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チンチラダイヤのいっしょに遊ぼ!

作者: 流丘薫

家に2匹の猫がいます。猫大好きな方はご理解いただけると思いますが、彼たちの仕草は生活の疲れを本当に癒してくれます。

(反面手をやくことも多々ありますが‥‥)

自分でも猫バカに思えますが、猫(動物)好きの方、ご一緒ください。

「ミュー、ミュー」


「ウニャー、二ャーアン」


「お姉ちゃん!ゲームばかりやってないでダイヤとコナンと遊んであげて!」


せっかく宿題終わって動物の○ やってるのに。


「どうしたの?なごは、ここにいるでしょ!ほら、抱っこしてあげるからおいで。」


なごちゃんは、ゲームを置いてお兄ちゃん猫のコナンを追いかけます。


その間に、弟猫ちゃんのダイヤはお兄ちゃんよりずっと短い真ん丸なお手々で


『チョイチョイ!』


(どうしてぼくがやると動かないのかなぁ?)


一生懸命お姉ちゃんのまねをしてゲーム機をなぞりますが、ちっともゲームの中の人は動いてくれません。


(お姉ちゃんがさわるとこの中の人がトテトテ歩くのに。木を揺すったり、地面を掘ったり、お魚釣ったり。面白いのに‥‥)


それでもダイヤは負けずにお手々で画面をなぞります。


『チョイチョイ!』


「ダイヤはゲームが大好きなのね」


お母さんがダイヤに話しかけます。


「ミィー、ミィー、」


ダイヤはゲームがしたくてお母さんにお父さんに、そしてお兄ちゃんのコナンにも話しかけます。


するとお兄ちゃんのコナンがやって来て


『ツー』


「ミャー」


(どうしてお兄ちゃんは動かせるの?)


そうです、チンチラのダイヤと違いお兄ちゃんはアメリカンショートヘアー、お手々が細いのでしっかりゲームを動かせます。


「お兄ちゃんはできるけどダイヤは残念だね。」


なごちゃんの言葉を聞いても頑張るダイヤです。


次の日の夜、ダイヤはパパとお風呂に入ります。お湯やお水に濡れるのは嫌いだけど、ダイヤはお風呂の蓋に乗って湯船のパパを見るのが大好き。


(なごちゃんやママだとシャワーのお湯がかかるけど、パパはシャワー振り回さないから大好き!お風呂は暖かいし、湯気の昇っていくのを見るのが大好き。)


「ダイヤは昨日なごちゃんのゲームをやってみたんだって。」


パパがダイヤに話しかけます。


「ミュー、ムミィー、ミィー」


(そうなの、お兄ちゃんは動かせるのに僕だと少しも動かないの)


「ダイヤはお手々が真ん丸だから、お手々の先だけで爪を出してやってごらん。爪だと小さな矢印も動かせるから‥‥」


「ミィミィ」


(うん、ありがとう。)


「さあ、もうパパお風呂から出るよ!ダイヤもおいで。」


「ミィーン」


お風呂の蓋から飛び降りパパのあとに続くダイヤでした。


次の日の夜、絶好の機会がやって来ました。ゲームをやりっ放しでお姉ちゃんがお風呂に入ったのです。ママは台所、パパはパソコン、お兄ちゃんはタンスの上でマッタリしています。


『トコトコ』


パパに昨日教わった動かし方を試すチャンスです。


(頑張らなきゃ!なごちゃんやお兄ちゃんにぼくも出来ることを見せてあげるんだ。)


ゲームの前にちょこんと座ったダイヤは、まず背筋を伸ばします。そして、ゆっくりと右の前のお手々をあげると、


『キュキュ』


あらあら、真ん丸お手々を一生懸命細くして、そして、


(あれ?)


そうです、ふさふさのお手々の先から小さな細い爪が見えました。


『チョン、チョン』


(爪でさわれた!よーし!)


『ツー』


(出来た!人が動いた!)


「ミャーン、ミャーン、ミャーン」


ダイヤは嬉しくってパパのところにかけていきました。


「ミャーン、ミャーン、ミィーン」


(パパ、出来たよ!動いたよ!ねえねえ見て見て)


ダイヤは机の下からパパを見上げて一生懸命話しかけます。嬉しくて嬉しくてたまりません。ついには、パパのお膝に


『ピョン』


「ミャーン、ミィーン」


(どうしたの?)


あまりにもダイヤが話しかけるのでコナンがタンスの上からやって来ました。パパの椅子の横に来て心配そうに見ています。


「どうした?撫でてほしいのかい?」


「ミャウーン、ミィーン、ミャウン、ミャウン」


(ちがうの、ちがうの。ゲームの人が動いたの。)


『ピョン、トットットットッ』


パパに見てもらえないダイヤは次に台所のママのところに向かいます。


「ミャウーン、ミィーン、ミャウン、ミャウン」


ママにも嬉しそうに話しかけます。まあるいお目目をもっと拡げて右のお手々をチョイチョイ挙げて、まるで招き猫みたい。


「ダイヤ、これはなごちゃん達のご飯なのよ!ダイヤ達のご飯は後であげるからね。」


(ちがうのに。誰も見てくれない!)


ダイヤは寂しそうに顔を下げて台所を出ていきました。


それから後もダイヤは開けっぱなしのゲームを見かけては、


『チョン、チョン、ツー』


『チョン、チョン、ツー』


ゲームの中の人をを動かす練習を繰り返していました。


夏が過ぎて、秋も終わり寒い冬になりました。ゲームの画面の中も雪が降っています。ダイヤは毎日毎日少しずつ練習して今ではお兄ちゃんと同じように動かせるようになっています。


(でも誰も見てくれない!ダイヤ上手になったのに。)


「ゴホン、ゴホン、ゲホ、ゲホン」


(お姉ちゃんどうしたの?お顔も真っ赤だよ。)


お姉ちゃんのことを大好きなコナンは心配してクルクル足下を回っています。足に体をスリスリして


「ミャオーン、ウミャオーン、ニャウン、ニャウン」


(だいじょうぶ?だいじょうぶ?早くお布団に入りなよ!)


コナンは捨てられて愛護センターで保護されていたのをお姉ちゃんが子猫の時にもらって来たのです。なのでコナンはお姉ちゃんが1番大事。お姉ちゃんがママに怒られているとママとなごちゃんの間に入って、


「ウニャー、ウニャー、ウニャー」


(お姉ちゃんを怒っちゃ駄目!)


ダイヤにはそんな勇気はありません。だけどダイヤも何かお姉ちゃんのためにしたいと思ってます。ダイヤもお姉ちゃんが大好きなんです。


(ぼくだってお姉ちゃんに「ありがとう」と言ってもらいたい!)


お兄ちゃんに続いてなごちゃんにすり寄ろうとしますが、残念!お姉ちゃんはお部屋のお布団に入ったあとでした。


「ニャニャニャウーン」


(お姉ちゃん、ダイヤだよ。)


でもお返事もなし。そして、誰もお姉ちゃんの部屋のドアを開けてくれません。次の日もお姉ちゃんはお部屋の中。ママ達はインフルエンザだとか言っています。お兄ちゃんは、心配で心配で何回もお部屋に行きますが、やっぱり入れてもらえません。


「ダイヤも心配だよね。ママはお姉ちゃんにご飯届けて来るね。」


(ダイヤもお姉ちゃんに何かしてあげたいな。でもお兄ちゃんみたいにお部屋に何度も行くのは疲れるし。)


テレビの前で首を傾けて考え込むダイヤです。でもただお座りしているだけではどうにもなりません。


『トコトコトコ』


居間に移動するダイヤ。


(あれ、ゲーム置きっぱなしだ。お姉ちゃんゲームも出来ないくらいつらいのかなあ?寝てばかりだとつまらないよね。)


ダイヤはお姉ちゃんを楽しませる方法を考えます。でも何も思いつかないうちにゲームの横で眠ってしまいました。


(あれ?寝ちゃったんだ。)


ママのたてるコーヒーの音とトースターからただようパンの臭いでダイヤは目を覚ましました。そして、あたりをキョロキョロと見渡しましたが、今日もなごちゃんはいません。


(よーし!)


ダイヤはあることを決心するとママのいる台所に向かいました。そして、両方のお手々でママのお膝を


『ポン』


お兄ちゃんがママやパパに何かを伝えたい時にする仕草です。お膝には届きませんでしたが、ふくらはぎを両手でたたくことができました。


「ダイヤどうしたの?お兄ちゃんの真似してるの。」


(こっちこっち、ねえママこっち来て!)


ダイヤはゲーム機のところへママを連れていくと、まあるいお手々でゲーム機を


『つんつん』


ドアの方に動かします。そしてママのお顔を見ると


「ニャニャ、ニャアーン、ニャアーン、ニャニャ」


お姉ちゃんの部屋にかけていきます。でも残念ながらママは来てくれません。


(こまったなあ、お姉ちゃんのお部屋に入れないぞ。でも頑張らなきゃ!もう一回)


『トットットッ』


『ポン』


「ニャニャ、ニャアーン、ニャアーン、ニャニャ」


『つんつん』


ダイヤも必死です。何度も何度もママのお膝をタッチしゲーム機を動かします。


「ダイヤどうしたの?ゲーム機をどうしたいの?」


チャンスです。ダイヤは必死でお兄ちゃんがボールを転がすようにゲーム機をお部屋の外に動かしていきます。何度も何度も立ち止まってママを振り返り


「ニャニャ、ニャアーン、ニャアーン、ニャニャ」


ようやくママがゲーム機を持ってくれました。ダイヤはお姉ちゃんの部屋に走ります。あとはママが持ってきてくれるだけです。


(ママ、持ってきて)


「どうしたのダイヤ。お姉ちゃんの部屋に入りたいの?」


「お姉ちゃん、ダイヤが、お姉ちゃんに会いたいって。もうお熱もずいぶん下がったから良いよね。」


「うーん」


久しぶりのお姉ちゃんの声です。少し元気がない気がしますが、確かにお姉ちゃんです。ダイヤは嬉しくてママがドアを開けたとたんにお姉ちゃんのお部屋に


『スルッ』


「ママどうしたの?」


パジャマのお姉ちゃんが尋ねます。


「ダイヤがゲーム機でお姉ちゃんに遊んでもらいたいみたいよ。」


「うーん、まだからだがつらいんだよ。寝たままやるよ?」


「ミィヤーン」


ダイヤはうつ伏せのなごちゃんの顔の前にあるゲーム機の横にちょこんと座りました。


(お姉ちゃんはやっぱり上手だね。でもダイヤもゲーム上手になったんだよ。パパに教わったんだよ。)


ダイヤもゲームをやりたくてしょうがありませんかお姉ちゃんがずっとやっているのでさわることが出来ません。


『ツッ』


「駄目よダイヤ。お姉ちゃんがやっているんだから。」


でもまだお姉ちゃんは病み上がり。ゲームの途中でスッと寝てしまいました。そして、ゲーム機は充電が切れかけて赤いランプが点滅しています。


(大変!保存しないと。せっかくお姉ちゃんがからだがつらいのにダイヤに見せてくれたのに。)


「ミィー、ミィー、ミィー」


ダイヤはお姉ちゃんに話しかけますが起きてくれません。お姉ちゃんのお耳をペロペロ舐めてもダメです。小さなお手々で『ツンツン』つついてもさっぱり。このままでは電源が切れてしまいます。


(ようし、)


ダイヤは自分で保存することにしました。小さなお手々を


『キュキュ』


と丸め、いつもお姉ちゃんがやつているようにお家の印を押さえます。四行のコメントは、上から2番目が保存。ここはパパに教わったように爪を使って下向きの矢印を押しました。


『ポチ、』


「フニャッ(出来た!)」


あとはAボタンをおし続けるだけ。でも赤い点滅はどんどん早くなります。


(急がなきゃ)


『ポン、ポン、ポポポポポン』


ようやく画面が真っ黒になりました。どうやら保存出来たようです。ゲームの始まりの音楽も聞こえてきました。そして、ダイヤは‥‥


あらあら、緊張がとけたのかダイヤもお姉ちゃんにピッタリお顔をつけて眠ってしまいました。


え、これじゃあダイヤがゲームをできるようになったのをお姉ちゃんがわからないって!


それはだいじょうぶ。お姉ちゃんが起きてゲームを見たときにちっちゃな爪が矢印のところに抜けて落ちていたんだって。途中だったゲームも保存されてたからお姉ちゃんはビックリ!思わずダイヤをダッコしてみんなにダイヤがゲームを保存してくれたことをお父さんにもお母さんにも、お兄ちゃん猫のコナンにもお話しして回ったんだって。


ダイヤもお手々を丸めてみんなに見せてたみたいだよ。


‥‥‥‥‥‥‥‥‥


そして、気になるのはダイヤの上達具合ですが、今はほら、


『スーイスィ、ピッピッ』


両方のお手々を使って自由自在です。


「ウニャーオン、ウニャーオン、ウニャニャニャン」


(だって毎日なごちゃんのお腹の上にダッコしてもらって二人いっしょにゲームしてるんだもん。ずるいよ!)


ダイヤが上手になったのを見てコナンはちょっとご機嫌ななめ。次はお兄ちゃんもダッコしてもらおうね。


2人じゃなくて3人でいっしょにあそぼう!


でもダイヤは最近新しい遊びに夢中!ボールをいつも転がしています。今度はボーリングに挑戦かな?











親バカならぬ猫バカの作品になってしまいました。でも、本当に彼らは可愛いんです!

なので、続きを書きたくて‥‥

ちなみに、登場したふたりは本当に仲良しです。コナンはあとから来たダイヤ(生後1ヶ月)の面倒を母親のように見てくれました。男の子なのにオッパイを吸われても嫌がらず、ダイヤがトイレをするとお尻とかを舐めてあげて、姿が見えなくなると捜しに行って‥‥

コナンにはいくら感謝しても足りないくらいです。

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