唄と踊り
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
この作品は基本遅いですが見てやってください。
儀式が始まって一番驚いていたのはアレンだった。
周りがウットリと眺める中アレンは呆然と立ち尽くしていた、ギルティアの歌や踊りには観客の誰もが心を奪われた。
ギルティアが歌えば動物が集りギルティアが踊れば聖力が周囲に満たされる。
ギルティアは10分程踊り歌い続けていたが歌が終わり舞台から立ち去るその様子に観客からは残念そうなため息が聞こえた。
「やっぱりギルティア様は聖女様だよ。間違いないこの力は聖女様の物だもの」
アレン達の隣に居たカップルの女の方が確信した様に言った・
「でもさ、聖女様は既に居るだろう。聖女は世界には二人も居ないのは常識だろう。だから違うんだよきっと」
カップルの男の方が女の方を諭す様に言った。
「だったらどうして聖女様みたいな事…いいえ、聖女様以上の事が出来るのよ」
ギルティアの歌を聴くまではこのカップルの言っている意味が理解出来なかったが唄を聴いた今のアレンは、
(なるほど、そう言う事かでも何故僕たちでさえ知らなかった事がこの物人達は知っているんだ?)
と心の中で思ったが口には出さない様にした。
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「…………」
「あのさ、ギルティア」
アレンがギルティアに話しかける。
「………」
「だから、ごめんって謝っているじゃない」
リリーが怒った様子で話しかけたがギルティアは何も言わない。
「ギルティアしょうがないじゃないですか、それほどギルティアの唄や踊りを見たかったのですよ」
ジェインがギルティアをなだめる様に言ったが、
「…見ないって言ったじゃないか」
ギルティアは叫んだ。
「別にいいじゃない。盛り上がってわ」
「そうなのですぅ。すごく、すご〜く良かったですぅ」
ビビとロロが口々に言っていたが、ギルティアのひとにらみで静かになった。
「いいじゃない、凄く上手で…それに奇麗だったわよ。くやしいけど」
リリーは口ではこう言ってはいたが表情は悔しいというより羨ましそうな表情をしていた。
「そうですよ、まるで聖女様の様でした。どういう訳か聖力が出ていましたし…どういう事ですか?」
ジェインは不思議そうにギルティアに訪ねた。
「……知らん。昔から唄ったり踊ったらああなるのだ」
ギルティアは拗ねた様に言う。
「その事なんだけど少し良いかな」
アレンは儀式の最中のあのカップルの言葉をみんなに伝えた。
「確かにおかしいですね。っは、もしかしていきなりギルティアが儀式で踊る事になったのと関係があるのでは」
ジェインのこの意見に、
「確かにそうかもしれないわね。ねえあんた、頻繁に唄ったり踊ったりするの?」
リリーがギルティアに聞くが、ギルティアは首を横に振り言った。
「正直な所私はこのたびが始まって唄ったり踊ったのはこの前ビビとロロに見せた時だけでそれ意外ではやった事など無いのだ。だから何故そんな事になっているのか理解が出来ん」
「でも実際に僕はこの耳で聞いた話だし…」
アレンは困った様に考え込んでいたが、
「よし、ここでうだうだ考え込んでも仕方が無い。ギルティアに踊る様に依頼した神父なら分かるだろうから神父にどういう訳か聞いてみよう」
アレンのその言葉でみんなは神父の所に向かう事にした。