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村人からの歓迎?

お久しぶりです。これからはこの作品をどんどん進めて行きます

「魔族には死を! 」


「半分でも許されない」


「魔族には死を! 」


集合場所には小さな頃から顔見知りの村人達は皆口々にそう叫びジェインに襲いかかった。

ジェインを最初に斬りつけた村人は昔からジェインの面倒を良く見ていたナタリーおばさんだった。


ジェインは思いがけないその行動に面食らい素早く動けなかったためナタリーや他の村人の攻撃をまともに喰らう事となった。


「っく、おばさん達一体何を…」


ジェインは苦しげにそう呟く。


「魔族は全て殺さないと行けないのよ」


「お前達親子は長年私達を欺いてきた。殺さなければ」


ナタリー達はそういうや否や再び襲いかかって来た。今度の攻撃は回避するが村人に再び囲まれる形となったジェインはどうする事も出来ない。

その光景に驚き只々見ていただけのアレンが慌てた様子で口を開いた。


「おばさん! それにおじさん! 一体どうしたんだよ」


アレンのその言葉にナタリーは怒りで歪んだ顔で答えた。


「このこは魔族なのよ。魔族は殺さなくては行けないわ。私達はこの魔族に騙されていたのよ」


「魔族? ジェインがですか。そんな筈無いですよ」


ナタリーの言葉にアレンは何を馬鹿な事を言っているんだと言いたげな表情でナタリーを見、


「な、ジェイン。ジェインからも言ってやれよ」


と言うが、正直者のジェインはすぐに僕は魔族でもなんもないだなんて言えなかった。



「おい、ジェインなんで黙るんだ? 」


焦った様子でアレンは再びジェインに問いかけるがジェインは口を閉ざし中々開こうとしなかった。


「リリー、リリーからも言ってくれないか」


黙るジェインの代わりにリリーに答えてもらおうとしたが。


「アレン様その事に関しては私が言う事は何も無いわ」


普段のアレンに甘えるようなホワッとした表情や雰囲気はどこに行ったのか真剣な口調真剣な表情のリリーにアレンはそれ以上何も言えなかった。


同様にギルティアにも答えてもらおうとしたがギルティアもジェインの様に口を固く閉ざし開く気配がない。その仲間の様子にアレンは



「もしかして、本当に魔族なのか? 」


ジェインに問いかける。


「いえ、魔族ではないですよ」


ジェインのその言葉にアレンは安堵しかけたが、


「僕は半魔族ですから。魔族ではないですよ」


ジェインのその言葉にアレンは驚きリリーやギルティアの方を見た。


「もしかして僕だけが知らなかったのか?僕だけが…」


リリーやギルティアを見てショックを受けた様子でアレンは呟いた。


「みんなで僕を騙して…」


「ちょっと待て、それだとジェインが半魔族だと言う事が悪い事の様に聞こえるんだが?」


ギルティアは信じられないといった様子でアレンに言った。


「そうではないのか、魔族は僕たちの敵だ魔族を倒す為に旅をしてきたのではないのか?」


アレンの言葉に、


「だったら何故アーシェを見逃そうとしたんだ!魔王の娘だぞ」


「アーシェは人間に危害を加えようとしていなかったし…」


しろどもどろになり言い訳を探し始めたアレンにギルティアはとどめを刺す。


「ジェインだって危害を加えようとしていないそれどころか魔王を倒す旅に仲間として出ているのではないのか?お前は仲間を信じられないのか、旅の前のあの約束は何だったんだ」


「ごめんギルティア。僕はなんて事を…」


アレンは顔色が真っ青になりギルティアに謝る。


「私に謝るのは違うのではないか?」


とギルティアの言葉に、


「…ジェインごめん。気が済むのなら殴ってくれても構わないから」


「いや、良いよ黙ってた僕が悪いんだ」


「あんた達そんなところでイチャイチャしてる場合なの!」


リリーはもうすっかりぶりっ子の仮面を付けるのを止めた。


「何故、ジェインが半魔族だと言う事おばさん達が知ってるかは分からないけど、おばさん達はジェインにお前達親子だと言ったのよ。ジェイン、あんたネイおばさんは今何処に居るか分かる?」


ジェインは、一気に顔から血の気が引き駆け出そうとした。


「ちょっと待て」


ジェインはギルティアの呼びかけに


「家には母さんは居なかったんだ。僕はいつもの様に隣町でも行ってしばらく帰ってこないのかと思っていたけど…」


なおも駆け出そうとしたジェインをギルティアは力づくで止めた。


「ネイおばさんなら無事だ」


「えっ?」


ギルティアの言葉にジェインは足を止めた。


「考えてみろ、私達がこの村に戻って結構経つのにナタリーおばさん達は何もしてこなかったじゃないか」


「確かに私も家に戻ったけど特に変わった様子はなかったわ」


とリリーは呟いた。


「確かに、今思えば僕の父さんは、なんかいつもよりテンション高かった。でもいつも高いから気づかなかった」


アレンは父親の様子を思い出しているのか少し呆れている表情をした。


「多分おばさんたちは何か隠しているのではないか」


「そんなあれこれ考えても始まらないわよ。知りたかったら力づくでもおばさん達に吐かせたらいいじゃない」


昔なじみでも容赦ないこの発言にアレン達はリリーに恐怖を感じた。



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