6.説明その3
「…それで、魔法ってどうやったら使えるの?やっぱり習ったりしないとダメ?」
考えるのが面倒くさくなった私は女神(仮)に尋ねた。
「魔法を使うのは簡単ですよ。想像するだけです。」
「想像?」
「そうですね…手のひらの上に火がつくようにイメージしてください。」
「わかった。」
女神(仮)に言われた通り、手のひらの上に火がつくようにイメージする。火がつく、というより手のひらの上に火が出るように考えた方が楽かな。
そう考えていると、ボッと私の手のひらの上に火が現れた。おおー!すごい!
「出来ましたね?貴女は想像するだけで魔法が使えるのです。貴女の場合、想像豊かなので簡単にいろいろな魔法が使えるようになります。しかも、魔力が沢山あるので無詠唱で。原理は魔力がそのまま魔法に変わると考えてください。」
ふむ、魔力を消費して魔法を使うのか。そして魔法は想像するだけで使える、と。
ふふふ、私は普段からいろんなことを考えているからね。妄そ……… 想像力は人一倍豊かだよ!
私がそんなことを考えていると、すぐ傍から「想像して創造する…プッ」と小さくオヤジギャグとくすくすと笑う声が聞こえた。
どうやら女神(仮)はオヤジギャグが好きらしい。まさかそんな人(この場合神か?)だとは思わなかった。少し距離を置きたい気分です。物理的にも、心理的にも。
「ああ、それと貴女は魔力操作も出来るようになっています。」
「魔力操作?」
「ええと、あの木に魔力が流れてるのが見えますよね?」
「うん。」
「その魔力を、あの枝に集まるように念じてみてください。」
女神(仮)に言われたように、木に流れている魔力を移動させるように念じてみる。難しくて集中しないと出来なかった。
どうにか魔力を枝に集めた。その瞬間
枝が弾けた。
「………は?」
「上手く出来ましたね!そのうち集中しなくても出来るようになりますよ。」
「いやいやいやいや、待って。ちょっと待って。枝弾けたんだけど!?一体何があったの?」
にこにこと笑う女神(仮)にツッコミを入れる。
な、何今の!?すごく怖かったんだけど。なんか物凄い大きくバァンッ!って音鳴ったし、予想外だったから死ぬほどビビッた。
「ああ、今まで木全体に回っていた魔力を一点に集中させましたからね。多分耐え切れなくて弾けたんでしょう。」
「えっ…。」
何それ怖い。
どうやら魔力を耐え切れる容量は決まっていて、それ以上の魔力が集まると耐え切れずに今のように弾けてしまうらしい。
……何それ怖い。女神(仮)が「貴女は絶対弾けることはないので大丈夫ですよ」なんて言ってるけど、違う、そういうことじゃない。私の安全の話をしてたわけじゃないんだ。いや、確かに自分の身が一番大切だけども。
魔力操作はあまり使わないようにしよう。でも、必要に駆られたら使わないといけない。そんな時がこなければいいけど…。
………よし、魔力操作するけど悪用はしないってことにしよう。そうじゃなきゃ生きづらいだろうし。
なんかいろいろ面倒くさそうなことになってきたけど、まぁなんとかなるっしょ!
説明回は次で終わる……かな?