信頼
今回は長めです!
”ドン”
ギルティアはアレンをそっと抱き返した後、我に返りアレンを突き飛ばした。
ギルティアの顔は真っ赤に染まる、アレンもギルティアに突き飛ばされ我に返り同じように真っ赤になっていた。
「すすすすすまないつい」
アレンはそう言うと慌ててギルティアから離れた。
「・・・・・いや、私も勝手な事をしてすまなかった。あとその・・・ありがとうさっきの言葉嬉しかった」
ギルティアは恥ずかしいのかアレンに目を合わせようとしない。
「でもさギルティア、僕は確かに何があってもギルティアを嫌いになったりしないけどそれとこれとは別だよ」
そう言ったアレンは表情こそは笑顔だが怒りのオーラを放っていた。
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「なんでよ~なんで殺しちゃったのお姉ちゃんを帰せよ」
村の子供たちは憎しみを込めた眼差しをアレンたちに向けた中には石を投げた子供もいた。
アレンは約3時間ばかりギルティアに説教した後リリー達を呼んだ、アーシェの死体を見たリリーはギルティアに詰め寄ろうとしたが正座の姿勢のままピクリとも動かないギルティアを見てすべてを察したのか何も言わなかった。
翌日村人達にアーシェを殺したことを伝えた、アーシェの死体はギルティアにとっては幸いなことに魔族の姿になっていたので村の大人達には理解させることができたがアーシェと仲がよかった村の子供達には無理だった。
「お姉ちゃんは魔族じゃない、それなのにお前達は殺した。お前達は勇者じゃないお前達が魔族だ!」
子供達の中でもリーダー格の子供がほかの子供達より一歩前にでてアレン達に言った。
その少年の言葉に他の子供達はそうだそうだと叫ぶ。
アレンは子供達に近寄り謝ろうとしたがギルティアはそれを手で制した。
「私に任せてくれ」
そう言うなりギルティアは少年の首根っこを掴みどこかに連れて行こうとする。
「ギルティア!」
アレンが心配そうな顔で言った。
「大丈夫だ、こいつはただのガキだ殺さない」
「だったら何処につれていくのよ」
リリーが口を挟む。
「こういう奴は仲間が居れば意地を張って強気になるんだ、だから仲間から離してやるその方が話が進む。その際こちらも一人にならないと意味ない、こちらが複数だとこいつを怖がらせて余計に話にならない。だから連れていく」
「だったら、僕が行きます」
今度はジョインが言った。
「そんなに私が信用できないか、ま、そうだよな実際どんな理由があったとしても殺してしまったことには代わりがないから・・・」
「そんなことない!あんたがなんの理由もなしに殺しなんてしないだからあんたを信じる」
意外なことにギルティアをかばったのはリリーだった。
「リリー・・・・・ありがとう」
「でも、今回は任せるけど次何かあったら・・・分かっているわよね」
リリーはドスの効いた声で言った。
「・・・・ああ、任せてくれ」
そう言い残すと一瞬恐怖の表情を見せたギルティアは直ぐに元の無表情に戻し少年を連れて行った。
「何処に連れていくんだ!助けて~殺される」
「黙れ!」
ギルティアはキッと少年を睨みつけた。
「ぎゃぁぁぁぁ~殺される」
その様子を見たジェインは__
「本当に大丈夫ですかね?」
と一言、それに対しアレンとリリーは
「大丈夫だ・・・多分」
「大丈夫よ・・・多分」
綺麗にハモった。