初めての無職
設定からゲーム開始までです。
ゲームを起動するとそこには、初めて目にしたゲームの画面があった。
一番上に<1アカウントにつき、1キャラクターしかつくれません。また国民番号毎に1アカウントです。>
つまり一人1アカウント1キャラクターと言う事か。
一人ひとりに国民番号が割り振られているので、余程の事をしないと2キャラクターは出来ない上に違法でもある。
<性別を選んでください。>
男女選べるのかと思っていると、女性は選べ無かった。
代わりに 男性/中性 と云う二つの選択肢が出た。
いうなれば男性と女性のが両方あるらしい。さすがファンタジー。
俺は迷わず中性を選んだ。しかし区別する為に中性にはランダムで選べない尻尾が付くという。
そんな些細な事は気にせずキャラクターを作って行く。
しかし現状SgrLことシャングリラでは、中性キャラクターは殆ど居なくなってしまった。
そんな事を元治が知る由も無いのは、後の話である。
出来上がったキャラクターは本人の顔を少し参考にするというものの、中性を選んでいるので別人にしか見えない男とも女とも云えない本当に中性的な綺麗な顔立ちだった。
身長も変えれると云うので思い切って150cm、そして巨乳。大事な事なのでもう一度云おう、巨乳である。
と云っても動ける範囲にしようと云う自分ともっと大きくと云う自分が居て、結局バスト90cmアンダー70cmのEカップ相当にした。
勿論自分で触れることを前提にした邪な考えでだ。
頭が良かろうが元エリートだろうが色々な願望があるってもんだ。
細部の設定も決まり最後に最初の職業選択となる。
<最初のメインクラスを選んで下さい。>
最初のと言う事は後々転職や二個目三個目の職業があると云う事だろう。
職業は驚くほど沢山あった。
ある程度系統毎に纏められていた。
戦闘職
生産職
採集職
その他
無 職
項目の一番下に無職があった。
説明を読むと内容が酷かった。
<無職>
戦闘・生産・採集・その他系統のスキル習得不可
魔法使用制限(初期魔法を除く)
各種初期装備のみ使用可能
転職困難
施設使用無料
税金免除
掲示板クエスト受注数上限なし
突発クエスト上限なし
ステータス値×30%=実際ステータス
スキルや魔法の制限よりも最後が問題だった。
ステータスが30%しか発揮されないと言う事だが、元治は憧れていた無職にゲームでもなれるのかと、思考が麻痺しているようで迷う事なく無職を選んだ。
<サブクラスを選んで下さい。>
注意:サブクラスは一度選ぶと変更が出来ません。慎重に選んで下さい。
メインクラスは転職で変える事が出来ても、サブクラスは此処で選ぶ一度きりと云う事だ。
だが選択肢が何もなく一文が表示されているだけである。
<選びたいクラスが決まれば[選択]を押した後思い浮かべて下さい。選択可能であれば はい/いいえ が出現します。>
何ともまあ不思議なシステムだ、ともあれ選択肢が多すぎるが故か。
選択を押し無理だと思うが思い浮かべてみる(不死身)
<不死系統は[ゲームマスター]専用です。選択出来ません。>
有るのかよと思いつつ口元が緩んだ。
でもまあ何でも良いかと思っていると、
<該当サブクラス [万事屋][便利屋]>
と出てきた。
何でもに反応したのだろう。どちらも何でも屋である。
万事屋は商売等の店舗向けで、便利屋は自分が動き回る方だろうか。
元治の予想は大体あっていた。
無職を選んだから店舗を持つことは難しいと思い便利屋を選択する。
<サブクラス選択確認。[便利屋]で宜しいでしょうか。 はい/いいえ >
俺は[はい]を押す。
<最終確認>
<メインクラス[無職] サブクラス[便利屋] これで宜しいでしょうか。 はい/いいえ>
そしてもう一度[はい]を押す。
<キャラクターネームを入力して下さい。>
キャラクターネーム:_____=_____
姓と名が必要な様だ。
特に思い入れもない思い浮かんだ適当な名前を入れて行く。
キャラクターネーム:ウィンス=キャビルソン
どこの国の人間だと思いつつ、確定のあとに[はい]を押す。
<最後の質問です。開始する町を選んで下さい。>
ホリマイン
シュバ
ガートン
俺はガートンを選んだ。
最終確認を終えると、視界が暗転しそこには一言添えられていた。
ようこそShangri-Laへ