アーシェ
ノルトスについたが魔王の子供がいるようには思えなかった。
村人達は農作業に専念している様子でギルティア達には気づかない、村の子供達の無邪気な笑い声が聞こえる。
「やっぱり、何もないじゃない。魔王の子供なんかいないのよ! あ~無駄足だ」
リリーはジェインに冷たい目を向けながら言った。
「たしかな筋の情報なんです。間違いないはずなんですが」
ジェインは自信なさげに言った。
「せっかく此処まで来たんだ。村人達に話を聞こう」
ギルティアはそういい、皆もそれに従った。
「すいません、ここの村に魔王の子供が居ると聞いたのですが居るのですか?」
アレンは農作業をしている老人に話しかけた。
「なんじゃ、魔王の子供?この村にそんな物騒なものが有るはずないじゃろ」
老人は不思議そうな顔で答えた、他にも村人に聞いて回ったが誰一人魔王の子供がこの村に居るとは答えなかった。
「決まりだな、この村に魔王の5番目の子供はいない。今日は此処に泊まろう、明日の朝出発しよう」
アレンはそう言った。
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ギルティア達は宿屋で食事をし、明日何をするか話あっていた。
「本当だって見たんだ俺は!あの女は魔王の5番目の子供なんだ」
村の青年は必死で訴えている。
「そんなわけないだろ、アーシェさんは良い人だ魔王の娘なんかじゃない」
青年に向かって宿屋の主人は言った。
「本当なんだって見たんだこの目で」
そう言い少年は宿屋を出ていった。
「あの青年に話を聞こう」
アレンは言い、皆は青年を追いかけていった。
「待ってくれ!]
アレンは青年に声をかけた。
「なんだ?」
青年は不機嫌そうに言った。
「魔王の子供がこの村にいるといったね詳しい話を僕たちに聞かせてくれないか?」
「俺の話を信じてくれるのか?」
「はい、僕たちは魔王族を倒す旅に出ています。少しでも良いので魔王族に関する情報がほしい」
アレンは真剣な様子で言った。
「本当か?俺の話信じてくれるのか?」
「はい、僕たちはどんな情報でも欲しいのです」
青年はアレン達に魔王の子供の居場所を言った。
「頼む今はなにもしていないが何かしてからじゃ遅いんだ。何とかしてくれ!」
青年はそう言うと去っていった。
「なによ、案内しないで私達に任せるだけ」
リリーは小声でボソッと言った。
「良いじゃないですか、もし彼の言うことが本当だったら彼は足手まといですよ」
ジェインは皮肉めいて言った。
アレン達は青年に言われた場所に着いたが、首を傾げてしまった。
「幸せそうだけど・・・」
そこには笑い声があふれていた、赤い屋根の大きな一軒家そこの庭には子供達が集まり子供達の中心にはきれいな女性が子供の遊び相手をしている。
「あの青年嘘をついていたのかな?」
アレンは困った様子で呟いた。
だが、ギルティアは気づいていた、あの中心の優しげな微笑みを浮かべている女性が間違いなく魔王の5番目の子供だということに・・・