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黒の黄昏  作者: GB(那識あきら)
第二話  春の嵐
6/72

一 記憶

 

 

 

 それは、よく晴れた春の日のことだった。

 せんそう、というものがはじまった、と大人たちは言っていた。遠くの国から、こわい人たちがせめてくるんだ、と。

 でも、そう言いながらも、町もみんなもいつもどおりで、何がどう大変なのかおれにはさっぱり分からなかった。

 

 やがて、夏がすぎて秋が来た。

 みんな、せんそう、について忘れてしまったみたいだった。だれも何も言わなかったし、何も変わらなかったからだ。ただ、いつも夏のおわりに来るはずのニシン売りが、その年はとうとうやってこなかった。おまつりのごちそうはどうなるんだろう、とおれがきいたら、母さんは少しだけこまった顔をしていた。

 ある日、みんなで畑に出ていた時に、領主さまのお使いが馬にのってやってきた。そいつは、えらそうなたいどで、父さんの名前をよんだ。そして、父さんはそのままお使いといっしょに行ってしまった。

 

 父さんが出かけてしばらくぶりに、お使いがまた町にやって来た。前に見た時よりも、なんだかつかれているみたいだった。

 町の大人たちが、そいつによばれて教会にあつまった。朝になって母さんが帰ってきた時、母さんはとなりのシキをいっしょにつれて来た。おじさんとおばさんが帰ってくるまで、うちにいたらいいよ、と母さんがシキに言っていた。

 おじさんたちのほかに、教会の助祭さまも、お使いといっしょに行ってしまったらしかった。町はなんだか少しだけさびしくなった。小麦の種まきは、残った町のみんなでみんなの畑を手分けしてすることになった。畑おこしはとても大変だったけど、シキと一日中いっしょにあそべるのがうれしかった。

 

 それからまた何日かがたったある夕べ、教会にけが人がはこびこまれたと、みんながさわいでいた。

 シキとおれは、教会のまどの外で、大人たちが言い合っているのを聞いていた。

 北の庄がおちた、と司祭さまが言うと、みんな大さわぎをはじめた。城に知らせなければ、とだれかがさけぶと、母さんがみんなの前に出た。

「私が城まで行きましょう」

 肉屋のおばさんが、だめよ、と言った。

「あなた一人のからだじゃないんだから」

「でも、私なら、何かあったときに剣がつかえます」

 母さんがそう言うと、だれも何も言わなくなった。

 

 朝早く、おれとシキは、司祭さまといっしょに母さんを見送った。

 司祭さまは、父さんたちのことを「町のほまれだ」とおれたちに言った。

「たたかうすべをもたないわれわれには、ただいのることしかできない」

 司祭さまはそうつぶやいてから、とても悲しそうな目をした。

 

 その日の夜おそく、半鐘が鳴った。

 おれもシキも、おどろいて家からとびだした。

 東の空が、真っ赤だった。

 何がおこっているのか、おれにはぜんぜん分からなかった。たぶん、シキも分かっていなかったと思う。

「すごいなあ」

「きれいだね」

 おれたちは、そうやっていつまでも、もえるような空を見つめていた……。

 

 

    * * *

 

 

 十年前の晩秋、北方のワミル領を我がものとした帝国軍は、その勢いのままに南下、通り道にあたる町や村を摂取しながら一直線にサランへと攻め入ったという。イの町は、幸いにもその侵攻路から外れていたため、直接的な被害をこうむらずにすんだのだ。(もっと)も、徴集された十数人の剣士や術師は誰一人として帰ってはきやしなかったけれど。

 サランの城が落ちた翌日、訃報よりも早く帝国軍がイにやって来た。大人は勿論のこと、年端も行かぬ子供さえも、誰もが不安に怯えながら、息を潜めて各々の家に閉じ籠もっていた。

 サラン領主の庄は全て召し上げられ、新しい体制が整うまでの間、教会の司祭が帝国軍と住民の仲立ちをすることになった。税貢や耕地の分配、住民台帳の整備、などなど、人々は目まぐるしく変化する日常についていくだけで精一杯だった。戦で父を、夫を、子供を亡くしたという人々さえ、その死を嘆いている暇なぞどこにもなかった。二親をいちどきに失くしたレイとシキを除けば。

 天涯孤独の身となった彼らは、おのれ自身の手で生きていくにはまだ小さ過ぎた。帝国の歩兵によって家を取り壊され、両親の遺したなけなしの私財も取り上げられ、ただ身一つで茫然と立ち尽くす二人を、司祭様は教会に連れ帰ってくれた。教会の治療院の奥に部屋を与えられ、皆の善意に支えられて、二人はなんとか生きていくことができたのだ。

 

 

 その日、礼拝堂の掃除をしていたレイは、小さな影が戸口を横切ったのを見逃さなかった。汚れた雑巾をポイとバケツに投げ入れると、急いでそのあとを追う。

「シーキー! お前、治療院のそうじはどうしたんだよ!」

 レイの声にシキが眩い金の髪を揺らしながら振り返った。大きな動作で辺りを見まわすと、人差し指を口元に当てる。

「おわったよ」

「どこ行くんだよ」

 ふて腐れて腕組みをした拍子に、レイの蜂蜜色の短髪がふわりと風になびいた。

「お前、さいきん、昼めしの前にこそこそとどこに行ってるんだよ?」

「んー、んーと、……ないしょ」

「あ、そ。……司祭さまー! シキの奴が、またどこかに……」

 手を口に添えて大声を上げ始めたレイに、シキが必死の形相で追い縋ってきた。

「教える! 教えるから、しずかにして、レイ!」

 肩を落とすシキとは対照的に、レイは満足そうに胸を張った。作戦成功。顔がにやけそうになるのを押し殺しつつ、シキに問いかける。

「で? どこ行くつもりだったんだ?」

「……森。東の森」

 その言葉に、レイは目を丸くして絶句した。

「って、しばらくは町から出ちゃいけないって、司祭さまが言ってたじゃないか」

「だって、とってもすてきなものを見つけたんだよ……」

「すてきなもの? 何だ、それ」

 そんな思わせぶりな台詞を吐かれたら、誰だって気になってしまうに決まっている。

「もう少しないしょにしておくつもりだったんだけど……、ちょうどいいや。とくべつにレイだけに教えてあげる」

 にっこりと花ほころぶ笑顔に、レイの心臓がどきりと大きく脈を打った。特別に、との言葉が、更に彼を舞い上がらせる。

「……しかたがないなあ。昼めしまでに帰ってこられるなら、とくべつについていってやってもいいぜ」

 

 二人は、こっそりと教会を抜け出した。

 昼なお暗い森の中へと、二つの小さな人影が消えていく……。

 

「ほら! びっくりした?」

 薄闇に浮かび上がる、シキの得意そうな表情。だが、その瞳からは今にも涙がこぼれそうだった。

「本当だ。…………に、そっくりだ」

 そう応えるレイの胸にも、熱いものが込み上げてくる。懐かしくて、悲しくて、声を上げて泣き出してしまいたくなる。

 

 ふと、重い、金属のぶつかり合うような音が向こうから響いてきた。

 二人は暗闇の中、音のするほうをじっと見つめた。

 

 良くないものが、近づいてくる。

 レイは知らずシキを庇うように身構えた。

 

 怖い。

 恐ろしい。

 この続きは見たくない。

 

 忌まわしい記憶が、閃光のように、闇を切り裂いて、刹那閃いては消えてゆく。

 

 明かりを反射する銀色の刃。

 小さな影が目の前で崩れ落ちる。

 じわり、と地面に広がる鮮血。

 そして血塗られた切っ先が――

 

 

 声にならない叫び声を上げて、レイは飛び起きた。まだそんなに暑い季節でもないのに、全身がぐっしょりと汗をかいている。全力疾走のあとのように息がなかなか収まらず、レイは何度も肩を大きく上下させた。

「――夢か」

 声に出すことで、気持ちがようやく落ち着きを取り戻してきた。

 数度大きく息をついてから、レイはゆっくりと辺りを見まわした。窓にかけられた鎧戸の隙間から、幾筋もの光が薄暗い部屋の中に差し込んでいる。自室とは違う広々とした空間に、レイは面食らってまばたきを繰り返した。

 自分が居間の長椅子に起き上がっていることを認識すると同時に、両手首の傷がずきずきと痛み出した。荒縄によって無残に刻まれた痕が、昨日の出来事を一気に呼び起こす。

 ダンが自分ではなくシキに報復しようとするであろうことは、想像に難くなかった。

 サランの警備隊がおのれの巣へと戻っていったのち、案の定ダンはフリア家のお屋敷からこそこそと現れた。シキがサランに行っていることを耳にしたのだろう、彼は下品な情熱をその眼に湛えて、街道を東へと進んでいく。気づかれないように、見失わないように、慎重にレイはそのあとを追い続けた。

 シキを無事奪還できたものの、彼女は家に着くまで一度も目を覚まさなかった。夜間行軍で相当疲れていたのだろうと思いつつも、もしも夜までこのままだったら癒やし手を呼ぼうと、そう居間の向かいの椅子でじっと彼女を見守っていた……はずだったのだが……。

 何時の間に寝てしまったのだろうか。シキの姿は長椅子には無い。窓の鎧戸を閉めたのが彼女だとすると、遅くとも夜のうちに彼女は目を覚ましたということになる。

 ――良かった。無事だったんだな。

 ふう、と安堵の溜め息を漏らした瞬間、レイの脳裏に眩い銀色の光が閃いた。

 

 闇を一閃する刃。

 崩れ落ちる身体。

 悲鳴。

 絶望。

 そして、耐え難いほどの痛み……。

 

 レイは神妙な顔で立ち上がると、深呼吸をした。

 十年前のあの日。あの時の記憶が自分達には欠けている。

 シキと二人でどこかへ出かけ、次の朝に町外れで発見された時には、二人とも頭髪が真っ黒に染まっていた。光すら呑み込む、無限の暗黒を纏うかのように。

 ――俺達は森へ……行ったのか?

 それはまさしく「漆黒」としか言い表せない髪であった。まるで闇に染まったかのようだ、と司祭が言ったのをレイは良く憶えている。墨でも鳶でも鴉羽でもない、異質な色のこの髪は、さんさんと降り注ぐ太陽の光すら映すことはなかった。東の砂漠の更に向こう、この世界のどこか遠くに黒髪の民の国がある、という話も聞かないでもないが、それでもきっと自分の髪は彼らとは違う()()であるに違いない、そうレイは確信していた。

 何かに呪われているわけではないようだと司祭が言いきってくれたお蔭で、レイ達は町を追われずにすんだ。最初のうちこそ奇異な目で見られはしたが、そのうちに皆見慣れたのか何も言わなくなった。むしろ、先生が自分達を引き取ってくれたのがこの髪のせいなのだとしたら、幸運の色と言うべきなのかもしれない。

 大きく伸びをしてから、レイは窓の鎧戸を開けた。辺りに満ち溢れる陽光に、思わず目を細める。

 ――何か……思い出しかけたんだがな……。

 あの時、シキはどこへ自分を誘ったのか。そして何が起こったのか。

 指の間からこぼれ落ちていく砂粒のように、先ほど見ていた夢の映像が消えていく。

「くそっ」

 軽く毒づいてから、レイは部屋を出た。

 

 

 

 微かに聞こえてくる教会の鐘の音が、昼前の刻を告げる。

 廊下の窓の向こう、風に揺れる洗濯物を眺めながらレイは肩を落とした。確か今日の当番は自分だった。厩の掃除も、畑の水遣りも、シキのことだからきっともうとっくに終えてしまっているはずだ。

 煩いお小言を覚悟しながら、すきっ腹を抱えてレイが食堂の扉を開けると、無人の部屋が彼を迎えた。パンと豆のスープの匂いが微かに辺りに漂っている。食卓の上を見れば、鍋と布巾のかかった籠。

 ――シキは、昨日の出来事をどう考えたのだろうか。

 調理台の前に立つシキをぼんやりと思い浮かべながら、レイは胸の中で呟いた。彼女は、この朝食をどんなふうに作っていたのだろうか。普段どおりに楽しげに鼻歌を歌いながら? それとも、ダンやレイへの怒りに震えつつも義務感から渋々……?

 シキはとりわけ料理が上手というわけではなかったが、いつも楽しそうに調理台に向かっていた。横に立つこちらのほうが思わず照れてしまうほどに。家の外で見せる、冷たささえ感じさせる余所行きの顔とは違って、そこには昔と変わらぬ屈託のない笑顔があった。

 ――もう、一年か……。

 当番制に変えて以来、レイがシキの隣で料理を手伝うことはなかったが、その記憶は一年たった今でさえ僅かたりともくすんではいない。

 レイは意を決したように口元を引き結んだ。腹の虫を鎮めるべくパンをひとかけら口に放り込んでから、彼はシキの姿を求めて食堂をあとにした。

 

 

 レイが図書室の扉を開けると、正面の窓辺の机上にシキの筆記用具が展開しているのが見えた。レイは静かに扉を閉めて、部屋の中へと歩みを進める。

 通路の両側には、背の高い本棚がずらりと立ち並んでいた。奥には窓が三つ並んでいるが、北向きのために部屋全体の印象は暗い。

 シキの姿は窓辺には無かった。東西の壁に平行に本棚が幾つも並んでいる、その合間のどこかにいるのだろう。配架内容を思い出しながら、レイは右奥二番目の角を覗いてみた。

 奥のほうに、本を立ち読みしているシキがいた。

 こちらに半ば背を向けるような姿勢で、左手で分厚い本を持ち、右手で顎の辺りを押さえている。いつもの、彼女の考える時の癖だった。時折頬を撫でるように動く指がやけに艶めかしくて、レイはしばらくの間、まばたきも忘れてその場に立ちすくんでいた。

「あ、レイ、お早う」

 ようやっとこちらに気づいたシキが、レイの手振りに挨拶を返した。それから彼女は躊躇うように視線をしばし彷徨わせて、そうしておずおずと言葉を継いだ。

「もしかして、昨日……私、誰かに……」

「あの馬鹿の往生際の悪さは半端じゃないからな」

 レイの言葉を受けて、シキが自分の後頭部を大事そうにさすった。軽く顔をしかめるところを見れば、どうやらまだ少し痛むらしい。

「レイが助けてくれたんだよね」

「ん、ああ、まあ、……行きがかり上というか、成り行きというか」

 反射的にそう答えてから、レイは心の中で頭を抱えた。別に恩を売るつもりはなかったけれど、この返答ではシキに呆れられても仕方がない。

「……ありがとう」

 予想外に柔らかい声が返ってきて、レイは驚いてシキを見つめた。嫌味も何もない、心からの笑顔がレイを暖かく包み込む。

 レイは知らず息を呑んだ。

 いつの頃からだろうか。レイがシキを「女」として意識するようになったのは。

 のどかで平和な学校生活を終え、各々がそれぞれの道を歩き始めた時から、シキの様子は一変した。鋭い眼差し、硬く結ばれた口元、そして性別を隠すかのような襟元の詰まった衣服。それらは、完全な男社会である魔術の道を往くための、彼女なりの手立てだったのだろう。

 そんなシキも、家ではその鎧を脱いでいた。子供の頃から変わらない優しい眼差し、外の男どもは誰も知らない甘い笑顔。それは一部の者にだけ許された特権であり、レイの独占欲を充分に刺激した。

 そして、隠されれば隠されるほど、妄想は募るのだ。

 袖口から覗く白い腕。黒髪に映えるうなじ。組み手の時の柔らかな感触。術をかける時の官能的な指の動き。全てがレイの心をざわめかせた。

 ――シキが欲しい。俺だけのものにしたい。

 レイの内部で情熱が性に結びつくまで、さほど時間はかからなかった。伝えられない想いを抱え、何度想像の中でシキを貪ったか。

 

 ふと、シキの眉が微かに曇った。レイから何も反応がないことに当惑しているのだろう。やがて、彼女は小さく溜め息をついてから、ゆっくりと再び本棚に向かった。

 レイの(まなこ)に、無防備な背中が大写しになる。

 生唾を飲み込む音が、レイの喉を震わせる……。

 

 静寂は突然破られた。

 シキが持っていた本が、音を立てて落下する。入り乱れる二人分の靴音に、重たいものが本棚にぶつかる音がかぶる。

「れ、レイ、何をす……」

 シキの抗議の声を、レイは無理矢理封じ込めた。

 唇に触れた柔らかい感触に、レイの血潮はますますたぎり始める。彼は問答無用でシキの肩を棚に押しつけ、なおも深く口づけを貪った。

 レイの脳裏に、ダンのいやらしい顔が浮かび上がる。

 あの隠れ家で、また森の中で、ダンがシキに何をするつもりだったのかなど、わざわざ考えるまでもない。勝ち誇ったようなダンの表情を思い出し、レイは歯を食いしばった。あの時、縄の食い込む手首なんかよりも、胸の奥底のほうがずっと痛かった。少し離れた所にぐったりと倒れるシキを見るたびに、レイは抑えきれない憤怒と、もう一つ、嫉妬にも似た感情に身を焦がされる思いだった。

 

 唐突に、昨日の映像が夢の光景と重なった。

 地に倒れ伏すシキ。

 血にまみれて、ぴくりとも動かない、小さな身体……!

 

 短く鋭く息を吐き出すと同時に、レイは我に返った。視線の先で、緑の瞳が今にもこぼれそうな雫を湛えてこちらを見据えている。

 レイが茫然と身を起こすと、シキはすっかりはだけさせられたシャツの前を両手でかき合わせながら、彼を睨みつけた。

「女だったら誰でもいい、って言うわけ? 馬鹿にしないで」

 シキの頬を、一筋の涙がつたっていった。

「そんなんじゃない。……ずっと前から、俺はお前のことが」

「じゃあ、カレンさんと楽しそうにしてたのは、何なの!」

 シキのほうへ差し伸べようとしたレイの右手がピクリと止まった。そのまま拳を一瞬だけ握り締め……、力無くぱたりと身体の横に落ちる。

「シキ、お前、俺のこと……嫌いか?」

「分からない」

 ゆるりと顔を振って、シキが視線を伏せた。

「ついこの間までは、レイのこと、好きだったと思う。レイとずっと一緒にいたいと思ってた。でも、今は分からない。もう、何がなんだか、さっぱり分からない」

 そう言い放って俯くシキに、レイは再度そっと手を伸ばした。伸ばそうとした。

 手が触れる直前に、シキは踵を返した。そして、レイの傍らをすり抜けて走り去ってしまった。

 

 

 


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