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逃げ
ギルティアは仲間の攻撃から逃げきった。
このままの姿では戻っても殺されるだけ、そう思ったギルティアは人間の姿になるために母の元へ戻ることにした。
(私は空が飛べたんだな)
今ギルティアは漆黒の翼を羽ばたかせ空を凄いスピードで飛んでいる。
このまま行けば数分で村へ着く。
ギルティアは自分の魔族としての能力がどれほどあるのか全く分かっていない。
空を飛んだのだってジェインの攻撃を必死で避けていたら飛んでいたのだ。
だからこそ自分が怖い、ギルティアは力を封印されていた時でさえ勇者との剣の稽古などは手加減していた。
今人間と戦ったらあの子達みたいに殺してしまう・・・
ギルティアは自らの手で殺した弟達のことを考えるといたたまれなくなった。
考えているうちに村に着いた、こっそりバレないように細心の注意をはらって母の家にたどり着いた。
「ただいまお母さん、大変なんだ助けて」
”バン バン バン ”
銃声が鳴り響く