7 ダイスキ?
私は自分を思い返しながら、しっかり反省しながら、アクトの背中をさすっていた。
「もう落ち着いたかな、大丈夫?ごめんね。いや本当にごめんね。ゆっくりでいいからね」
この世界に来てから、一人で思考に没頭する時間が多くなっている気がする。
それだけならまだしも、思考がそのまま独り言として、声に出ていたらしく、それが聞き取れないくらい小さかったとのことで…。怯えた目をしていらっしゃって…。
アクトはぶつぶついうねえさんがとても怖かったとのことで…。しっかり泣いていらっしゃる…。
アクトによるとねえさんを壊してしまったのかと思った。全然姉さんの気持ちを考えられてなかった。とのことで……。しっかり天使でいらっしゃる。
いやぁ…自分が不甲斐ないよね。この子はこんなに小さいのに、私の事まで気づかってくれて……。
三年間眠っていた『ソンサ』の元に入ってしまったくらいのことで動揺している場合ではなかったみたい。
というか、こんな天使が目の前にいるのだからしっかり話さねばならないでしょう。天使放置はダメでしょう。反省。
あ、弁解しておくと、さすがの私もリアルな人相手に例え幼かったとしても、
心の中だけだったとしても、天使天使とか思わない。全然思ったことない。
これはもう弟・性格がとても優しい・容姿可愛い(しかも二次元。顔面が二次元)
とかいう三代要素を備えている弟ができてしまったがため。
こんな思考をするようになってしまったんですね。いや違うかも。異世界に急に来ちゃったからなんかテンションおかしくなってるかもしれない。よくないよくない。情緒不安定すぎるな。私。
「ぐす、んん、だいじょーぶ」
さて、ちょっと冷静になろうね。私。
私のせいでアクトを泣かせてしまったという事実を重く受け止めていきたい。
「あのね、私はまだ自分がなんなのかよくわかってないし、これからどうなっていくかも分からないから…。えっと、大人って呼べるかな?」
うん。これ以上アクトに負担をかけない。というか、アクトの前で取り乱したくないという結論に至りました。
というか幼い可愛い弟に話させすぎました。本当は大人を呼ぶべきでした。私が悪いです。ごめんなさい。
「あのねっ大人は僕だけじゃ呼べないけどっ。兄さんだったらっ電話したら帰ってきてくれるよ。それから、兄さんは義父さんと母さんと連絡が取れるよっ」
「そっかぁ、じゃあ電話して、帰ってくるのを待とうね」
「うんっ!そうするっ」
アクトがポチポチ電話してくれた。(普通の家電だった。かなり嬉しい)兄さんらしき人の声がすぐ帰るっと、電話していない私にも聞こえるくらいの大きな声で言ったと思うと同時に電話が切れた。
「一旦食堂に戻ろうか?」
「うんっ!そうするっ」
しっかり食堂に戻ってきた。
「「………… 」」
ご飯は落ち着こっ落ち着こっとか言って、
調子に乗ってあーんとかしてたらいつの間にか無くなってたのよなぁ。
この場合何を話すのが適切なのか…
「あのさっ!あのね…」
アクトはいつも話しかけて欲しい時に話しかけてくれるなぁ。
ちょっと、顔が陰ってる気がするのが気になるけど
「なぁ〜に?」
「ボクのことも頼ってくれていいから!
ボク、ねえさんのことダイスキダカラー!」
「ありがとう。嬉しいな」
とっさによく、返せたと思う。