魔剣士ギルティア
私は勇者が好きだ。
誰にでも優しい所とか、頑張りやな所とか、直ぐにムキになる所とか、言い出すときりがない。
だけど、この思いは伝える事は多分一生ないし、誰にもしられる事もない。
私は勇者の仲間の魔剣士だ。勇者とは幼なじみで剣の腕は一緒に上げてきた、お互い信頼しあっている、勇者にとって親友みたいな物だ。
それ以上でもそれ以下でもない…
「ギルティア、剣の稽古に付き合ってくれてもいいか?」
勇者のアレンが言った。
「良いよでも手加減しないからな。」
ギルティアは挑戦的に言った。
「のぞむところだ!」
アレンは満面の笑みで答えた。
───
“キン カン キンキン”
辺りに剣の音が響いた。あれから直ぐに剣の稽古を二人は始めた。
二人の打ち合いは激しく、二人の稽古を見ている、他の仲間が早く終われよと野次を飛ばす程だ。
“キン──”
勝負は一瞬で決まった。ギルティアがアレンの剣はじき、アレンの剣が二人より1メートル先に突き刺さった。
「私の勝ちだなアレン」
ギルティアは剣の先をアレンに向けながら言った。
「くっ…次は僕が勝つ」
アレンは悔しそうに言った。
「このメスゴリラ~アレン様に何するのよ~」
割って入って来たのは白魔導師のリリーだった。
「誘ったのはアレンだ。」
ギルティアはそうリリーに言いその場から離れた。
ギルティアは離れる際にチラリとアレンの方を見るとリリーが回復魔法をアレンにかけている。アレンはリリーに礼を言い二人は楽しそうに笑いあっている。
“ズキッ”
ギルティアは胸の奥に痛みが走った。
(駄目駄目だ!好きになったら駄目なんだ。)
そうギルティアは自分に言い聞かせる。
だが、この胸の痛みは消えない…ズキズキと痛む。
ギルティアは幼い頃から秘密にしている事があった。
それは誰にも知られてはいけない事、特にアレンには知られたくない事だった。
(私は魔王の娘なんだ。私はその気はなくてもアレンや皆にとっては…)
──テ キ ナ ン ダ──