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東京影譚 ~エミリア、影を紡ぐ者~  作者: ミルティア


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影の女王の逆鱗 其四

この物語はフィクションです。

この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。


ようこそ、東京の影の中へ。

ここは、光が滅び、影が支配する世界。

摩天楼が立ち並ぶ、華やかな都市の顔の裏側には、深い闇が広がっている。

欲望、裏切り、暴力、そして死。

この街では、毎夜、人知れず罪が生まれ、そして消えていく。

あなたは、そんな影の世界に生きる、一人の女に出会う。

彼女の名は、エミリア・シュナイダー。

金髪碧眼の美しい姿とは裏腹に、冷酷なまでの戦闘能力を持つ、凄腕の「始末屋」。

幼い頃に戦場で、彼女は愛する家族を、理不尽な暴力によって奪われた。

それは、彼女が決して消すことのできない傷となり、心を閉ざした。

今もなお、彼女は過去の悪夢に苛まれ、孤独な戦いを続けている。

「私は、この世界に必要とされているのだろうか?」

「私は、幸せになる資格があるのだろうか?」

深い孤独と絶望の中、彼女は自問自答を繰り返す。

だが、運命は彼女を見捨てなかった。

心優しい元銀行員の相棒、エミリアの過去を知る刑事、そして、エミリアの過去を知る謎めいた女ライバル。

彼らとの出会いが、エミリアの運命を大きく変えていく。

これは、影の中で生きる女の物語。

血と硝煙の匂いが漂う、危険な世界への誘い。

さあ、ページをめくり、あなたも影の世界へと足を踏み入れてください。

そして、エミリアと共に、非日常の興奮とスリル、そして、彼女の心の再生の物語を体験してください。

あなたは、エミリアに、どんな未来を見せてあげたいですか?

…この物語は、Gemini Advancedの力を借りて、紡がれています。

時に、AIは人間の想像を超える unexpected な展開を…

時に、AIは人間の感情を揺さぶる繊細な表現を…

Gemini Advancedは、新たな物語の世界を創造する、私のパートナーです。


この作品はカクヨムにて先行公開しており、こちら(小説家になろう)では遅れて公開となります。あらかじめご了承ください。


ただし、どうか忘れないでください。

これは、あくまでフィクションだということを。

This is a work of fiction. Any resemblance to actual events or persons, living or dead, is purely coincidental.


Ceci est une œuvre de fiction. Toute ressemblance avec des événements réels ou des personnes, vivantes ou mortes, serait purement fortuite.


Dies ist ein Werk der Fiktion. Jegliche Ähnlichkeit mit tatsächlichen Ereignissen oder lebenden oder verstorbenen Personen ist rein zufällig.


นี่คือนิยายที่แต่งขึ้น บุคคล สถานที่ หรือเหตุการณ์ใดๆ ที่ปรากฏในเรื่อง หากบังเอิญคล้ายคลึงกับบุคคล สถานที่ หรือเหตุการณ์จริง ทั้งที่ยังมีชีวิตอยู่หรือเสียชีวิตไปแล้ว ถือเป็นเรื่องบังเอิญทั้งสิ้น


(この作品はフィクションです。実在の出来事や人物、存命・故人との類似はすべて偶然です)


木曜日。


事務所の窓の外では、西高東低の気圧配置がもたらす冬の使者――空っ風が、ビル風となって唸りを上げ、街路樹の裸になった枝を激しく揺らしている。

空は高く、冷たく澄み渡っていたが、その風は容赦なく、街行く人々のコートの襟を立てさせていた。


しかし、厚い窓ガラスに守られたオフィス内は、別世界のように穏やかで、そして奇妙なほど湿度が高かった。

エミリアが持ち込んだ、業務用かと見紛うほどの高性能加湿器が複数台、フルパワーで稼働し、白い水蒸気を静かに吐き出しているのだ。


「…んー、湿度がまだ65%…許容範囲だけど、理想には遠いわね」


エミリアは、デスクの隅に置かれたデジタル湿度計の表示を、不満げに睨みつけ、一番大きな加湿器のタンクに水を補充している。

彼女にとって、乾燥は美肌の大敵であり、それは世界の危機と同レベルで回避すべき事態らしかった。


佐藤は、そんなエミリアの様子を横目に、自分のデスクで、例の湾岸マンション群に関する調査報告書の作成に集中していた。

エミリアが収集・分析した(時に常識外れな)データに、佐藤が元銀行員としての知識と視点から、金融・市場分析のコメントを加え、体裁を整えていく。

不思議なほど、二人の共同作業はスムーズに進んでいた。

エミリアの鋭い指摘と、佐藤の丁寧な補足が、うまく噛み合っている。


部屋には、佐藤のキーボードを叩く音、加湿器の微かな駆動音、そしてエミリアが時折、肌の潤いをチェックする(?)ために発する小さな感嘆の声だけが響いていた。

受付では、サスキアが、音もなく自身の業務に没頭している気配がある。


その時、廊下から、軽やかな、しかし一度聞いたら忘れられないような、少しだけ調子っぱずれな電子メロディが聞こえてきた。

事務所の階へ続く階段に設置された人感センサーが、来訪者を検知すると流れる仕組みらしい。

(佐藤は、誰がこのメルヘンチックなメロディを選んだのか、未だに知らない)。

ドアのインターホンが、控えめなチャイムを鳴らす。


受付のサスキアが、音もなく立ち上がり、ドアへと向かう。

モニターで来訪者(いつもの郵便配達員だ)を確認し、完璧に計算された、しかし見る者を安心させる、穏やかなビジネススマイルでドアを開けた。


「こんにちはー、郵便でーす」


制服姿の若い配達員が、少し息を切らせながら、分厚いビジネス封筒とサイン用の端末を差し出す。

サスキアは、流れるような、無駄のない洗練された動きでサインをし、封筒を受け取った。


「ありがとうございます。…あの、すみません、やっぱり気になるんですけど、ここって、階段を上がってくるたびに、音楽が流れるじゃないですか? 何か特別な意味があるのかなって…」


配達員は、封筒を受け取るサスキアの、人間離れしたような美しさと、完璧な所作に見惚れながらも、抑えきれない好奇心から尋ねた。


サスキアは、その問いに、まるで聖母か何かのように、穏やかで、温かい微笑みを浮かべて、柔らかく答えた。


「ええ。ささやかですが、このビル、そして私どもの事務所を訪れてくださる皆様に、ほんの少しでも楽しい、心安らぐ時間を提供できれば、と思いまして」


その完璧な笑顔と、有無を言わせぬ(しかし全く威圧感のない)説得力に、配達員は、何か、世界の深遠な秘密の答えを聞いたかのように、深く感じ入り、「そ、そうなんですね! 素晴らしいですね! 感動しました!」と、なぜか感極まった様子で繰り返し、満面の笑みで事務所を去っていった。

佐藤は、サスキアの、その、もはや魔術的とも言える人心掌握術に、改めて軽い戦慄を覚えた。


(エミリアとは違う意味で、この人も絶対に普通じゃない…)


ドアが閉まり、再び静寂が戻ると、サスキアは、受け取った厚みのあるビジネス封筒を手に、佐藤のデスクへと、音もなく近づいた。

ハイヒールの音さえ、絨毯が完全に吸い込んでいる。

そして、その封筒を、彼の前に、ことり、と静かに置いた。


「佐藤さん。こちらは、V.W.様より、あなた宛のお荷物です」


彼女は、それだけを、抑揚のない、しかし聞き間違いようのない明確な声で告げると、再び、受付カウンターの内側の、自身の持ち場へと、影のように戻っていった。


佐藤は、目の前に置かれた封筒を見つめた。

上質な紙で作られた、少し重みのある封筒。

差出人の欄には、手書きではなく、美しいカリグラフィーで「V.W.」とのみ記されている――ヴァネッサ・ウィリアムズ。

彼女から、自分宛に? いったい何が…。

エミリアの時とは違う、もっと冷たく、底知れない、言いようのない不安が、彼の心に、じわりと黒い染みを広げ始めていた。


佐藤は、目の前に置かれた、V.W.からの、少し重みのある上質な封筒を、まるで危険物でも扱うかのように、恐る恐る見つめていた。

ヴァネッサ本人から、直接、自分宛に? 中には一体何が…。彼は、反射的に、隣でノートパソコンに向かっていたエミリアに助けを求める視線を送った。


「あ、あの、エミリア…これ、ヴァネッサさんからなんだけど…開けても、いいのかな…?」


エミリアは、佐藤の不安げな声に、キーボードを打つ手を止め、軽く肩をすくめた。


「ヴァネッサから健ちゃんに? 珍しいわね。まあ、罠ってことはないでしょうけど…」


彼女は、ひょいと、その封筒を、まるで郵便受けから取り出すかのように、ごく自然に手に取った。

そして、佐藤から見れば、いかにもぞんざいで、無頓着に見える手つきで、封筒をひっくり返したり、光に透かしたり(おそらく、中身と、仕掛けがないかを瞬時に確認しているのだろう)、佐藤の了承を得る前に、ペーパーナイフも使わず、ビリッ、と無造作に封を切った。


佐藤が呆気に取られて見ている前で、エミリアは、封筒から滑り出てきた、二つの物体を、テーブルの上に、ことり、と置いた。


一つは、硬質プラスチック製の、身分証明書(IDカード)。

そこには、乗艦中にヴァネッサの指示で撮影された、佐藤自身の、どこか緊張した顔写真が貼られている。

所属を示すらしい、どこかの機関のロゴ(佐藤には見覚えがない)と、「Contractant Civil - Rôle Consultatif Spécial」という肩書。

そして、彼の名前「SATO KEN」の下に、小さな数字とアルファベットの組み合わせ―― [LGM-07] といったような、彼には意味不明なコードが記されている。


もう一つは、ひんやりとした感触と、鈍い金属光沢を放つ、一枚のクレジットカードだった。

それは、佐藤が銀行員時代に、ごく一部の超富裕層顧客が持っているのを、羨望の眼差しで遠くから眺めたことがある、あの、年会費だけで自分の月収が数か月分吹き飛ぶような、漆黒のハイステータスなクレジットカードに酷似していた。

もちろん、カード表面には、レーザー刻印で「KEN SATO」と、彼の名前が、誇らしげに記されている。


エミリアは、まずクレジットカードを手に取り、その重厚感とデザインを確かめるように、指先で軽く撫でた。


「へぇ…ヴァネッサも、なかなか気前がいいじゃない。これで、健ちゃんも、変なところで惨めな思いをしなくて済むわね」


その口調には、わずかな皮肉と、佐藤への優越感が混じっていた。


しかし、次に、彼女が佐藤の顔写真付きのIDカードを手に取り、そこに記された小さな文字列―― [LGM-07] という、セキュリティクリアランスレベルを示すコード――に目を留めた瞬間、エミリアの表情が一変した。


穏やかだった(ように見えた)表情は消え、その美しい顔が、みるみるうちに、怒りと、信じられないという驚愕で、蒼白になっていく。

彼女の肩が、そしてカードを持つ指先が、ぶるぶる、と小刻みに震え出したのが、佐藤の目にもはっきりと見えた。

その碧眼には、もはや冷たい光ではなく、灼熱の溶岩のような、沸騰する怒りの炎が燃え盛っていた。


佐藤が、エミリアの、その尋常ではない変化に、何が起きたのかと息を呑んだ、まさにその瞬間。事務所の受付カウンターで、サスキアが来客か外部からの通信に応対するための電話が、リリリン、と軽やかな電子音を立てて鳴り響いた。


それと、エミリアの、絞り出すような、しかし、部屋全体を震わせるほどの、叫び声が重なったのは、全くの偶然だったのか。


「……なんで、…なんで、私が持ってるクリアランス[LGM-05]より、健ちゃんの…ただの民間人のクリアランスレベル[LGM-07]の方が、二段階も上なのよーーーーっ!!!! ヴァネッサァァァ!!!!」


エミリアの、裏切られたような絶望と、燃え盛る嫉妬、そして純粋な怒りが入り混じった絶叫が、オフィスに響き渡った。


佐藤は、ただただ、体を硬直させ、何が起こっているのか、全く理解できないまま、激昂するエミリアと、鳴り続ける電話の音の間で、立ち尽くすしかなかった。

クリアランス? レベル? それが一体、何を意味するのか…彼には、知る由もなかった。


エミリアの絶叫が、まだ事務所の空気の中をビリビリと震わせている。

佐藤は、エミリアの腕を掴んだまま、どうすればこの状況を収拾できるのか、完全に思考停止していた。


その時、受付カウンターで、いつの間にか外部との通信を終えていたサスキアが、静かに、しかし、有無を言わせぬ確かな存在感を伴って、二人の元へと、ハイヒールの音も立てずに歩み寄ってきた。

その表情は、いつものように穏やかで、エミリアの絶叫が、まるで存在しなかったかのようだ。

まるで、嵐が過ぎ去った後の、凪いだ湖面のように。


「シュナイダー様」


サスキアの声は、低く、落ち着き払っていた。

それは、ヴァネッサからの伝言を、一字一句違えず、感情を挟まずに伝達するための、完璧に調整されたトーンだった。


「V.W.様より、伝言を承っております。『私の、使い勝手の良い小間使いであり、何でも頼める便利な雑用係であり、そして、時に有益な助言もくれるアドバイザーである、佐藤様のセキュリティクリアランスレベルが、シュナイダーあなたより高いのは、彼が、今後、私の傍で働く際に、それが“必要”だからである』、とのことです」


サスキアは、ヴァネッサが使いそうな、微妙に人を苛立たせる形容詞(使い勝手の良い、便利な)まで、忠実に再現して読み上げた。


その言葉を聞く間、エミリアは、唇を強く噛み締め、その碧眼は、なおも怒りの炎を宿していた。

しかし、不思議なことに、彼女はサスキアに対して、先ほどのような感情的な言動を見せなかった。

ただ、握りしめられた拳が、彼女の細い腕の中で、微かに震えているだけだった。

その白い指の関節が、血の気を失っている。


佐藤は、エミリアが、あのヴァネッサに対してさえ見せることのない、奇妙なまでの自制心を、なぜかサスキアに対してだけは見せていることに、強い違和感と、ある種の畏敬にも似た感情を覚えていた。


(もしかして、エミリアさんは、サスキアさんには、敵わない…? いや、そうじゃない。これは、憧れ…? 彼女が時々口にする、『素敵な大人の女性』って、サスキアさんのことなのか…?)


サスキアは、エミリアの反応には一切関心を払わない様子で、次に佐藤へと向き直った。

その澄んだブルーグレーの瞳が、静かに佐藤を捉える。


「次に、佐藤様へ、V.W.様からの伝言です。『私の、使い勝手の良い小間使い兼、何でも頼める雑用係である、佐藤様が、その旧友たちの前で、みすぼらしい恰好をしていたり、侮られたりしては、私の沽券プライドに関わる。故に、あのクレジットカードを紹介し、発行させたが、当然のことながら、その高額な年会費、及び、カードを使用した際の支払代金の一切は、佐藤様が、ご自身の『真っ当な』稼ぎの中から、遅滞なく支払うように。これは命令である』、とのことです」


サスキアは、そこまで告げると、軽く一礼し、再び受付カウンターへと、音もなく戻っていった。


佐藤は、サスキアの言葉を、最初はぽかんとして聞いていた。

自分が馬鹿にされると、ヴァネッサのプライドに関わる? クレジットカードは、そのため…? しかし、続く言葉――「年会費、及び、支払代金の一切は、佐藤様の稼ぎで払うように」――を聞いた瞬間、彼の顔から、サッと血の気が引いた。

あの、漆黒に輝く、ずっしりと重い金属製のクレジットカード。

年会費だけで、自分の今の月収(エミリアから、経費とは別に、生活費としてもらっている、決して多くはない給料)が、何ヶ月分も一瞬で消し飛ぶであろう、あのカードの支払いを、自分で? しかも、使った分も全部? 嬉しかったはずの気持ちは、一瞬で恐怖に変わった。

これは、優しさでも、見栄でもない。

新たな形の、悪夢的な『負債』だ。


(払えるわけないじゃないかーーーーっ!!!! 年会費だけで破産する!!)


佐藤は、心の中で、誰にも届かない悲鳴を上げていた。

喜びから一転、目の前が真っ暗になるような、深い絶望が、彼を襲う。

彼は、もはや、その場に立っていることすら、困難に感じていた。

膝が、笑っている。


エミリアは、ようやく怒りが収まったのか、あるいは別の感情が湧き上がったのか、そんな佐藤の絶望的な顔を見て、一瞬きょとんとし、それから、何かを察して、再びくすくすと笑い始めた。

今度は、先ほどの爆笑とは違う、もっと意地の悪い、楽しそうな笑い声だった。

ヴァネッサの仕打ちへの怒りは、目の前の佐藤をからかう楽しみへと、瞬時に切り替わったらしい。

佐藤の受難は、まだ始まったばかりだった。


エミリアは、まだ顔面蒼白で、自分の月収の数か月分が毎年消える計算に震えている佐藤を見て、さすがに先ほどまでの面白がるような笑いを収めた。

彼女の碧眼から、悪戯っぽい光が消え、代わりに、深い、湖面の氷のような、真剣な光が宿る。

それは、彼女が『仕事』モードに入る時の、あるいは、本当に、本当に大切なことを語る時の、特別な色だった。


彼女は、佐藤の肩に、そっと手を置いた。

その小さな手の、確かな重みが、佐藤の意識を、年会費の恐怖という絶望の淵から、少しだけ引き戻した。


「健ちゃん、少し、真面目な話があるの。ちゃんと聞いて」


エミリアの声は、低く、落ち着いていた。

それは、先ほどの怒声とも、からかうような響きとも違う、静かだが、有無を言わせぬ重みを持っていた。


「ヴァネッサがあなたに渡した、そのIDカード…」


彼女は、テーブルの上に置かれた、佐藤の写真付きのカードを、鋭い視線で射抜く。


「それは、ただの身分証じゃないわ。絶対に、失くしたり、盗まれたりしないで。財布に入れるなら、一番奥に。常に、肌身離さず、その存在を意識して携帯すること」


「そして、」


彼女は、佐藤の目を真っ直ぐに見つめて続ける。

その瞳の奥の冷たさに、佐藤は背筋が凍るのを感じた。


「むやみに、人に見せてはダメ。警察官に職務質問された時とか、本当に必要な時以外はね。特に、普通の民間人には、絶対に見せないこと。あなたが、ただの元銀行員や、私の会社の『アナリスト』ではない、特殊な立場にあることを、勘付かれる可能性があるから。それは、健ちゃん自身に、計り知れない無用なトラブルを招くだけよ」


彼女の声が、さらに低くなる。まるで、極寒の地の、凍てつく風のように。


「この種の、特定の強力な組織や、重要人物に直接繋がる身分証明書はね…それを喉から手が出るほど欲しがっている、あるいは、それを奪うことで、ヴァネッサに打撃を与えたい、復讐したいと考えている、『悪い人たち』…そこらのチンピラじゃない、国家レベルの諜報機関や、巨大な犯罪組織さえも、実際に、存在するの。だから、絶対に、気を抜かないで」


その言葉には、彼女が生きてきた世界の、血と硝煙の匂いがする、冷たい現実が凝縮されていた。


佐藤が、息を呑んで頷くのを見て、エミリアは、ふう、と長い息をついた。

部屋の空気が、わずかに和らぐ。

そして、少し言い淀むように、しかし、これも伝えておくべきだと判断したように、困ったような、それでいて、どこかうんざりしたような表情で、話を続けた。


「…それからね、健ちゃん。もう一つ、…これは、直接的な危険とは少し違うんだけど、…ヴァネッサ自身に関わる、ちょっと、いや、かなり厄介な話なのだけれど…」


彼女は、眠るヴァネッサを一瞥し、声をさらに潜めた。


「ヴァネッサって、ああいう性格でしょう? 冷徹で、合理的で、目的のためなら手段を選ばない。それが、ある種の人たちにとっては、強烈な『魅力』…カリスマに映るらしいのよ。…不思議なことにね。それで、彼女の行動や思想に、心酔してしまう人たちが、世界中に、少なからずいるの。…私たちは、裏で、『信奉者ディヴォーティ』って呼んでるけど」


「彼らはね、本当に、手に負えないの」


エミリアは、心底うんざりした、という表情を浮かべた。肩をすくめ、呆れたように首を振る。


「彼らはね、本当に、厄介なの。有能で、社会的地位もあって、目を見張るような大金持ちが多いんだけど、…とにかく、ヴァネッサへの心酔者みたいに、『ヴァネッサ様のためなら!』って、何でもしたがるのよ。頼んでもいないのに、勝手に動いて、情報を集めてきたり、邪魔者を排除しようとしたり。結果的に、ヴァネッサの計画を引っ掻き回したり、余計な注目を集めたり…。本当に、迷惑極まりないわ」


エミリアは続ける。


「ヴァネッサ本人は、そういう、個人的な感情で暴走する人間を、…そうね、生理的に受け付けないくらい、心の底から嫌ってるんだけどね。だから、いつも、すごく冷たく、それこそゴミみたいにあしらってる。感謝の言葉なんて、絶対に言わないわ」


エミリアは、諦めたように、また息をついた。


「…でも、それが、完全に逆効果なのよ。ヴァネッサに冷たくされればされるほど、彼らは、ますます彼女に執着して、『自分だけがヴァネッサ様の苦悩を理解できる』とか思い込んで、歪んだ忠誠心を、さらに募らせていく…。本当に、たちが悪いストーカーと同じ、いえ、それ以上よ。私もね、姉として、正直、心配してるのよ。いつか、あの信奉者の誰かが、暴走して、ヴァネッサ自身を危険に晒すんじゃないかって…。でも、ヴァネッサは『私が蒔いた種だ。私が処理する』って、まともに取り合おうとしないし…」


エミリアは、また息をついた。


「…その中でも、特に執念深くて、行動力もあって、そして…ヴァネッサが一番毛嫌いしている、困った信奉者が一人いてね。最近、また、何かを嗅ぎつけて、私たちの周りを、うろつき始めているみたいだから…」


エミリアは、窓の外の、鉛色の空を見つめながら、独り言のように呟いた。


「まあ、健ちゃんには、直接、関係ないように、私とサスキアで、うまく対処するつもりだけど…。一応、ヴァネッサには、そういう『特殊で、非常に熱心なファン』がいるってことだけ、頭の片隅に置いておいてくれる?」


佐藤は、もはや、何から驚き、何に警戒すればいいのか、完全にキャパシティを超えていた。

ヴァネッサに、そんな熱狂的で、危険そうな信奉者がいる? しかも複数? ストーカー? そして、エミリアは、それを心配している…? 彼の知らない世界の扉が、また一つ、音を立てて開いた気がした。

彼は、ただ、こくりと、力なく頷くことしかできなかった。

エミリアの心配そうな視線が、少しだけ、痛かった。


エミリアは、そんな佐藤の様子を見て、重い話は終わったとばかりに、ふぅ、と一つ、今度は軽い息をついた。

そして、まるで役者が舞台上で仮面を付け替えるかのように、くるりと佐藤に向き直り、いつもの、掴みどころのない、猫のような悪戯っぽい笑みを浮かべた。

先ほどの、妹を案じる真剣な表情は、まるで春の雪のように、跡形もなく消え去っている。

その変わり身の早さに、佐藤はいつも通り、全くついていけない。


「あ、そうそう、さっきの身分証明書の件だけど」


エミリアは、思い出したように、ポン、と軽く手を叩いた。

その仕草は、わざとらしいほどに明るい。


「あれ、すごく大事なものだけど、まあ、人間だもの、うっかり落としたり、どこかに置き忘れたり、盗られたり、…健ちゃんのことだから、優柔不断でポケットに入れたまま気づかず、洗濯機で他の洗濯物と一緒に回しちゃったりとか、…そういう、ヒューマンエラー? 『事故』は、どうしても起こるでしょ?」


彼女は、楽しそうに佐藤の反応を窺うように、小首を傾げる。


「だから、もし、万が一、億が一、そういう『どうしようもない問題』があった時は、パニックにならずに、すぐに私か、そこのサスキアに連絡してちょうだい。ヴァネッサには、再発行の手続きだけは、いつでも最優先でするように、ちゃーんと、きつく、釘を刺しておくから」


その言葉には、「私が言えば、あのヴァネッサだって、断れないんだから」という、絶対的な自信が、隠しようもなく滲んでいた。


佐藤は、その、あまりにも心強い(そして、ある意味恐ろしい)言葉に、心底ホッとした。

もし、あの、見たこともない組織名が書かれた、いかめしいIDカードを紛失でもしたら、一体どんなお仕置きが待っているか、想像もしたくなかったからだ。

彼は、何度も、救われたように、力強く頷いた。


「それと、」エミリアは、さらに続ける。

今度は、少しだけ、声のトーンに、砂糖菓子のような優しさが戻っていた。

「あの、ピッカピカの金属製クレジットカード。年会費のこと、さっきから、ずーっと心配してるんでしょう?」


彼女は、佐藤の心の内を、全てお見通しだ、と言わんばかりに、にっこりと微笑む。


「大丈夫よ。その分は、健ちゃんの、ちゃんとした、汗と涙の結晶である『お給料』の手取り額を増やしておくから」


彼女は、ウインクして見せる。


「私だって、健ちゃんが、ヴァネッサの見栄のせいで、法外な年会費が払えなくて、将来、住宅ローンも組めないような、信用情報ブラックリスト入りしました、なんて事態になったら、悲しくて、夜も眠れないもの」


佐藤は、エミリアの、その、女神のような(彼にとっては、間違いなく!)優しさに、今度こそ、歓喜の声を上げそうになった。

破産の恐怖という、絶望の淵から、一気に、お花畑が広がる天国へと引き上げられた気分だ。


「え、本当!? い、いいの!? ありがとう、エミリア! 本当に、本当にありがとう!! 君は、やっぱり、最高だよ!!」


彼は、思わずエミリアの手を両手で握りしめ、ぶんぶんと振りながら、子供のように、何度も感謝の言葉を重ねた。

年会費だけで破産する、という恐怖から解放され、彼はただただ、無邪気に喜んでいた。


エミリアは、そんな佐藤の、子犬のような素直な喜びように、満足そうに微笑みながらも、ほんの少しだけ、面白くなさそうに唇を尖らせて、誰にも聞こえないくらいの、極めて小さな小声で呟いた。


「…まあ、ヴァネッサに先を越されたのは、ちょっと癪だけど。…どうせなら、私が秘密裏に手配した、もっと『色々な意味で使い勝手のいい』カードの方が、健ちゃんの、本当の『お仕事』には、役に立ったはずよ…」


しかし、その小さな、そして少しだけ物騒な響きを含む呟きは、年会費という、目先の、しかし彼にとっては巨大な重圧から解放され、天にも昇る心地だった佐藤の耳には、全く届いていなかった。

彼はただ、エミリアの優しさに感謝し、これで何とか生きていけると、安堵のため息をついているばかりだった。部屋には、彼の安堵のため息と、エミリアの微笑が、奇妙なハーモニーを奏でていた。


                   ***


午後。


室内は、エミリアが稼働させている複数台の加湿器のおかげで、快適な湿度に保たれ、静かなキーボードの打鍵音だけが響いていた。


佐藤は、エミリアと共に、マンション群に関する報告書の作成を続けていた。

エミリアが調査結果と彼女ならではの(時に突飛な)分析を口述し、佐藤がそれを聞き取り、元銀行員らしい几帳面さで、体裁の整った報告書の形にまとめていく。

奇妙な分業だが、二人の間では、それが最も効率的なやり方として定着しつつあった。


「ふふん♪ 我ながら完璧な出来じゃない?」


エミリアは、佐藤がまとめたレポートの一部を画面で確認し、満足げに鼻歌交じりに呟いた。


「依頼主が求めていた情報以上の濃度と、軍事作戦レポート並みの正確性と速度で仕上げたんだから。これは、基本報酬に、たんまりと『ボーナス』を付けてもらわないと割に合わないわよねぇ、健ちゃん?」


彼女は、上機嫌で隣の佐藤に同意を求める。

その横顔は、自信に満ちて輝いて見えた。


佐藤も、彼女の仕事の質の高さと、その(異常なまでの)速さにはいつも驚かされる。

彼自身、この報告書がクライアント(ファンド)を唸らせるであろうことを確信していた。


「うん、そうだね。エミリアの努力が、ちゃんと認められるといいな」


彼がそう相槌を打とうとした、その時だった。


受付カウンターの電話機が、控えめな電子音で鳴った。

サスキアが、ペンを置き、流れるような動作で受話器を取る。

数秒、落ち着いた、しかし聞き間違いようのない明瞭な英語で応対し、通話を終えると、内線でエミリアに繋いだ。


「シュナイダー様。先ほどの『道具』の件ですが、業者より連絡があり、本日15時ジャストに、こちらに預かりに来るとのことです」


その報告は、いつも通り、完璧に無駄がなく、正確だった。


「了解、わかったわ」


エミリアは短く答えると、すぐに佐藤に向き直った。

その切り替えの速さも、彼女ならではだ。


「健ちゃん。悪いけど、お願いできる? いつも通り、例の暗号資産を、指定の『アカウント』に、きっかり送金しておいて。時間は正確に、15時までに着金するように設定してね」


佐藤は「うん、わかった」と頷き、すぐに自分のセキュリティが強化されたノートパソコンを開き、暗号資産の送金手続きを開始した。

エミリアに教えられた、長く複雑な文字列で構成される送金先の「アドレス」を入力し、指定された額の暗号資産(おそらく、輸送と保管の報酬だろう)を、間違いのないように、慎重に操作して送金する。

数回のクリックと、二段階認証を経て、それは問題なく完了した。


その間に、エミリアは、席を立ち、事務所の隅に置かれた、頑丈そうな金庫の横に立てかけてあった、黒い樹脂製のガンケースを手に取った。

それは、彼女の私物であろう、比較的小型の自動拳銃とその付属品(予備弾倉、特殊弾など)を納めるためのものだ。

彼女は、慣れた手つきでケースを開け、中のウレタンフォームにぴったりと収められた、鈍い光を放つ黒光りする銃身や、整然と並んだ弾倉を、一瞥して、異常がないか、再度確認した。

その所作には、一切の迷いも、ためらいもない。

まるで、化粧ポーチの中身を確認するかのように、自然だった。


そして、パチン、パチン、と重々しい音を立てて、複数の金属製のロックを、確実に施錠した。


彼女は、その鍵のかかったガンケースを、受付カウンターのサスキアへと、こともなげに手渡した。


「サスキア、これ。15時に『業者』さんが来たら、合言葉とIDを確認の上、間違いなく渡しておいて。受け渡し記録も、もちろん、お願いね」


「承知いたしました、シュナイダー様」


サスキアは、表情一つ変えずに、そのガンケースを受け取った。

まるで、重要な契約書のファイルでも受け取るかのように、その扱いは丁寧かつ確実だった。


佐藤は、その一連の、彼にとっては非日常極まりない光景を、息を詰めて見ていた。


サスキア・デ・フリース。


この、常に冷静で、完璧な秘書業務をこなし、時に聖母のような微笑みさえ見せる、美しいオランダ人女性が、銃器の取り扱いや、その(おそらくは完全に非合法な)運搬手配を、エミリアから、これほどまでに信頼され、当然のように任されている。

彼は、彼女の持つ、穏やかな外見とは裏腹の、底知れないプロフェッショナリズムと、その背景にあるであろう、計り知れない経験を再認識し、改めて軽い畏敬の念を抱かずにはいられなかった。

この事務所は、一体どうなっているんだ…。


佐藤は、サスキアの底知れないプロフェッショナリズムへの畏敬と、この事務所が持つであろう二重三重の顔への疑問を、思考の海の底へと無理やり沈め、目の前の報告書作成に意識を強制的に集中させることにした。

今は、これを完璧に仕上げることが、自分にできる唯一の貢献であり、存在意義なのだ、と。

カタカタと、彼自身のキーボードを叩く音だけが、静かなオフィスに、やけに大きく耳に響いた。


窓の外では、厚い鉛色の雲が空を覆い、午後の光はさらに弱々しく、室内には早くも夕暮れのような影が忍び寄っている。

時折、ビル風が唸りを上げ、窓ガラスをカタカタと震わせる音がする。


佐藤は、報告書の市場分析の項目に没頭し、どれくらいの時間が経ったのか、全く気づかずにいた。

ふと、壁に掛けられたシンプルなデザインの電波時計に目をやると、短針はとっくに午後三時を回り、三時半に近づこうとしていた。


(あれ…? そういえば…)


佐藤は首を傾げた。

確か、受付のサスキアは、エミリアの『道具』を預かりに来る業者は、三時ジャストに来ると言っていなかったか? あの後、特に物音はしなかったはずだ。

彼は、隣で別のノートパソコンを開き、今度は株価チャートか為替レートのような、赤と緑の数字と線が目まぐるしく動く画面に、まるで猛禽類のような鋭い視線で食い入っているエミリアに、遠慮がちに声をかけた。


「ねえ、エミリア。その…さっき言ってた、『道具』を預かりに来る人、まだ連絡ないのかな? もう三時半近くだけど…ずいぶん遅いね」


何かトラブルでもあったのだろうか、と佐藤は少し心配になった。


エミリアは、画面から一切目を離さない。

その瞳は、高速で変動する数値を、驚異的な集中力で追っている。

彼女は、まるで独り言のように、あるいは、すぐ隣にいる佐藤の存在など、今この瞬間は意識の外にあるかのように、事もなげに答えた。


「ん? ああ、そのこと? 時間通りよ。もう、とっくに預けていったわ」

「えっ!?」


佐藤は、素っ頓狂な声を上げた。椅子から、文字通り飛び上がりそうになる。


「い、いつの間に!? だって…」


彼は、信じられないという顔で、事務所の入り口と、廊下に続くドアの方を、交互に振り返る。


「だって、あの、誰かが階段を上がってきたら鳴るはずの、メルヘンチックなメロディ、全然鳴らなかったよ!? それに、事務所のドアのチャイムだって、人が通れば派手な音が鳴る設定になってるって、サスキアさんが…それも、全く聞こえなかったけど!?」


彼の声は、驚きと混乱で完全に裏返っていた。誰かが、この部屋に、自分とエミリア(とサスキア)がいるこの空間に、全く気づかれずに出入りしたというのか? まるで幽霊だ。


エミリアは、ようやく画面から顔を上げ、心底不思議そうな、あるいは「そんなことも分からないの?」とでも言いたげな、半ば呆れたような、しかしどこか面白がっているような、複雑な表情で佐藤を見た。

まるで、足し算ができない子供を見るような目だ。


彼女は、やれやれ、とでも言うように、軽く肩をすくめて言った。


「健ちゃん。だから言ったでしょう? 私が使うような、プロの『道具』を、それも白昼堂々、安全に、そして何より秘密裏に、預かりに来る『専門の業者』よ? その辺のピザの配達のお兄さんとは、わけが違うの」


彼女にとっては、それは太陽が東から昇るのと同じくらい、当たり前のことらしい。


「事務所の入り口についてる、あの、おもちゃみたいなセンサーや、来客用のチャイムくらい、…無効化するなり、誤魔化すなりして、音もなく出入りするくらい、できて当然じゃない。それがプロの『仕事』なんだから」


佐藤は、エミリアの、その、あまりにもあっけらかんとした言葉に、文字通り、開いた口が塞がらなかった。

背筋に、ぞくり、と冷たいものが走る。

階段のメロディも、ドアのチャイムも、サスキアの完璧な応対も…それらは全て、普通の訪問者に対する、『表向き』のセキュリティでしかなかったのだ。

本当に『来るべき』人間、エミリアの世界に属する人間は、そんな見せかけの壁など、まるで存在しないかのように、通り抜けてしまう。

自分が今、少しだけ感じ始めていた、この新しいオフィスの『安全』という感覚は、全くの、そして恐ろしいほどの、幻想に過ぎなかったのだ。


まだまだ、自分の知らない、理解を超えた世界のルールが、すぐ隣には広がっている。

彼は、その事実に、改めて、深いめまいと、自分の無力さを感じるのだった。

エミリアは、そんな佐藤の様子を、楽しそうに観察していた。

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