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同じ症状

ギルティアはジェインを宿屋のベットに運びこむと同時に倒れた。遠くでジェインの叫び声が聞こえたがその声に答える事が出来ないそれほどまでに疲弊していた。

ギルティアが次に目を覚ましたのは翌日の朝になってからだった。目を覚ますと隣のベッドでジェインが寝ている。

ギルティアのベットとジェインのベットの間に宿屋の女将が座っていた。


「あらまあ。良かったわ目が覚めたのね」


女将は安心した様にほっとした様子で言った。


「私は一体…」


「あらあなた倒れたのよ。そして元々体調不良の彼とまとめて面倒を見ているのよ」


「ありがとうございます」


ギルティアはベッドの上から申し訳なさそうに頭を下げる。


「良いのよその分料金はたっぷり頂くから」


女将は豊満な胸を強調させる様に胸を張って言う、まだ若く美しいこの女性が何故ここで女将をしているのか分からない物だなと思いつつギルティアは頷いた。


「あらやだ冗談よ。冗談。本気にしないで料金は通常通りよ」


「いやそれは悪いです。二人も看病して頂いたのですから。迷惑を掛けてしまいすみません」


「だから良いのよ気にしないでそんな事よりあなた良く今まで生きていられたわね」


女将の言葉にギルティアは目を見開いた。


「何故その…」


「私こう見えても昔は名の通った白魔術師だったのよ。その私の経験から考えてこのままだと1年も持たないわ」


「そうですか…」


ギルティアは事実を受け止め後1年いやもっと早くなるかもしれない自分の死期の前に自分に何が出来るか考え始める。


「ごめんなさい、治してあげたいのだけど私には何故なのか原因が分からないわ。隣の彼もあなたよりずいぶんと軽いけれど同じ症状ね。命そのものが無くなっていっているこんな病気は聞いた事無いわ」


ギルティアは原因が何なのか言うべきか迷ったが言わないでいた。詳しい事を言ってしまうと自分が魔の一族だという事がばれてしまう。

幸いにもまだ二人が魔の一族だと女将は気づいていない気づかれてしまうとアレン達に迷惑をかけてしまう。

とりあえず聖剣が離れている今回復する事はあってもこれ以上症状が悪化する事は無い、そう考えたギルティアは女将にこれ以上の看病は不要なので仕事に戻って欲しいと頼んだ。


女将は最初こそは断り心配そうな目で私達を見比べていたがギルティアの強い意志に押され渋々と引き下がって行った。


「何かあったら呼ぶのよすぐに駆けつけるから」


女将はそう言うと扉をバタリと閉めて戻って行った。


「ジェイン起きているのだろう、寝たふりをするのはよせ」


「気づいていましたか……」


ジェインは申し訳なさそうにベットから起き上がった。


「………」


「………」


しばらく会話が無く二人の間に沈黙が流れる。

一番最初に言葉を発したのはジェインだった。


「僕と同じ症状と女将さんはギルティアに言いましたね。て言う事はもしかしたら君は…」


「残念ながらそれは少し違うな」


ギルティアはジェインの言葉を遮り言った。


「ジェインが言いたいのはおそらく君も僕と同じ半魔族なのではないかと言った所だろう」


「えっ!?知っていたのですか」


ギルティアの言葉にジェインは驚いた様子だった、どうやら気づかれている事に全く気づいていなかったらしい。


「やっぱり私の事を気づいていなかったのか…」


「半魔族でもなく、気づいていなかったってことはギルティアはまさか」


「ああそのまさかだよ。私は魔の一族だ。残念ながら純血だよ」


ギルティアはやっぱり魔王族だと言う事は言えなかったなと心の中で呟いた。




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