止まらない想い
「で、マークは何が出来るんだ?」
ギルティアは気を取り直しアーシェに聞く。
「このこはね、凄いよ欲しい情報とか直ぐに手に入れてくれるの」
「ああ、情報屋か」
「まあ、そんなところだ!」
マークは誇らしげに胸を張る。
「じゃあ、私たちがこれから何をするのか何をすべきなのか、作戦会議をしましょう」
アーシェは目を爛々とさせ言った。
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「とりあえず、話は纏まったわね」
作戦はこうだ、アーシェが魔族や魔王族の中でゼムに嫌気がさしている連中に声をかける。
マークは街や村に紛れている魔族、半魔族に声をかける。
街に紛れている魔族はゼムから逃げたもの達が多い、そのもの達が人間と結ばれ半魔族が生まれた。
この者達は肩身が狭い生活を強いられている。
ゼムから逃げたからといっても弱いとは限らないし弱くても魔族だ。集まれば結構な力になる。
実際に動くのはアーシェとマークだけなのだが。
ギルティアはこのまま何もせず旅を続けるということに概ね決まった。
「じゃあ、私は忙しいからそろそろ行くね」
そう言うとアーシェは消えた。
「じゃあ、ギル姉ちゃん行こ」
マークはアーシェの手を取り歩きだした。
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アレン達は心配になりギルティアの気配のする方に歩を進めていた。
「どこに行ったのかしら、まさか本当に殺していたりして・・・」
「そそそそそ、そんなはずないででですろ」
ジェインはリリーの言葉に分かりやすいぐらいに動揺する。
「はははははは、そんなの冗談に決まってんじゃん、なに動揺してるのよ。もしかして仲間を信じられないの?」
リリーはジェインを軽く睨みつけた。
「そそそ、そんなの信用しているに決まっているじゃないですかぼぼぼぼ、僕は何があっても仲間を裏切るような、疑るような真似はしないですよ」
ジェインは必死になって言う。
「あ、来た来た」
そんなジェインを余所にリリーはギルティア達に気づいた。
「ん?なんか仲良くなってるわよ手つないでるし」
「本当ですね、あんなにギルさんを嫌っていたのに懐いていますよ」
リリーの言葉にジェインが反応する。
「・・・・・いいなぁ」
アレンはボソッと呟いた。
「え?」
リリーはその言葉を聞いたからかアレンの方を見た。
アレンはその視線に気づき自分が無意識に呟いてしまった言葉に焦る。
「いや、あんなに嫌われて居たのに懐かれていいなと思ったんだ」
アレンは言い訳をしたが勿論そんな理由ではない、純粋にギルティアと手を繋ぐことが羨ましかったからである。
アレンはギルティアの事を好きだと自覚してからは気持ちを抑えることが出来なくなっていた。