人形
少しグロ注意です
「よし、あなたとの話はこれでおしまい。私にはやることがまだまだあるのよ、あなたが魔王になった事を皆に広めなきゃだしゼムの事やアン姉様の事もあるのとにかくやることがいっぱいあるから」
そう言うなりアーシェは懐からまた人型の物を取り出し床に投げるするとボンッと音なり煙で辺り一面真っ白になり何も見えなくなった。
だが、それも一瞬のことで直ぐに煙りがはれたかと思うとそこにはアーシェとそっくりな人が現れた。
「ななななななんあなななな・・・」
「このまま私が居なくなっちゃ村の子達が心配するわ」
アーシェは悲しそうな表情で言った。
「だから代わりにその人を村に居させるんだな」
ギルティアは納得したようでうんうんと頷く。
「違うわ・・・こうするのよっ!」
そう言うなりアーシェは隙をついてギルティアの剣を奪いそのままアーシェにそっくりな人を剣でぶっさした。
”ブシャァァァァァァァ”
という血が吹き出す音とともにそのアーシェにそっくりな人は血をまき散らしながら倒れた。
ゴトンと鈍い音がしピチャと血がはねた音もする、ギルティアが目を向けるとそこには血だまりに身体を沈めているアーシェにそっくりだった死体が転がっていた。
「・・・・・・」
ギルティアは何も言えずアーシェとアーシェにそっくりだった死体を交互に見ている。
「仕方ないのよ、この人形は人形でしかなのだから私の代わりができても数日ぐらいそれ以上はできないだから私は死んだことにした方が楽なの」
「でも、いやなんでもないそれよりこれはどうするのだ?」
ギルティアは何か言いたげにしていたが結局口には出さず話を変えた。
「何言ってるのよあなたが殺したことにするのよ」
アーシェの言葉にギルティアはまたもや言葉を失った。
「は?」
「は?じゃないわよ何とぼけているのここに今居るのはあなたと私しか居ないじゃないだったら殺したのはあなたになる当然のことでしょ。それにあなた達は聞いたところによると魔王の子供達を殺して回っているのでしょう?ちょうど良いじゃない」
アーシェは言い切った。
「アレン達は姉さんを殺さないと決めたんだぞそれを私が殺しては意味ないじゃないか」
「頭悪いわねぇ、だからこそじゃないの。魔王の娘を慈悲の心で殺すことを止めた勇者様一行。だけど勇者には旅にでる前にした約束があったその約束の一つが魔王の子供達を殺すこと勇者がした選択はこの約束を破ってしまう勇者達はそれでも良いと決めたがギルティアは納得できず勇者が去った後にアーシェを殺してしまう・・・どうこの筋書き?」
「やだ、アレンに嫌われる」
うっとりした表情で言ったアーシェの提案にギルティアは即答した。
その表情は幼い子供が駄々をこねたようだった。