ端から色々あったが俺のゲーム生活は此処(ここ)から始まる。



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