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8.▼モンスター が あらわれた !

女神様が消えたあと暫く呆然としていたが、このままここに居ても意味がないと思い、歩き始めた。



「森から抜け出せるといいんだけどなぁ…。」



よくよく考えたら私は今どこにいるのか分かっていない。あれ?私もしかして迷子?oh…森で迷子とかヤバすぎる。まだ死にたくない。

……こういう時って誰か村人的な人が来てくれるんじゃないの?村人マダー?


なんて考えながら歩いていたら、少し遠くの茂みからガサガサと音が聞こえた。

ハッ!村人がきたんじゃないかな!?村人さん、私はここよ!!



予想に反して、茂みから出てきたのは兎でした。ガッデム。



兎といっても普通の兎じゃなくて、額に角が生えてる。角兎と命名しておこう。


角兎はまだこちらに気付いていない。…ふむ、少し魔法を試してみようかな。



さっきは手のひらの上に出した水の塊を、今度は小さくして指先に出す。そして角兎に狙いを定める。イメージは拳銃だ。



「3.2.1…バーン!」



弾丸のようなスピードをイメージしながら角兎を撃つと、ちゃんと角兎に当たった。上手くいった!やったね!

しかし、残念なことに当たったのは角兎の足で、角兎はまだ生きている。脳みそ狙うべきだったか…。今は角兎に当てることしか考えてなかったからなぁ、次からは脳みそを狙おう。



足を撃たれて動けない角兎に近寄る。

ごめんね、この世は弱肉強食なんだ…。大人しく私の食料になってくれ。



角兎に近づいて捕まえようとした瞬間、角兎が目の前から消えた。……は?


呆然としていると、横からグルルルル…と唸り声が聞こえてきた。嫌な予感しかしない。


恐る恐るそちらを見ると、凄く大きい狼が角兎を咥えたままこっちを睨んでる。で、デカい…私の倍はあるんじゃないかな……。こんなデカい狼が角兎を咥えていると、角兎が凄く小さく見える。

……って、それ私の獲物だから!人の獲物横取りした上に威嚇するってどうなの?怒るよ?


そう考えていると、狼が私に向かって飛びかかってきた。吃驚しながらもなんとか狼を避ける。



「ひええ!ごめんなさい、さっきのは嘘です!怒ったりしません!!角兎もあげるから見逃してくださいいい!!」



半泣きでそう訴えるも狼は聞く耳持たない。そりゃそうだ、まず言葉が通じないんだから。



どうにか狼を避け続けているが、段々息が上がってきた。スタミナが無い自分が憎い。私…この戦いを生き延びれたら基礎体力あげるんだ…。え?フラグ?ハハハ、一体なんのことやら。


…ん?なんで私は逃げ続けてるんだ?もう倒せばいいじゃないか。何のために魔法を使えるようにしたんだよ。


水の塊を出し、狼に向かって当てる。今回は少し大きめに作った。水の塊は狼に当たって弾けた。そして狼は………飛んだ。文字通り飛んだ。空に向かって飛んでいった。



「た、たーまやー…?」



なんとなく呟いてみたけどこれは違うな。花火じゃないよ。


少ししてズシンッと地響きが鳴った。どうやら狼が地面に落ちたみたいだ。いや、遠くに飛んでいったから分からないけど。



「キャアアアアッ!!」



突然遠くから女の子の叫び声が聞こえた。

驚きつつも声が聞こえた方へ向かって走る。はし、る…走ってはいる。走ってはいるけど、さっきの狼との戦闘で体力を使い切ったせいで凄く遅い。


……やっぱりスタミナあげよう。




息も絶え絶えになりながら声が聞こえたであろう場所につくと、女の子が地面にへたりこんでいた。女の子の目の前にはさっきの狼。

なるほど、いきなり狼が降ってきたから驚いたのか。………私のせいじゃないか!!申し訳なさで胸がいっぱいだよ!



「大丈夫ですか?」



軽く息を整えてから女の子に声をかける。いや、ハァハァいいながら声かけられたら吃驚するじゃん?



「あ…ごめんなさい。少し驚いただけですので、大丈夫です。」



こちらを向いた女の子が弱々しくそう答える。

……か、可愛い!小さくて華奢で守ってあげたくなるような可愛さ…!


まじまじと見つめていると、女の子が首を傾げた。その瞬間、私の中でカチッと音が鳴った。…ヤバい、スイッチが入ってしまった。



「どうやら怪我は無さそうですね。よかった…貴女のような可憐で可愛らしい方が怪我でもしたら心配で夜も眠れなくなってしまいます。本当に無事で良かった…。」



しゃがみ込み、女の子の目を見つめながら両手を取り本当に心配そうに言うと、女の子は頬を染めた。


…やってしまった。

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