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忍法 その18 俺(ふじわら巨根斎)と彼女(飛天丸)と彼女(小金井伝馬)の話

タイトルの元ネタはニトロプラスのエロゲ。言っとくがヤンデレとグロに耐性の無い奴は絶対に見るな。インストール方法にクセがあってかあんりの実験作品だった。配布媒体もDVDではなくメモリ。当時は海賊版に神経質になっていた傾向が強かったからだと思われる。


 「さて、どうしてやろうか?」


 ごろん。


 ボロボロになった金髪ロリボディ白ビキニ美少女を俺は縄でぐるぐる巻きにして地面に転がした。

 猫耳でもつけてさらに属性を増やしてやろうか。


 「待て、巨根斎。俺をどうするつもりだ?まさか…」


 俺は大きな空の桶を見せつけた。

 去年、うちのお袋がたくわん(※この世界にも沢庵漬けはある。ただし沢庵という僧侶ではなく、商人が発見したらしい)を漬け込んだ時に使用した物だ。

 

 はっきり言って地獄の底(※獄卒用のロッカールーム)のような臭いがする。


 「聞くまでもない。事件が終わるまで貴様はここに封印する。さらば小金井伝馬、いやさ金糸雀姫。お前の現世はここで終わりだ」


 「待て、巨根斎。私をここで追い出すと後悔するぞ?…この雷神を要らぬと申すか⁉」


 ふざけやがって…何がオルランドゥだ。

 PSP版じゃタダのドン亀じゃねえか。


 ムスタディオに謝れよ。


 「いいか、盆暗。前世でワシが失敗した原因の一つは明らかにお前が関係しているのだ。お前が後継者に指名されなかったからといって刃金の頭領や黒鋼の重鎮を弑しなければワシが幻術で民草を篭絡し、里はワシの物となったはずなのだ‼」


 がんっ。


 とりあえずムカつくので変骨を入れてやった。


 前世の事件の一部を語る。ワシことふじわら巨根斎には刃金の里に隠された秘宝を手に入れる目的があった。


 一つは宝剣、紫電一文字。


 そして邪神チンチンカユイカユイを祀る祭壇(※刃金の里は稀なる霊場だった)。


 最後は龍魂琥珀宝珠。


 紫電一文字は邪神の力を封じる為、祭壇は邪神を召喚する為、最後の宝珠は封じた邪神の魂の容れ物とする為だった。

 信徒には現世救済の為の邪心復活と嘯いていたが、その真の目的は邪神を触媒にした高次元の神との接見にこそある。

 本来ならばワシは高次元の神と接見して天地創造の術、陰陽遁の術を手に入れるはずだった。

 かの術を手に入れれば滅ぼされたワシの故郷の者たちを蘇らせることが出来る。

 その僅かな可能性に全てを賭けて生きていたのだ。


 おっと勘違いするなよ?


 これは最初の失敗を打ち消すルーティンであって、弱者救済など最初から考えてはいない。


 ワシは悪人だからな‼がっはっはっは‼


 「なッ‼まさかお前にそのような悲しい過去があったとは‼感動したぞ、私は‼」


 ぶわっ!


 気がつくと金糸雀姫は宝石の如き双眸から大粒の涙を流していた。


 やべえ‼コイツの脳みそが80年代の少年漫画の悪役並みに単純だった…。


 時すでに遅し、小金井伝馬改め金糸雀姫は左右で色合いの異なる瞳で俺をじっと見つめている。


 「ふじわら巨根斎。いやしのぶよ、お前の熱い気持ちはこの金糸雀カナリアが確かに受け取った。共に目指そう…衣服などで己の本心を偽らなくてもいい理想社会を…」


 ※ここでドラクエ2の仲間が加わる時の音楽が流れる。


 金糸雀姫が仲間に加わった!


 要らねえええッ‼

 カムバック、絶倫四天王‼


 だが敵意が解けて俺は金糸雀姫と戦う理由が無くなり、仕方なく沢庵漬け用の桶から出してやった。


 「ところでしのぶよ。お前はなぜおりん…ではなく飛天丸を殺さないのだ?お前に諸国の大名を恐れさせたは【秘術 黄泉葬送とみおくり】があろう」


 ギクッ‼


 金糸雀姫が言うように、かつての俺にはムド系の最大呪殺術【黄泉葬送】があった。


 だが…。


 「その話だがな。実はこの世で唯一、飛天丸にだけは【黄泉葬送】が効かないのじゃ…」


 話は前世に戻る。

 俺はかつて刃金の里の最強の忍にして銅飛天丸あかがねひてんまる父銅主馬あかがねしゅめと戦った事がある。

 もちろん全盛期の俺にとっては楽な相手だったがここで俺は最大のミスを犯してしまった。

 飛天丸の父を殺した時に、一緒に飛天丸の母親までころしてしまったのだ。

 これが結構厄介な話で飛天丸の母、山百合は山の民の末裔で前世の俺の娘だった。娘は俺の【黄泉葬送】で殺される前に呪詛返しを行ったのだ。

 結果を言うと俺は死ななかったのだが、呪詛返しにより”飛天丸”だけは呪い殺せないという誓約を背負わされる事になってしまう。


 育ててもらった恩を忘れ負って。あのクソ娘が…。


 「なっ⁉お前は飛天丸の祖父だったのか⁉」


 「そのような世俗的な関係ではない。山の民に取って男親など基本的には種馬でしかないからな…」


 俺は当時を思い出して嫌な気分になる。

 いくら大悪人の俺でも情を交わした相手に背かれてはそれなりに傷つくという物だ。


 「そうか。だが安心しろ、しのぶ。現世では私がしっかりとお前を支えてやるからな…」


 なんか面倒な事になってないか?


 俺は会話を中断させてから臭いを何とかする為に村長の家に向った。

 村長の家は大所帯なので水浴びくらいはさせてくれるだろう…。


 すたすたすた。


 この時、俺は背後からりんがついて来ている事に全く気がついてはいなかった。

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