1.どうしてここに?
初めて小説を書きます。生暖かい目で見守ってください。
初めまして、木更津智未と申します。歳は15、数ヶ月前に高校に入学したピチピチのJKです。何故か私は今、何も無い白い空間に立ってます。しかも…所謂コスプレ、をしている状態で。
……どうしてこうなった?
此処がどこか分からない、ってかそれ以前に何で私コスプレしてるの!?なんで!?本気で意味がわからない。しかもこんな格好を知り合いに見られたら死ぬ。確実に死ぬ。ちょっと待って、今思い出すから。頑張れ私の灰色の脳みそ。記憶力無いことで有名だけど、どうにか頑張れ。
うーん、と唸りながら思い出そうと努力するも残念なことに私の脳みそは働いてくれない。悲しい。
自分の記憶力の無さに落ち込むのは今までに何度もあったなぁ…。授業が終わって一時間もすれば授業の内容を綺麗サッパリ忘れ、テストでいい点を取ったことがない。先生からは「もっと頑張りましょうね」と言われ、友達からは「勉強しなかったの?」と言われ……うるせぇ!ちゃんと勉強したわ!!記憶力が無いだけだ!生まれ変わったら天才になりたい、ぐすん。
閑話休題。
過去の出来事を思い出して軽く落ち込んでいると、目の前がピカッと光った。
「うわっ、眩しっ!」
反射的に目を瞑るも、眩しかったのは一瞬だけだった。恐る恐る目を開くと…そこには美しい女性がいた。おおっ!美人だ!!声をかけることすら躊躇するくらいの美人。でも今のところこの人以外話す相手がいないため、恐る恐る声をかけるしかない。
「えーっと、どちら様ですか?」
何かあったら怖いからとりあえず下手に出ておく。怒った時の美人さんは怖いからね。大人しくします。
「私は…貴女達でいうなら女神にあたる者です。」
……どうしよう、この人イタい人なのかもしんない。いきなり目の前に現れただけでも怪しいのに、更に女神って名乗り出すとか怖い。いくら美人でもアイタタタな人はちょっと…。でも他に呼びようがないから女神(仮)って呼んどくか。
「あの、それで女神様が私に何の用で?」
とりあえず聞かなきゃ話が始まらない。私は首を傾げながら女神(仮)に尋ねる。
「ああ…。」
「……?」
「………。」
…返事が返ってこない。声をかけたはいいが、女神(仮)は何かを考え込んでいるようだった。
「この場合なんて説明すればいいんでしょうか…すべてを正直に話すのが一番なんでしょうけど、それを聞いてこの子が耐え切れるかどうか……それに信じてもらえるかも微妙ですし、というか今のところ私のこと全然信じてませんし一体どうすれば………」
なんか女神(仮)がぶつぶつと言っている。怖いから考え事は心の中だけにしてほしい。
女神(仮)はあてにならないな。どうにかこの状況から何が起こってるのか考えよう。
私はうんうん唸りながら働いてくれない脳みそを無理やり働かせた。そして一つの仮説に辿りついた。
気づいたら真っ白な空間にいる。そして目の前には女神(仮)。……もしかして、小説とかでよくある異世界トリップ的な?そんな可能性があったりなかったりラジバンダリ。
「まはか異世界トリップってわけじゃないですよね?」
冗談だろ、ハハハ。とか思いながら女神(仮)に尋ねると、女神(仮)はコクリと静かに頷いた。oh…マジかよ…。
あれ、でもこういうのって主人公が死んだあとに神様的な人が「ドンマイ!」っていってくるもんじゃないの?私死んだ覚えてないんだけど?トラックにドカーンって轢かれたり、上から植木鉢(決してダジャレではない)が降ってきて脳天に当たったりした覚えないよ?…ううむ、でもやっぱり覚えてないだけなのかなぁ。
首を傾げていると女神(仮)が近づいてきて、トンッと私の額を指で軽く叩いた。痛……くはないけどちょっと吃驚した。いきなり何をするんだコイツ。
「…ん?あ、ああーーー!!!!」
叩かれた瞬間、全てを思い出した。