3 夢じゃなくてもいいかもしれない
?
現在進行形でとても混乱しまくっているけれど、
誰か人には会いたかったし、嬉しい。
できればちょっとでも『私』について知りたいの、だけど…
「うわぁぁぁぁぁん、会いたかったよぉ」
私にしがみついて離れそうになく、めちゃくちゃ泣いているこの子に聞くのは、
申し訳なさすぎる。
誰か、他に人は……と、思ったのだけど
おかしい。
こんなに素敵なパジャマ?っぽいものを着せてもらっていて、
目の前の子もかっこいい貴族っぽい洋服を着ていて
なおかつさっきのお部屋もすごく豪華だったから
悪役令嬢もので出てきがちな使用人の一人や二人いても良さそうなのに。
というか、この子はさっきからかなりのボリュームで泣いているのだから、
誰かが、気づいてきてくれても良さそうなのに。
そもそもどうしてこの子は泣いているんだ…?
色々考え込んでいる間に
落ち着いてきてくれたみたいだから
話をまだ少し申し訳ないけど聞かせてもらおうかな。
「あのねねえさんっ!」
とか思ってたら、あちらから声をかけてくれた
ナイスタイミングすぎる。
「話さなきゃいけないことがたくさんあるんだっ!」
それはありがたいこと、この上ないこのだけど
「どうしても知りたいことがあるからそれだけ先に聞いてもいいかな」
「もちろんなんでも聞いてっ!」
こくこく、頷きながら嬉しそうにそう言ってくれるこの子
落ち着いてよく考えて見たら
こんな性格、こんな見た目のキャラクター
私は…知らない。
嫌な予感が加速している。
「『私』は誰なの…?」
そう聞いた瞬間目の前の美少年から笑顔が消えて
顔色が真っ青になっていく
それでも震える声で答えてくれた
「ソンサ・セーブ」
私が初めて聞く名前を