鈍感勇者
マリアはギルティアの最上級魔族としての力に強力な封印魔法をかけた。
封印には強力な魔力を有したため封印後、マリアは白魔導師としての力を使い果たしてしまい現在魔法は使えなくなった。
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___現在___
「ギルティア~待ってくれ!」
アレンはギルティアの後を追ってきた。
「何だ? 稽古は私の勝ちで終わったはずだろ、アレンはリリーの所にでもいけばいいだろ」
ギルティアはぶっきらぼうに言った。
「何故リリーの所に行かないといけないんだ?
僕はギルティアに用事があるのに」
アレンは不思議そうに言った。
(駄目だ駄目だ!喜んだりしてはいけない)
とギルティアは思わずにやけている自分の頬をぺちぺちと叩きながら自分に言い聞かせた。
「ギルティア聞いてる?」
「すまない。聞いてなかった悪いがもう一度言ってくれるか?」
ギルティアは気を取り直していつもと同じようにアレンに接した。
「だから、一緒に来てと言ったんだ。」
そう言ってアレンはギルティアの手首をつかみ連れていった。
ギルティアはアレンに自分たちの生まれ育った村、カルバディンの村長の家に連れて行かれた。
ギルティアはアレンに手首を握られた事で、別の世界に暫く旅立っていたようだが無事生還したようだ。
「なっ、何をしようとしているんだ」
ギルティアはアレンの手をふりほどき言った。
「何って魔王討伐の会議に決まっているだろ」
アレンは真剣な表情で答えた。
「僕たちはこれからお父さんたちでも成し遂げられなかった魔王討伐をするんだよ。」
「そうだったな悪かったさあ早速会議をはじめよう」
ギルティアはぶっきらぼうに言い、そそくさと村長宅に入って行った。
「なんでいきなり不機嫌になったんだ?」
鈍感な勇者アレンは不思議そうに独りつぶやいた。