リリーの考え
「さてと、それじゃあ私はもうそろそろ行くわ」
アーシェは大きく伸びをし立ち上がった。
「どこに行くのだ?」
「魔王城よ、お父様にあなたが生きていることを言わなくちゃ」
アーシェはギルティアの質問に何当然のことを言っているのかしらと言いたげな表情で答えた。
「え、生きているのか私の父親は・・・ゼムが魔王なのだろう?」
「確かに、今はゼムが魔王よ。だけどお父様はまだ生きているわ本当は次の魔王に力を与えて死ぬはずなのだけれどお父様はゼムが嫌いだから力を与えないのよ」
アーシェは説明した。
「だから、お父様にあなたが生きていることを伝えてあなたに魔王としての力を与えてもらうの」
「ななななにかて展開が早すぎて追いつけないのだが・・・・」
先ほどまでの威勢はどこに行ったのかギルティアは不安げに呟く。
「だから、私に任しなさいあなたを立派な魔王に仕立てあげるから」
アーシェは満面の笑みで言い切るや否やアーシェはその場から消えた。
「・・・・・・・別人じゃないのか」
アーシェのあまりの変わりようにギルティアは不思議そうに呟いた。
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一方そのころアレン達は宿屋に向かって歩を進めていた。
「ギルティアとアーシェを二人にしていて大丈夫なのか?」
アレンはリリーに不満げに質問する。
「良いのよ、アレン様メスゴリラはメスゴリラで何か考えがあるみたいですし任しちゃいましょう!」
リリーは満面の笑みで答える。
「でも、やっぱり心配なので戻ってみないですか?」
ジェインは眼鏡をクイッとあげつつ言った。
「戻っても仕方ないでしょ、そんなことより私はお腹が空いたの早く宿屋に行きましょうよ」
そう言うとリリーは二人の腕に自分の腕を絡ませ、強引に二人を連れていく。
(変に邪魔しない方がいいと思うのよね、任した方が良い気がするのよ。何となくだけど・・・)
リリーはそう思ったが口には出さなかった。