制御不能
「そうだ・・・そうだった私は人間じゃなかったんだった」
ギルティアは泣きそうな声で呟いた。
認めたくなかった、だから忘れようとしていた自分が魔族だということを・・・
認めたら心まで魔族になってしまう、でも私はやってしまった我を忘れて暴れてしまった。
自分で自分の力を制御できなかった、そればかりか暴れている間の記憶さえない。
もしかしたらアレン達もこの魔王の息子達みたいに殺してしまったのではないかそう考えてしまうと自分が怖くなった。
(大丈夫皆は生きているはずだ、大丈夫)
ギルティアはそう自分に言い聞かせた。
「どちらにせよもう皆の所には戻れないな・・・」
ギルティアは血だまりに写る自分を見、そう呟いた。
"ドスッ”
いきなり背後からの攻撃でギルティアは地面に膝をついた。
「なっ……何を!!」
ギルティアは振り返った。
「ギルティアを返せ!」
アレン達だった、ボロボロになりながらも剣を構えている。
「そうよ返してよあんなゴリラでも私たちには必要なんだから、返してよ!!」
リリーは泣きながら叫んだ。
「ギルティアを返してください」
ジェインもすごい剣幕で言った。
(良かった皆生きてたんだ)
ギルティアにホッと息をつく暇などアレン達は与え無かった、次々と攻撃していく。
ギルティアはその場から逃げ出すことしか出来なかった。